「向井理が罪すぎる」「くるみ呼びはヤバい」SNS超盛り上がりの『着飾る恋には理由があって』8話

文・釣木文恵 — 2021.6.15
7話で真柴くるみ(川口春奈)の実家という普段と違う場所で過ごした真柴と藤野駿(横浜流星)。良好な関係のまま東京に戻ってきた2人ですが、藤野の過去が彼らの間を揺るがしてしまいます。SNSでは駿と葉山(向井理)の全力疾走対決&「くるみ」呼びが話題になった8話を振り返ります。

後悔を「捨てられない」駿


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葉山(向井理)と駿(横浜流星)、真柴(川口春奈)をめぐる二人の戦いは……?(9話より)。©TBS


かつて、若くして店を任された藤野駿(横浜流星)。しかし人間関係がうまくいかず、一緒に働く人たちが次々とやめる事態に陥り、店は失敗。駿自身も逃げるように店を去ったという過去を持っています。その後も、彼の店で働いていた元彼女・葉菜(山本千尋)は店名そのままで店を続けていました。ある日、葉菜が駿のキッチンカーに現れ、シェフが入院してしまったため、2か月の間店を手伝ってほしいと伝えます。

駿は人に心配をかけたくないタイプのよう。「何もかもを捨てる」ミニマリストとして生きていますが、その実、過去の後悔も、いまの悩みも捨てるのがヘタ。というか、そういういろいろな気持ちを「捨てられない」人だからこそ、代わりに身の回りのものを捨てているのかもしれません。店のことも、心配して声をかける真柴に「なんでもない」と言い張ります。真柴から重ねて「ごまかさないで話して」と言われてようやく伝え、「後悔を捨てたら」「藤野さんはどうしたいの」と背中を押され、駿はようやくかつての店と、過去の自分と向き合うことを決めます。


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ひそかにこうじ(犬)もいつもいい味出してるんです(9話より)。©TBS


葉山、駿に宣戦布告!駿

駿は、店のオーナーである葉菜の父に頼み込み、1週間で25品を覚えて試食をパスするというテストを受けることに。駿のいとこでルームメイトの陽人(丸山隆平)が「料理のこと以外何も見えへんくなる」とかつての駿を思い出して心配したとおり、駿はほぼ店に泊まり込み料理に没頭する、余裕のない生活に突入。ひとつ屋根の下に一緒に暮らしているのに、真柴ともすれ違いが続きます。一瞬帰ってきたときのハグもありましたが(ここでの真柴、温泉で駿が買ってきたダサTシャツ着てるのがかわいい)、真柴は駿を次第に遠く感じるようになります。駿にとっては過去を乗り越え、真柴をめぐるライバル・葉山(向井理)に勝つという挑戦でもありますが、やっぱりそんなことは口にしないので、真柴には伝わりません。

7話で駿をきっかけに真柴への思いに気づいた葉山。ある夜駿に「1杯つきあわない?」と声をかけ、「真柴のこと頼むね」「もし頼めないなら遠慮はしない」と強く出ます。駿も「最初に泣かせたのはどっちですか」と敵意を隠しません。去る駿に葉山のかけた「ありがとう、つきあってくれて」の言葉は、お酒のことともとれますが、「俺がいない間、俺の代わりに真柴につきあってくれて」という意味にもとれます。ここに来て葉山の宣戦布告!


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真柴との距離を縮める葉山。これからどうなる?(9話より)。©TBS

駿と葉山、二人が真柴のために全力疾走!

香子(夏川結衣)からプレゼントされた那須塩原のレストランでのデートを、真柴はとても楽しみにしていました。駿はテストをクリアし店は無事再開しますが、デート当日、ランチの予約が入ってしまいます。その様子をレストランで目の当たりにして「仕方ないですね」と即答する真柴、その後真柴を「そういう時期ってあるから」と慰める葉山、いずれも仕事を大切にしているからこそ出る言葉で、このドラマが「うちキュン」と恋愛を中心に据えながらも、登場人物が自立している気持ちのよさを感じます。

けれども駿はまだデートを諦めていませんでした。自分のことは「マメシバ真柴」、元彼女は「葉菜」と呼ぶことが気になってしまう真柴と、真柴が社長からのプレゼントを持っていることがひっかかる駿。こんな些細なわだかまり、少しでも落ち着いて話せれば解決するはずなのに、二人の仲は微妙に……。

当日。予約した客が遅れ、時間ギリギリになってしまう駿。一旦家に戻り、使っていなかった携帯で真柴に電話をかけながらシェフコートのまま全力疾走! 一方、駿が間に合っていないことを知った葉山は代わりに一緒に、と立候補します。ここでまず香子に許可を得るやり方が実にスマート。けれども葉山もスーツ姿で必死に走り、真柴の元に向かいます。

ここで、真柴が駿からの電話に出ないのがリアル。知らない番号から電話がかかってきたら出ないのはいまや当然のこと。真柴という存在がありながら、駿が「余分なものは持たない」と自分のスタイルを崩さなかったことが、ここに来て裏目に出てしまうのです。表参道の交差点で車道ごしにようやく真柴を見つけ、「くるみ!」と初めて名前を叫ぶ駿! しかしそこに葉山が現れ、真柴は気づかないままタクシーに乗り込んでしまいます。

大切なデートを、葉山に奪われてしまった駿。真柴との関係はどうなってしまうのでしょう?


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一方、正式につきあうことになった陽人(丸山隆平)と彩夏(中村アン)は順調そう(9話より)。©TBS



文・釣木文恵
ライター。名古屋出身。演劇、お笑いなどを中心にインタビューやレビューを執筆。


https://youtu.be/0URCLonC5dY

Information

『着飾る恋には理由があって』

脚本:金子ありさ
演出:塚原あゆ子、棚澤孝義、府川亮介
出演:川口春奈、横浜流星、丸山隆平、中村アン・向井理、夏川結衣 他
放送日:TBS系毎週火曜日夜10時〜