「思考実験」で深く考えてみよう。
人それぞれの価値観によって結論が異なる“正解のない問い”を延々考えるなど、答えを求める以上に、思考を深めることがテーマになります。ここでは、思考を巡らせる方向性が違う3つの問題を紹介。じっくり取り組み、自分の軸となる考えを養う一手に役立てよう!
テセウスの船
アテネの若者とともに帰還したテセウスの船は、アテネの人々によって長年、大切に保管されました。腐った部分があれば新しい木材で修復され、当時の木材は全く残っていないものの、今もそのままの形をとどめています。ある時、職人が、朽ちて取り換えられた木材を使って、設計図どおりにもう一つ、テセウスの船を作りました。朽ちているとはいえ、当時の木材を使っているのだから、復元された船が本物と考えるか。しかし、それが本物なら、去年、一昨年までそこにあった修復された船は、偽物なのか。となると、どの時点で本物でなくなるのか… 。本物のテセウスの船はどちらでしょう?
【ヒント】
何を基準に本物の伝説の船とするのか?
木材が同じこと? 同じ場所に停泊していること?
【解説】
修復された船は、当時のものと同じように海に浮かび、同じ仕事ができるでしょう。しかも、帰還した時からずっとそこにあります。一方、復元された船は、海に浮かべれば仕事をするどころか、沈んでしまうはず。しかし、船から当時の歴史的な背景を調べようとするならば、復元された船を調べることに。このように、価値観や判断基準によって答えは変わってきます。正解はありません。自分が納得する結論に至るまで、多方面から考えて。
トロッコ問題
線路を走っていたトロッコが制御不能になりました。このままでは前方で作業中の5人に猛スピードでぶつかってしまいます。たまたまあなたは線路の分岐器のそばにいました。切り替えスイッチを押して5人を助けようと思いました。しかし切り替える先の線路を見ると1人の作業員がいました。切り替えるとこの1人が事故に遭います。あなたはスイッチを切り替えますか?
【ヒント】
あなた以外は誰も気づいておらず、危険を知らせる時間もありません。
より多くを助けるべきでしょうか?
【解説】
1人より5 人の命のほうが重いと考えて、切り替えスイッチを押すか。しかし、それでは自らの手で1人の命を奪うことになります。もともと5 人に向かっていたのだから、そのまま静観するか…。結論はあなた次第。
生きるための答え
国王の前に男が連れられてきました。この男は罪を犯し死刑に処されることになりました。男は何とか生き延びたいと思い、王様に訴えます。「確かに国宝を盗もうとしたのは事実です。しかし、死罪はあんまりです!」。王様はそれを聞き、言いました。「そうか。それならば死に方を決めさせてやろう。火あぶりでも斬首でも好きなものを選んでよいぞ。ただし、お前の選んだ方法は確実に実行する」。男は絶望を感じながら考え込みました。そして一つの結論にたどり着き、ある答えを告げました。すると王様はしばし考えたあと、男を釈放しました。男はなんと言ったのでしょう?
【ヒント】
病死? 事故死? 到底起こすのが難しい事故…?
生きるための答えはあるのでしょうか。
【解説】
これは最善の答えがある問題。男が出した結論は、「老衰」でした。老衰ならば、王様も故意に何かをすることはできません。その間、餓死させるわけにもいかず、養うお金もかかるので、釈放することにしたのです。
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