三浦貴大「この役がなぜ僕に?」 最新舞台で女性とゲイの青年に挑む!

2017.11.23
気づけばそこにいて、ドラマのいいスパイスとして味わいを深めてくれる。三浦貴大さんはそんな俳優だ。

「高嶋政宏さんには、かわいい女性として見てもらえるよう頑張ります」

三浦貴大

「映像作品に出演する時の自分のテーマとして、作品の中に紛れるというのがあるんです。それは単に僕がそういうお芝居の方が、見る側としても好きだというだけなんですが」

そう言ってから「地味な役をより地味にする方なので…」と苦笑い。しかしそれだけ演技が自然だということ。いまやそんな三浦さんに注目が集まっている。今回出演の舞台『クラウドナイン』もまた、主催者側の熱烈なオファーで実現した。

「期待されているなら応えたいと思っていますが、なぜ僕にベティ役が来たのかはいまだ謎なんですよね」

ベティ? と思った方に説明すると、2幕構成の今作は、一幕はイギリスの植民地だった時代のアフリカ、二幕はその100年後のロンドンが舞台となっていて、ベティとは一幕の封建的イギリス人・クライヴの妻役。なんと戯曲で、この役を男性がやるようにと指定されているのだ。

「この時代、男とはこうで女とはこうだという、あるべき姿みたいなものがあって、どこかそれを皆が演じているような感じなんです。だから自分でも成り立つのかな、と思っています。僕は役を相手役との関係性で作っていく方なので、できればクライヴ役の高嶋(政宏)さんには、かわいい女性として見てもらえるようにと、いま頑張っています(笑)」

二幕はゲイの青年・ジェリー役に。

「時代も役も違いますが、お芝居の仕方自体が前半とは全然違って、二幕は気持ちの後に役がついてくる感じがあるんです。しかもジェリーはいままでやってこなかったものが詰まっている役。これまでの演じ方では対応できなくて難しいです」

現在絶賛苦悩中。それでも「舞台稽古っていいなと思う」とも。

「悩んで何度もやり直せる時間があるってことがありがたいし、その時間がいまはすごく楽しいです」

三浦貴大
みうら・たかひろ 1985年生まれ。東京都出身。’10年のデビュー当初から、その演技力が高い評価を受ける。来年の公開待機作に映画『四月の永い夢』『ばぁちゃんロード』『栞』などがある。

モチロンプロデュース『クラウドナイン』 一幕と二幕で、100年の時が流れているが、なぜか登場人物たちは25歳しか年を取っていない設定。性の逆転などの斬新な演出を入れつつ、破天荒でバカバカしく奥深い物語が展開。12月1日(金)~17日(日) 池袋・東京芸術劇場 シアターイースト 作/キャリル・チャーチル 翻訳/松岡和子 演出/木野花 出演/高嶋政宏、伊勢志摩、三浦貴大、正名僕蔵、平岩紙、宍戸美和公、石橋けい、入江雅人 全席指定6800円 ヤング券3800円(22歳以下) 大人計画TEL:03・3327・4312(月~金曜11:00~19:00) http://otonakeikaku.jp 大阪公演あり。

※『anan』2017年11月29日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・KEN(Rim) インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)


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