SUPER JUNIORが初のオンライン公演で見せた、 15年の底力と未来への可能性。

文・本田珠里 — 2020.6.11
4月26日から毎週開催されていた韓国発信のオンライン適合型ライブ『Beyond LIVE』に、K-POP界を15年間牽引するSUPER JUNIORがついに登場! その様子をレポートします。

新しいスタイルで楽しむ『SUPER SHOW』が開幕!

世界初のオンライン適合型コンサート、『Beyond LIVE』。最先端のAR技術を駆使した新しいスタイルの公演として、今、世界中で話題となっている。

5月31日には、世界各国で愛され続けるSUPER JUNIORの「Beyond the SUPER SHOW」が開催された。SUPER SHOWとは、SUPER JUNIORが定期的に開催している、ライブの枠を超えたエンターテインメントショー。オンラインという“スパショ”初の形式でどんなステージを見せてくれるのか……期待に胸が高まるなか、いざスタート!

SUPER SHOW恒例の、公演直前にファンが声を合わせて歌う「Song for you」から、厳かなイントロへ——。宮殿に大きな旗がなびくAR映像のなか、白いスーツにブルーのマントをまとい、玉座に座ったSUPER JUNIORが登場! 

おなじみのオープニングナンバー「SUPERMAN」の重厚感あるクールなサウンドが、こちら側の空間まで「SUPER SHOW」色に染めていく。続いてのヒップホップナンバー「2YA2YAO!」では一転、自由で強烈、そして躍動感あるパフォーマンスを見せ、序盤から一気に盛り上がった。

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MCでは、ステージを囲む壁面が、世界中のファンの姿を映したリモート画面でいっぱいに。リーダー・イトゥクが「E.L.F.(ファンの総称)のみなさんお元気でしたか? 久しぶりに会ったら、さらに美しくなってますね!」と挨拶。

初のオンライン公演に「こういう時代に生きているのが不思議。僕たち、アナログとデジタル世代どちらも経験してきましたが、ここまできたら究極のデジタル時代じゃないですか?」(シンドン)、「サイバー歌手になった気分です(笑)」(リョウク)とメンバーそれぞれが感想を伝えた。

また、ライブ会場を訪れる時のようにきちんとオシャレをしているファンの姿を見て「僕たちもたくさん準備をしましたが、ファンのみなさんも準備をしてくれたんだなと感じました」と、感謝を伝えるキュヒョン。

さらにウニョクが、事前にファンにリクエストしていたドレスコード“裸足”が守られているかを確かめようと「みなさん、足を見せてくれますかー?」と呼びかけると、画面いっぱいにE.L.F.たちの裸足がずらり! これにはメンバーも大爆笑!

また、7人それぞれがスペイン語、韓国語、中国語、インドネシア語、英語、日本語、タイ語、アラビア語で、愛嬌たっぷりに挨拶しながら世界中のファンとリアルタイムで交流を交わしたのも、『Beyond LIVE』ならではの光景だった。

オフライン公演同様、今回もライブ演出を担当したのはウニョク。彼の「この公演は新しい始まりと感じています。だからこそ、今のSUPER JUNIORを作ったと言ってもいい、意味のある曲をお届けします」という言葉に続いて披露されたのは、SUPER JUNIORが2006年に韓国の音楽番組で初の1位を取った「U」。今年デビュー15周年となる彼らの成熟した色気と、当時は想像もできなかったAR技術が融合した、洗練されたステージでファンを魅了した。

「Sexy, Free & Single」「Mr.Simple」では、エレクトリックな曲調に合わせたレーザー光線と幾何学模様の映像が全方位的に使われ、まるでドーム公演のような壮大さ。そんなオフライン公演と変わらない熱気を感じながら、あらゆるカメラワークでメンバーの視線と、迫力のパフォーマンスを独り占めできる“神席”気分に、テンションは高まるばかり!

個性光るユニットステージ & 爆笑のMCも必見!

キュヒョン、リョウク、イェソンの3人によるバラード・ボーカルユニット、SUPER JUNIOR-K.R.Y.は、6月8日発売の新しいEP『When We Were Us』のティーザー映像と、収録曲「Home」を初披露。美しい夕日をバックに、感性豊かなボーカルと完璧なハーモニーで聴かせてくれる。

俯瞰のカメラワークで床面のLEDステージを活かした、ウニョクのクールなダンスソロから始まる「Heads Up」に続き、「Devil」ではファンの歓声も重なり、メンバーもどんどん楽しげな、リラックスした表情に。

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『Beyond LIVE』恒例となったQ&Aコーナーは、選ばれたファン数名からの質問に、メンバーたちが画面を通して直接答える時間だ。「15周年を迎え、メンバーに言いたいこと」を聞かれ、「これからも元気に活躍する長寿グループになりたい」(リョウク)、「人生の半分以上を一緒に過ごしてきましたが、これからの人生の半分も共にしていきたい」(シウォン)と、率直に想いを語っていく。

日本のファンからの「海外でのパフォーマンスで心がけていることは?」との質問には、日本語で「曲のジャンルによって雰囲気を変えることが重要」(イェソン)、「僕たち(自身)が楽しむこと」(キュヒョン)と答えていた。

