フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『si.si.Nibotan(シシニボタン)』のにぼたんです。
FOOD

「新しい御馳走の発見は人類の幸福にとって天体の発見以上のものである」というのはあまりに手垢のついたブリア・サヴァランの名言だが、それでもやはり新しい味とその発見者の存在は尊い。昨今、“熟成肉”という美味を世に知らしめた『カルネヤ』の高山いさ己シェフが新たに生みだしたのは、にぼしのパスタだ。にぼし×パスタ…と聞けば、一見おかんの創作料理的な危うさを感じてしまうが、そこはプロ中のプロ。高山氏ならではの技術と論理によって完璧な味となる。そんなにぼしパスタ=通称にぼたんの専門店『シシニボタン』が日本橋にオープンしたのは10月末。食券機とカウンターから成る空間こそ見慣れた街のパスタ屋だが、そこで現れるにぼたんはあまりにオリジナルだ。

「にぼしは旨味の塊。チーズの感覚でパスタと和えたとき、これはいけると確信しました」と高山氏。にぼしフレークとバターが絡まり旨味が炸裂する太麺のパスタは、唯一無二の新しさと普遍的な美味しさを兼ね備えた最強の食べ物だ。更に特筆すべきは食べ終わりの軽やかさ。「ソースに柑橘を忍ばせています。にぼしの酸が分解されて、胃に重くならないんですよ」。あらゆる要因で胃にズシっとくるのがパスタランチの宿命だと思っていたのに、この後味はささやかな革命だ。にぼたんの登場以降、界隈企業の午後の生産性は軒並み上昇している。かもしれない。

にぼたん(中)¥850。うずらの卵、岩海苔、赤タマネギ、それから燻製パプリカパウダー(高山氏いわく“万能パウダー”)をまとわせた低温調理の焼き豚らがパスタを賑やかす。卓上にオイルとともに置かれた煮干しのペペロンチーノ炒めは、料理が来るまでの間、スナック感覚でつまむこともできる。

si.si.Nibotan 東京都中央区日本橋小舟町4‐9 TEL:なし 10:30 ~15:30(土曜11:00~15:00) 日・祝日休 店舗情報はInstagram(@si.si.nibotan)参照。

ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。

※『anan』2017年12月20日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子

(by anan編集部)


【人気記事】
肌荒れ予防や脂肪をつきにくくする食物繊維 アボカドはそのまま食べずに…


【驚愕!意外とみられてた!】知っておきたい「脱毛サロン」の選び方4つ

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line

Today's Koyomi

今日の暦
2026.4.
19
SUN
  • 六曜

    ⼤安

「早く結果を出さなきゃ」という焦りを感じたら、まずは深呼吸。今は成果を急ぐよりも、⾃分の内側を丁寧にメンテナンスするほうが得策です。学び直しや⾝の回りの整理を通して、あなたの「器」を磨いておきましょう。⼀つの考えに縛られず広い視野を持つことで、これまで気づかなかった素敵なチャンスが⾒つかり始めます。

フード

Recommend

こちらの記事もおすすめ

『SAJIE(サジェ)』のコンフィチュール|真野知子の「おいしいギフト」
『SAJIE(サジェ)』のコンフィチュール|真野知子の「おいしいギフト」
Food
『カフェ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック バンブー パビリオン』のル カナージュ シュクレ|chicoの“お菓子な宝物”
『カフェ ディオール by アンヌ=ソフィー・ピック バンブー パビリオン』のル カナージュ シュクレ|chicoの“お菓子な宝物”
Food
とっておき感満載! 札幌でしか味わえない&買えない限定スイーツ5選
とっておき感満載! 札幌でしか味わえない&買えない限定スイーツ5選
Food
【北海道・札幌】地元美食通も太鼓判! 道産食材にこだわった名店セレクション
【北海道・札幌】地元美食通も太鼓判! 道産食材にこだわった名店セレクション
Food

Movie

ムービー

Regulars

連載