職場に不倫がバレて… 彼女が「失ったもの」【昼顔妻の告白 後編】

文・塚田牧夫 — 2020.12.13
クリニックに勤めている綾香さん(仮名・32歳)は既婚者でありながら、そこに出入りしている製薬会社の入社2年目の男性、和樹さん(仮名・24歳)と不倫関係に。素直で可愛らしい年下の男性に惹かれ、のぼせあがっていたものの、長続きはしなかったそう。では、関係にピリオドを打った理由とは? 実際に話を聞いてきたのでご紹介します。

2人の関係が崩れ始めたのはいつ?

不倫記事画像②

「ある日の昼休み、先生とスタッフで休憩を取っていたときです。先生が、和樹さんの名前を出したんですね。彼との関係は完全にシークレットだったので、ドキッとしました。でも、先生の口から出たのは、予想とは違うものでした。“あいつ結婚するらしいぞ”と言うんです。

そんな話まったく聞いていなかったので、最初は冗談だと思いました。でも先生も、“若いのに偉い!”なんて褒めていて、事実なのではないかと思い始めて……。気が気じゃなかったです。早く連絡を取りたくてたまらなくなりました」

彼との話し合いの内容は?

「勤務が終わってすぐ和樹さんに連絡しましたが、出てくれなくて。家に帰ってから連絡が来ても困るので、ファミレスで待ちました。すると、電話がかかって来て、ファミレスに来てくれたんです。
“彼女がいたなんて知らなかった”と伝えると、“言い出せなかった”と。結婚することも事実のようでした。

最初は落ち着いて大人の対応を心掛けていたんですが、次第に彼をチクチクと攻めるようになってしまい……。“私と関係を持って彼女に悪いと思わなかったの?”なんて、こっちも既婚者なのに言えた立場ではないですよね。本当に嫌な女になっていました」

すんなり別れられた?

「話し合いで、2人ではもう会わないということになりました。ただ、職場では顔を合わせるので、どこかでまだつながっている気がしたんですね。でもある日、彼が女性を連れてクリニックに来たんです。婚約者の女性でした。

先生に挨拶に来たんですね。職場の同僚で年齢は彼と同じ。礼儀正しく、可愛らしい感じの女性でした。2人の並んでいる姿を見て、別れを現実として受け止めました」

その後、仕事や家庭の状況は?

「職場に、私と年齢の近い看護師の女性がいるんですが、“実は2人の関係は知っていた”と言われました。スタッフ内では、密かに怪しいと思われていたようです。それだけではなく、“先生も知っていたんじゃないか”と言うんです。

知っていたとしたら、私の前で、“あいつは偉い”とはかなり挑発的な発言。酷い仕打ちを受けているように感じました。そのときから、先生に対する不信感が拭えなくなりました。以来、完全に心を閉ざして仕事をしています。

家庭のほうは特に問題はありません。付き合っていた年数を含めると、夫とはもう7年も一緒にいるので……。そこまで相手に干渉することもありませんでした」

彼女が不倫を始めたキッカケは…? 前編はこちら

いかがでしたか? 綾香さんは職場も家庭も失うことはなかったものの、恋人には裏切られ、職場でも居心地の悪い状態が続いているようです。職場は、毎日通って長い時間を過ごす場所です。そこで心を閉ざしたまま業務しなければならないのは、非常に窮屈でしょう。

また、今回は家庭に被害が及ばなかったものの、もうひとつ大事な居場所を失う可能性もあったはず。最悪の事態に陥ることがなかっただけ、救われたと思うべきでしょうか。

©Jamie Grill/gettyimages