髪と肌にツヤが出る!… キモは「シャンプー前後」にすること

文・岸 沙織 — 2020.4.4
家で過ごす時間が増えている昨今。運動不足を解消するためにも、気分をすっきりさせるためにも、バスタイムはいつもにも増して重要ですよね。そこでここでは、入浴中はもちろん、入浴前後で行いたいヘアケア&ボディケアをご紹介します。教えてくれたのは、ヘアメイクアップアーティスト歴30年の榊美奈子さんです。

入浴前のヘアケア:ブラッシングで血流を良くする

まずは入浴前に、乾いた髪をブラッシング! 毛先の絡まりを優しくほぐしながら、次第にトップに向かっていくようにブラッシングしましょう。フェイスラインはオールバックに、襟足は下から上に梳かしていく感じですね。頭全体を一巡すればOKです。ブラッシングの方向にあわせて、顔を傾けたり、下を向いたりするとやりやすいですよ。

髪や頭皮の汚れが浮き出ることでシャンプーが楽になるだけでなく、頭皮のマッサージにもなるので血流が良くなります。ブラッシングが終わり、お水を一杯飲んだらさっそくバスルームへ!

入浴中のボディケア:湯船に浸かり過ぎると乾燥の原因に

ずっと部屋にいると運動不足になりますよね。そんなときにお風呂は最適! シャワーだけで済ませるのではなく、しっかりと湯船に浸かりましょう。湯船に浸かると汗をかくので、代謝も良くなります。身体もほぐれるので、お湯に浸かりながらマッサージをするのも良いですよね。

ただし、浸かり過ぎには注意! 15分くらいまでにしましょう。皮膚がふやけてきたら、それは乾燥している証拠です。お湯の温度は、ちょっとぬるいと感じるくらいの38~40°Cほどがベスト。熱過ぎると、肌の水分が蒸発してしまいますし、刺激も強過ぎます。

入浴中のヘアケア:髪は予洗いが大切

髪の洗い方としては、まずは何もつけず“予(よ)洗い”をしましょう。ショートの方で1分、ロングの方で1分半ほど、根もとからしっかりとお湯で洗い流します。これだけでも汚れは随分取れ、シャンプーの泡立ちが良くなるんです。続いてシャンプーをつけ、指の腹でマッサージをするように洗ったら、“洗う3:すすぐ7”の割合で、しっかりとすすぎを。

そしてトリートメントをつけたら、たとえ髪が絡んでいたとしても、無理に絡まりを梳かしたりほぐしたりせず、しばらく放っておきましょう。髪が濡れているときはキューティクルが開いているので、無理にほぐすと髪を傷つけることになってしまいます。せっかく良いトリートメントを使っても台無しになってしまいますよ。

入浴後のボディケア:年齢と共に黒ずんでくる箇所は…

入浴後には、素早く保湿をすることが大事。顔はすぐに保湿する方が多いかもしれないけど、その流れでボディにもローションをつけましょう。その際、とくに意識してほしいのは、“ひじ、ひざ、かかと”。これらの箇所は、長年乾燥状態が続くことによって、皮膚が段々硬くなって黒ずんでいきます。

これからの季節、半袖を着たりしますよね。“ひじ”は意外と人に見られる箇所ですよ。そして残念ながら、こすっても黒ずみは取れません。むしろ、余計に硬くなってしまいます。“ひじ、ひざ、かかと”には、お風呂上りにバームをつけてあげることで乾燥を防ぎます。将来の黒ずみを予防しましょう。

また、お風呂上がりにマッサージやストレッチをする際には、ボディオイルをつけておくと滑りが良くなり摩擦を減らすことができます。摩擦もお肌に良くないので気をつけてくださいね。お水を一杯飲んで、体内の水分を補ってあげることも忘れずに!

入浴後のヘアケア:肌以上に、髪は年齢が出る!?

髪は肌以上に年齢の出る箇所です。白髪ばかり気にしがちだけど、意外と大事なのがツヤ。いつまでもツヤを保ち若々しくいるためにも、自然乾燥は避けましょう。きちんと乾かしてキューティクルを整えてあげることが、将来の髪の質に大きく影響しますよ。

また、若いうちは髪の量が多いので、後頭部がしっかり乾いていないと雑菌が繁殖してしまいます。頭皮、根もとを乾かす気持ちでドライヤーを当てましょう。ドライヤーを当てると髪が傷むと思っている方もいるかもしれないけど、最近は熱ではなく風量で乾かすタイプのドライヤーが多いので、そういうものを使えば傷みの心配もありません。

さらに、朝シャンではなく、髪は夜に洗うことが大切。清潔な状態で寝ることで、寝ているあいだにメンテナンスされ、健康な髪が生えてきますよ。

バスタイムの際のちょっとした心がけで、ヘア&ボディともに若さを保ってくださいね!

榊美奈子さん ヘアメイクアップアーティスト。1967年東京生まれ。30歳で独立後、スチールを中心に女性誌、広告で幅広く活躍。不定期でメイクレッスンも開催。


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