「ブランジェリーナ破局」の元凶? 映画『マリアンヌ』がアブナイ…

2017.2.16
美しいラブシーンに酔いしれる恋愛映画『マリアンヌ』。映画ライター・田嶋真理さんの映画評をお送りします。
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ゲス不倫に沸いた、2016年の日本の芸能界。まさかハリウッドでも? と世間を大いに騒がしたのが、『マリアンヌ』で夫婦役を演じているブラッド・ピットとマリオン・コティヤールの不倫疑惑。本作の公開前にアンジェリーナ・ジョリーがブラッドに対し、離婚を申請したため、原因を巡って報道はヒートアップ。それからほどなくして、マリオンが長年のパートナーであるギョーム・カネとの間に第2子を授かったことを公表したため、ふたりの不倫疑惑はあっという間に終息へ向かったのでした。

舞台は第二次世界大戦下にあるフランス領モロッコのカサブランカ。ドイツに侵攻されてしまったこの地で、ブラッド演じる諜報員のマックスは、マリオン演じるフランスのレジスタンスの一員マリアンヌと夫婦を偽装し、ドイツ大使を暗殺する危険な作戦を実行。吊り橋効果で、ふたりの間に真実の愛が生まれ、女児を授かるも、幸せなときは長く続かず。上司から妻のスパイ疑惑を突き付けられ、マックスは失意のどん底に。しかも、スパイ疑惑が真実だった場合、自ら妻に手を下さねばならない。“僕の子どもを産んだ女性だぞ!”というマックスの悲痛な叫びが、実生活でも子煩悩な彼に重なり、こちらの胸を締め付けます。マックスは上司が止めるのも聞かず、極秘でマリアンヌに関する調査を開始。ところが、たどり着いた真実はあまりにも悲しく切ないもので…。

監督は『フォレスト・ガンプ/一期一会』でアカデミー作品賞・監督賞を受賞した名匠ロバート・ゼメキス。製作費推定8500万ドル(約97億円) を投入した大作だけに、第二次世界大戦下における決死のスパイ活動、マリアンヌの疑惑に対する国境を越えた追及劇など、本作にはスケール感たっぷりのスリリングなシーンが盛りだくさん。とはいえ、なんといっても一番の見せ場は、激しい砂嵐に巻き込まれた車の中や、子どもを預けて夫婦水入らずのキノコ狩りの合間など、様々な状況で繰り広げられるブラッドとマリオンのリアルな愛の演技! 実際に不倫があったのかどうかはさておき、恋愛映画の不朽の名作『カサブランカ』にインスパイアされたファッショナブルな衣装をまとったふたりのラブシーンは、ため息が出るほどの美しさ。現在、ブラッドは53歳、マリオンは41歳ですが、全く年齢を感じさせません。

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映画『たかが世界の終わり』では、31歳のレア・セドゥが美肌すぎて、残念な印象もあったマリオンですが、本作では大人の色香漂う妖艶な演技で、観客を魅了しています。しかも、ラブシーンのなかでブラッドはキュートなお尻まで披露。アンジェリーナと付き合い始めて以降、彼女に遠慮してそういったシーンがある役を避けていたとされる彼だけに、女性ファンにとっては嬉しいサプライズ! 衣装デザイナーのジョアンナ・ジョンストンによると、演じた後にふたりの衣装が破れるため、同じ衣装を複数用意していたとか。ふたりの熱演に嫉妬したアンジェリーナが撮影現場にスパイを送り込んだというゴシップも頷ける、迫真のシーンは必見です! というわけで、筆者は下世話な目線で観てしまいましたが、ふたりは本気で愛し合っていたのか、ぜひとも映画館のスクリーンで判断してみてください!

実話をもとに、過酷な時代に翻弄される男女が愛を試される姿を描く。出演/ブラッド・ピット、マリオン・コティヤールほか 配給/東和ピクチャーズ TOHOシネマズ 六本木ヒルズほかにて公開中。(C)2016 Paramount Pictures. All Rights Reserved

※『anan』2017年2月22日号より。文・田嶋真理

(by anan編集部)


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