あやふや読み5選…「汎用」は【ぼんよう】ではない! 正解は?

文・田中亜子 — 2020.5.17
読み間違えしやすい漢字5つをご紹介する【漢字クイズ】、第5回をお届けします。間違って読みがちな漢字だけでなく、実は複数の読み方がある漢字も。さっそくチェックしてくださいね!

【漢字クイズ】vol. 5

あなたは全部正しく読めるかな?

では、間違えやすい漢字の読み方5つ、さっそくスタート!

1. 汎用は「ぼんよう」と読みません!

正解は、


「はんよう」です。

A志 この部品てさ、ぼんよう性が高いんだぜ。
B太 なんだよそれ、新しい機能?

B太くん、正しい反応ですね。本来の読み方は「はんよう」です。この意味は、ひとつのものを広く諸種の方面に用いること。少し難しいですね。「汎」には全体にわたるという意味があり、これをふまえてもっと簡単にいうと、いろいろなことやものに使える、です。

2. 舌鼓は「したづつみ」と読みません?

正解は、


「したつづみ」です。が、「したづつみ」もOKです。

 この店、食レポサイトにしたづつみを打つほどおいしい、と書いてあるよ。
彼女 へぇ、行ってみたいね!

本来の読み方は「したつづみ」ですが、転じて今では「したづつみ」も広く使われているようです。この意味は、食べ物を賞美する時などに、舌を鳴らすことです。

3. 逆鱗は「ぎゃくりん」と読みません!

正解は、


「げきりん」です。

A子 聞いて、〇〇部の〇〇さんから、うちの部に内線がきたんだけど、名乗らないから、私「どなたですか?」って言っちゃって。キレてたわ~。
B子 あの人カッとなりやすいと噂だからね。ぎゃくりんに触れちゃったかもね…。でも、すぐ忘れるともよく聞くよ。だから大丈夫!

B子さん、ナイスフォローですが、逆鱗を間違えて言っちゃっています、残念! 本来の読み方は「げきりん」です。この意味は、(竜のあごの下の逆さの鱗に触れると怒ってその人を殺すという韓非子の故事により、天子を竜に例えて言う)天子の怒り。また、目上の人の怒り。使いたくない言葉ですね。

4. 押印は「おしいん」と読みません!

正解は、


「おういん」です。

 この欄におしいんをすればいいですか?
銀行員 はい? お客さま、もう一度よろしいでしょうか…。

お客さん、恥をかいてしまいましたね。そういう人は多いでしょうから、銀行員さんももっと気の利いたセリフを言ってほしいものですね。本来の読み方は「おういん」です。この意味は、印判を押すこと。捺印です。

5. 出納は「しゅつのう」といまは読みません! 

正解は、


「すいとう」です。

店長 あちゃ~、この支払い、今日までだったわ。ちょっと経理のしゅつのう係にさ、お金をもらってきてくれない?  
バイト 承知しました!

やり取りが成立していますね。というのも、しゅつのうでも間違いではないんです。でも、現代は「すいとう」と読むのが一般的です。この意味は、出すことと入れること。出し入れ。金銭または物品の収入と支出。蔵人所に属し、財物、文書の出納などをつかさどった職、などがあります。

以上、うっかり読み間違えしやすい漢字5選でした。なんとなく曖昧に読んでいたものが、これでスッキリしましたね! 次回もお楽しみに。

参考資料:広辞苑(岩波書店発行)