ロックダウンを逞しく生きる日本人女性 ヨーロッパの現状を吐露

文・小田原みみ — 2020.4.15
多くの都市がロックダウンしているヨーロッパ。新型コロナウイルスが蔓延するなか、たくましく生活する女性2人にインタビューをしました。

新型コロナウイルスの流行で、ヨーロッパ諸国の複数の国がロックダウンしています。今回はイタリアとデンマークで生活するふたりの日本人女性に現在の生活について聞きました。

外出自粛中の楽しみ方をイタリアに学ぶ!

2009年に料理留学で渡伊したKさん。現在はピストイアという、フィレンツェとピサの中間くらいに位置している街で、イタリア人のご主人、3歳のお子さんと暮らしています。

-新型コロナウイルスが流行して、生活が変わりましたか?
実は、私個人でいえば一日中子どもと一緒にいること以外は特に生活に変化はないんです。というのも、第2子妊娠中のため、2019年11月からイタリアの法律により産休中でゆったりとした時間を過ごしていたからです。ただ、新型コロナウイルスが本格的に流行した、2020年3月5日から長女の幼稚園が休園になりました。

-妊娠中にウイルス流行って不安ですね。ご主人はいかがですか?
彼はここ2週間有給を取って家にいるので、子どもと喜んで遊んでいます。イタリア人はもともと社交的な人が多くて、彼らのストレス解消法は人と会うこと。だから、そんなイタリア人が飲み会ができない、日曜日に家族や親戚と食事ができないということは非常事態です。

-日本ではオンライン飲み会が流行っているんですが、イタリア人はしていないのですか?
イタリアでも流行っています! 主人は毎日オンライン飲み会しています。また、娘の幼稚園はオンラインで工作したりしています。

-イタリアは感染者が多くて大変なイメージがありますが…。
確かに、感染者や亡くなった方が急増して大変です。幸い、私が住んでいるピストイアはレッドゾーン外(日本でいう緊急事態宣言の出された7都府県外)だったので、普段の生活は特に変わらず、3月5日の時点ではマスクをしているイタリア人はピストイアにはまだいませんでした。

-それからはどうだったんですか?
イタリア全土で感染者数が急増し、日に日に規制が厳しくなりました。日本でも報道されていたと思いますが、大規模な集会の禁止、図書館、ジム、教会のミサ(結婚式、葬式含む)閉鎖、レストランも夜の営業が禁止になりました。それからほんの数日のうちに、終日営業禁止になったんです。

-あっという間ですね…!
本当にあっという間でした。イタリア政府の対応は迅速で、3月9日からイタリア全土で移動制限がスタートして、今ではイタリア人はみなマスクをしています。

-ロックダウン後はどうですか?
食料品の買い物、仕事、病院に行く以外は基本的に家から出られません。散歩もジョギングも禁止です。恋人や両親に会いに行くのも、もちろん友達とのホームパーティも禁止です。

-散歩やジョギングも禁止なんですね。気分転換とかできなくてかなり大変そうですが…。
確かに大変です。だけど、時間に余裕があるので、私は家でパンやお菓子を作ったり、普段は面倒だから絶対に作らない手打ちパスタを打ってみたり、目覚ましをかけずに寝て、しかも二度寝をしたりしています。日中は子どもと宿題の工作を作ったり、とにかくのんびりと過ごしています。

このように伝えるとグウタラしているように思われるかもしれませんが、イタリア人は切り替えがとにかく早いんです。一日中家の中で何もしなくても、それぞれが楽しみを見つけてバカンス中みたいな生活をしています。とはいうものの、大きな工場が閉鎖したりしているので、終息後はかなり失業者が増えるのではと思っています…。

-イタリア人の切り替えの早さ、素晴らしいですね! 大変な状況の中お話ありがとうございました!

外出自粛中の楽しみ方をデンマークに学ぶ!

もともとフランスのパリで日本語教師をしていたYさん。2020年2月にパートナーの仕事の都合でデンマークの首都コペンハーゲンへ。引っ越し後早々にロックダウンということですが…。

-すみません。デンマークはロックダウンしているイメージがなかったのですが、街の様子はいかがですか?

確かに、デンマークはヨーロッパの他国に比べてソフトなロックダウンです。ただ、電車に乗って移動したり、遊びに出かけることはなくなっているようです。私は、必要最低限の買い物と散歩以外は出かけないようにしています。本当はもっとコペンハーゲンの街並みを楽しんだり、お気に入りのカフェやパン屋さんを見つけたいのですが、今はひたすら耐えています。

-引っ越し後早々にロックダウン。慣れない生活の中、おこもり生活はいかがですか?

当然のことながら、彼は在宅勤務になり、私もオンラインの授業に切り替えました。お互いに自宅という限られたスペースで仕事をしているので、できるだけストレスを溜めずに仕事や家事ができるよう、協力して生活しています。

-おこもり生活、ストレスをためないように何かされていますか?

美味しいものを食べることが大好きなので、パティシエをしている友人にレシピを聞いてチーズケーキを焼いて食べています。また、料理に手をかけるようになり、上達したような気がします。毎食用意するのは正直面倒と思うこともあるのですが、ホットドッグとか簡単なメニューも少し手間をかけるだけでグンと美味しくなるので頑張っています!

引っ越してきて2か月弱。このような状況で、デンマークのことがまだよくわからないのですが、デンマークは労働者に対して政府から75%、企業が残りの25%を負担する給与の補償を行い、代わりに年次有給休暇を5日返上という制度になりました。もともと休みが多いデンマークなので負担は少ないと思いますが…。

-すごくいい制度ですね! そして、おこもり中はやっぱり食が一番の楽しみになりますね

本当にそうなんです! 私はたまたま料理でしたが、フランス人の友人は読書や映画鑑賞など今までゆっくりと時間をとれなくてできなかったことを楽しんでいるようです。

-お話ありがとうございました!

異国の地でたくましく生きる

日本から遠く離れたところで暮らすふたり。おこもり生活中はやはり楽しみを見出すことが大切なようです。今こそ、これまで「時間があれば…」と思っていたいろいろなことをできる時期なのかもしれません。


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