ハダカのコクハク【Epi8-4】「相性より、大切なもの」

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結婚のおわり

次第にご飯が食べられなくなって、一時は体重が70キロくらいあった私が、20キロ台にかかりそうなほど減りました。歩くことすらままならなくなり、ほとんど寝たきりに。病院に連れていかれ告げられた病名は、拒食症。医者には「このままだと命の保証はないよ」と言われました。

週3回、彼の車で病院へ行って点滴を受けるのですが、学生のころは話がつきなかった彼とのドライブも、終始無言。それでも彼は、私のことを大事にしてくれていました。でも、一切笑わない、一日中寝たきりの私を見て、限界だと感じたのでしょう。10時間かけて、車で私を実家に送ってくれました。

それでも離婚をしたがらない彼を半年かけて説得し、離婚。体調を元に戻すのには、1年くらいかかりました。

結婚生活はありえない地獄でした。あんなに私を大事にしてくれた彼を裏切るようなカタチになってしまったのも、ツラかった。

離婚から3年経った今、やっと私には結婚と離婚が必要だったんだと考えられるように。

私は、自分にウソをつくことがあって、イヤなことでもお願いされると「まあ、いいかな」と受け入れちゃうところがありました。自分が譲れないものがあっても、自分を押し殺して「いいよ」と相手の意見に従うこともしょっちゅうでした。その方が、うまくいくと思っていたからです。

でも、自分にウソをついたままだと幸せになれないことに気づかせてくれたのが、結婚でした。どんなに頑張っても、受け入れてもうまくいかない結婚生活を経て、努力だけではどうにもならないことがあることを知りました。

だったら、したくもないことを頑張るなんてムダ! 本当に自分がやりたいことだけを頑張らないとソンだなって気づけたから。

今は、本当に自分がしたいことをやれる人生が開けて、とても充実しています。ファッションの仕事についたのですが、結婚して着飾ることを取り上げられた経験があったからこそ、本当にしたかったことが見つかったんです。

あれから新しい恋愛はしていないけれど、次に誰かと出会って結婚したとしても、前の結婚よりは幸せになれるだろうという確信もあり、焦りはありません。

幸せになるには「心と体の相性が合うパートナーが必要」と思っていたけれど、それより大事なことは、自分の機嫌を良くすることでした。自分とは一生かけてつき合っていくパートナーなのだから、誰よりも相性良くしていこうと思っています。


 

大切にするべきなのは…

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