キスで慰謝料は取れる?…探偵が丁寧解説「法的な不貞行為のボーダーライン」

文・三谷真美 — 2021.1.3
未婚状態のカップルにとって、浮気になるかどうかのラインは人それぞれですが、不倫は別物。そこで、法的に不貞行為と認められるボーダーラインはどこなのかを、浮気・不倫調査のプロ『総合探偵社(株)MR』に教えてもらいました。

不倫=不貞行為のボーダーラインはどこ?

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浮気・不倫調査を得意とする大手探偵事務所、総合探偵社(株)MRに、浮気として疑わしい行動を、法的に不倫(不貞行為)と認められるかどうかをジャッジしてもらいました。

恋人同士のように愛情表現を含んだメールを送り合う

不貞行為ではない
「『愛してる』『今すぐ会いたい』などの愛情表現のほか、『今日のセックスも気持ち良かった』『またホテルに泊まろう』など不貞行為の証拠のようなメッセージだとしても、不貞行為として認められないことも。メッセージはあくまでも『言葉遊び』と言い逃れできてしまうので、状況証拠どまりです」

ラブホテルに入ったが「肉体関係はない」と否定

不貞行為になる可能性がある
「ラブホテルのような性的行為をする宿泊施設に滞在した場合は不貞行為と認められることが多いです。ですがこの場合、2人きりだったことや、長時間滞在したことなどがわかる証拠が必要となります」

配偶者以外の異性と2人で食事に行く

不貞行為ではない
「異性と2人きりで食事に行くこと自体に問題はありません。どんなに夜景がきれいでも、流行りのデートスポットだとしても、飲食店は宿泊施設ではないため不貞行為には当たりません」

恋愛感情はないけど肉体関係が続いている

肉体関係があれば不貞行為です
「恋愛感情や連絡頻度は一切関係なく、複数回にわたって特定の人物と肉体関係を持った場合は不貞行為として認められます。ただし本人が否定している場合は、第三者から見ても明確に肉体関係を持っていることがわかるような証拠を用意しなくてはいけません」

合コンや婚活パーティ、お見合いサイトなどに独身だと偽って参加する

不貞行為ではない
「どんなに最低な嘘をついていたとしても、配偶者に対する法的な不貞行為にはなりません。ただ、婚活パーティやお見合いサイトの規定に引っかかって処罰の対象になる可能性はゼロではないので気をつけましょう」

デートを繰り返していたり、キスや抱擁をしていた

不貞行為ではないけど慰謝料の請求は可能
「不貞行為とは認められません。ですが直接的に肉体関係がなくても、デートを繰り返していたり、キスや抱擁をしていれば、慰謝料を請求することが可能なことも。配偶者が反省して話し合いや調停の結果、慰謝料請求に応じる場合には問題ありませんが、不倫の事実を認めずに裁判に持ち込まれた場合、デートやキスだけでは慰謝料請求は通らない可能性が高いでしょう。認められたとしても、慰謝料は低額になります」

ビデオチャットを利用してのアダルト行為

不貞行為ではない
「いくら性的な行動だとしても、あくまでもオンライン上のこと。肉体関係はないので、何度繰り返していようと不貞行為には当たりません」

配偶者が別の人に片思いをしている

不貞行為ではない
「ただ片思いをしているだけでは不貞行為とは認められません。ですが、過度に入れ込んで配偶者との生活に支障を及ぼしている場合は、離婚理由となることもあります」

ケースバイケースではありますが、配偶者が傷つくような内容でも、法的な不貞行為として認められないことのほうが多い模様。感情やメッセージではなく、肉体関係の有無がポイントだということがわかりました。

不貞行為=肉体関係

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不貞行為とは、貞操義務に反する行為、つまり配偶者以外の異性と性行為をすることなので、それ以外は法的な不貞行為とは認められないそう。法的な不貞行為でなければ離婚理由に相当しませんが、たとえ状況証拠だとしても離婚や慰謝料を請求できることもあるので、一度プロに相談してみるといいかもしれません。


取材、文・三谷真美

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