最後の質問者が映るのを待つメンバーの前に、なんと東方神起のチャンミンがリモートでサプライズ登場! ドレスコードの裸足を無邪気に見せるチャンミンに、皆が嬉しそうに爆笑し、「チャンミンは忙しくても、いつも僕たちの応援に来てくれる」とグループを超えた仲の良さを見せつけた。

実は、チャンミンはその1週間前に『Beyond LIVE』をすでに経験済み。オンライン公演の先輩として「生中継で接続状態が悪い場合もあるから、話すときは少しゆっくり」というアドバイスをもらったメンバーたちは一斉に「僕たち、それができないんだよ~!」と頭を抱え、ステージ上は大騒ぎ。オフライン公演の時と同様、笑いの絶えないくだけたMCタイムと、ハイクオリティなパフォーマンスとの激しいギャップが、SUPER JUNIORの最大の魅力の一つだ。

賑やかなMCタイムから「盛り上げていきましょう!」の掛け声とともに始まったのは「SUPER Clap」。テンポの良いリズムに合わせさまざまなシチュエーションに切り替わっていく3D映像も圧巻! 

続いて、ドンへとウニョクによるダンスボーカルユニット、SUPER JUNIOR-D&Eのステージへ。爽やかな「`Bout you」、そしてライブに欠かせない「Oppa, Oppa」では、他のメンバーたちが楽屋でペンライトを手に盛り上がる様子がワイプで登場。映し出されたファンのテンションも、オフライン公演並みのボルテージに!

世界初の技術をMCで!? そして愛情たっぷりの感動のフィナーレへ!

衣装チェンジ中のドンへ&ウニョク、そしてシウォンを除いたメンバーがステージに現れ、再びMCの時間に。すると突然、背景スクリーンから巨大化した3Dの“ジャイアント・シウォン”が現れ、メンバーに手を伸ばすというサプライズ演出が! そのリアルな映像に合わせて逃げたり転んだりする、さすがノリのいいSUPER JUNIORのメンバーたち。

実はこのAR技術、ライブ会場で使われたのは世界で初めてだそう。そんな特別な技術を、パフォーマンスではなくMCで惜しみなく使用してしまうところが、まさに「SUPER SHOW」らしさ!

マルチカメラでメンバーの表情まで楽しめる「MAMACITA」から「Black Suit」「Sorry Sorry」とヒットナンバーが続き、「SUPER SHOW 8」でも使用された「Stay with Me」のVCRが流れる。SUPER SHOWはウニョクが演出、シンドンが映像を担当するなど、メンバーが準備段階からかかわっていることが実感できる貴重なビハインド風景だ。

学生服に着替えたメンバーが登場した瞬間、「SUPER SHOW 7」での人気ナンバー「Runaway」が始まる! と察したファンたちのコメント数が、その興奮をあらわすように急増! 当時、不在だったキュヒョンまで加わり、全力で楽しむメンバーの姿にファンも大喜びだった。

しかし、ここで残すところあと1曲に。「今年は会えないかもしれないと思っていたけど、こうしてお会いできて幸せでした」とドンへ。ウニョクは「SUPER SHOW 8」のアンコール公演が実現できなかったことへの残念な気持ちを伝えながらも「新しい形で会えて、新鮮でした」と感謝を伝えた。

イトゥクは「オンラインを通してコンサートをするとは思ってもなかった。みなさんの顔をこんなに近くで見られるのは、『Beyond LIVE』だけの魅力だと思う。今年は15周年なので、さまざなコンテンツでお目にかかろうと思います」と締めくくった。

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ラストはバラードナンバー「Shining Star」。彼らが客席を見渡すように歌う姿に、まるで実際のコンサート会場にいるような錯覚を覚えてしまう。「みんな一緒に!」と手を振るメンバーの後ろには再びファンの姿が映し出され、1人ずつ感謝の言葉を伝えるSUPER JUNIOR。キュヒョンは丁寧な日本語で「あなたのことをいつも守りたいです。感謝の言葉を申し上げます」とメッセージを。

「最後にE.L.F.のために用意したプレゼントがあります。上を見てください」というイトゥクの言葉とともに映し出された空間には、青く光る「E.L.F.♡」の文字が浮かんでいた。ファンとの関係を一番大事に想う彼らからのサプライズプレゼントの感動を残して、幕は下りた。

オフライン公演同様の多彩なステージ構成に加え、「Beyond the SUPER SHOW」で掴んだ新たなオンライン公演の武器を、この先どのような形で私たちに見せてくれるのか、今後のSUPER JUNIORからも目が離せない!

ちなみに『Beyond LIVE』を配信している『V LIVE』アプリでは、視聴中に画面をタップすることで、アーティストにハートを送るシステムがある。『Beyond LIVE』では、公演視聴権とともにオプションでデジタルペンライトを購入すると、送られるハート数が2倍になる仕組み。「Beyond the SUPER SHOW」は、公演前に10億を超えるハート数を記録。終了後には全6公演行われた『Beyond LIVE』の最高記録である28億5000万を超えるハートが、約12万3000人の視聴者から送られていたことが明らかに! SUPER JUNIORの底力を改めて示すとともに、SUPER SHOWの新たな進化を予感させる公演となった。

Information

Beyond LIVE
https://campaign.naver.com/pr/v/beyondlive/ja/
※アーカイブ映像の購入可能

SUPER JUNIOR「2YA2YAO!」