この演目、シルク創設30周年を記念して作られた作品で、これまでのツアーショーのなかでも、とりわけ世代を問わず多くの人が楽しめる内容になっている。
作品のテーマになっているのは、欧米で願いが叶うといわれている魔法の時間“11時11分”。「11時11分から12分を刻むまでの1分間の束の間、子供のような好奇心を持った主人公・シーカーが夢見た世界が現実になるんです」と話すのは、アーティスティックディレクターのレイチェルさん。そして目の前で繰り広げられるのは、思いっきりファンタジックで豪華なショーだ。
ショー全体のビジュアルイメージは、産業革命時代をイメージしたスチームパンクの世界。その洗練されたセットや衣裳は、眺めているだけでも楽しめるし、使われるアンティーク調の小道具は、シルクツアーショー史上最大数という豪華版。もちろん、ロシアン・クレードルやアクロネットなどの高度なアクロバットもたっぷりで、そこに荘厳さやキッチュさ、ユーモアが加味されて見飽きることがない。「メインの演目の周りでも、パフォーマンスが行われていたり、いろんなドラマが展開していますから、観賞する度に新しい発見があるはずです」。全方位に見どころが詰まっているから、一度では観きれないほど。何度も楽しめ、何度も観たくなるショーなのだ。
「何かを信じて挑戦し続けるならば、すべてのことが可能になる。そんなメッセージを込めています」
ミニマムで美しいショーの中のショー。
新作の度に演出家を招聘し創作するシルクでは、作品によって構成もパフォーマンスの内容もさまざま。今回の『キュリオス』では、演目のひとつとして、短いショーが組み込まれているのが特徴だ。「透明サーカス」は、照明と音を駆使し、目に見えないアーティストが綱渡りや空中ブランコを披露する様を表現。
「シアター・オブ・ハンズ」は、指を使ったキャラクターが冒険する物語性のある演目。人間の肉体の極限を見せるど迫力のアクロバットと、美しく詩的に展開されるミニマムな世界。
そのふたつの緩急が、より作品を豊かにしてくれている。
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