朝と夜サプリを飲むのはどっちがベスト? 健やか腸への育菌ルール

2016.11.21
普段から腸が健やかな人もそうでない人も、ぜひ毎日取り入れてほしいのが育菌メソッド。

これまで、腸内環境を整えるために善玉菌を“加える”ことに注目してきたはず。でも、今力を入れたいのは菌を“育てる”こと。

腸内フローラと呼ばれる“花畑”をどう育てるかは、持ち主であるあなた自身の日々の暮らしにかかっている。
腸内フローラと呼ばれる“花畑”をどう育てるかは、持ち主であるあなた自身の日々の暮らしにかかっている。

「腸内細菌は、まだ全ての種類と働きが解明されていないほど未知なる部分が多いんです。だから、たった1種類だけの善玉菌を加えて、腸内環境が整うことを期待するのには無理があります。また、腸内環境が整っていなければ、せっかく善玉菌を加えても、腸にとどまってくれず、体外に出ていってしまう可能性も大きいのです」

と話すのは、医学博士・小林暁子さん。大人の腸内には、約1000種、数百兆個の細菌が共存し、集団を作りながら棲息している。その色やカタチが花畑に似ていることから、腸内フローラと呼ばれているけれど、この花畑をどう育てるかは、持ち主であるあなた自身の日々の暮らしにかかっている。

「腸の研究を究めるほど、腸内環境を整えるには、日々の食生活がベースだと痛感しています」

早速、小林さん直伝の育菌ルールを食生活に取り入れてみよう!

  1. 寝起きに1杯の水を飲む。
  2. 150cc程度、しっかりした量の水を寝起きにゴクゴク飲む。「寝ている間に空っぽになった胃を目覚めさせ、活動スイッチを入れるためにも必要です」。冬場冷たい水が辛ければ、少し温めてもいい。

  3. 朝ごはんは、適度なボリュームの和食が最適。
  4. 朝は、栄養を摂るため、また腸のぜん動運動を促すためにもしっかり食べる。「玄米やもち麦などの穀類で食物繊維を摂り、発酵食品の味噌汁や漬物をいただく。和食のお膳は理想的なバランスです」

  5. 菌が喜ぶエサ (食物繊維やオリゴ糖)を 多種多彩に取り入れる。
  6. 腸内細菌の種類が豊富ということは、菌がそれぞれ好むエサも多彩ということ。「食物繊維やオリゴ糖なども、一つだけではなく、いろんな食材から取り入れてみるのがオススメです」

  7. 食物繊維は、1回に大量ではなく、1日に何度も食べる。
  8. 便通を促したり、腸内細菌のエサになる食物繊維。「腸内環境を整えるのにマストですが、一度に大量に摂ると、逆に詰まって便秘の原因になることも。こまめに摂ることで、その良さを発揮してくれます」

  9. 乳酸菌サプリは夜寝る前に摂るのがベスト。
  10. 「朝はなるべく、サプリより食事で栄養補給をしてもらいたい、という考えもありますし、腸内細菌は夜寝ている間に活発に活動するので、乳酸菌サプリメントは、夜寝る前に摂るとよいでしょう」

医学博士・小林暁子さん
医学博士・小林暁子さん
こばやし・あきこ 医学博士、「小林メディカルクリニック東京」院長。便秘外来を中心に、内科や皮膚科などと連動させ総合的なアンチエイジング治療を展開。商品開発も行う。

※『anan』2016年11月23日号より。イラスト・といだあずさ 取材、文・板倉ミキコ

(by anan編集部)