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パンダはレンタル! 年間1億600万円支払う「パンダ外交」とは

2017.11.17
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「パンダ外交」です。
社会のじかん

パンダは友好の証。震災後の癒しにと、貸し出されたことも。

上野動物園にジャイアント・パンダのシャンシャンが生まれて約5か月。愛らしく成長する姿は癒されますね。日中の友好の印として中国から初めてパンダが贈られたのは1972年。上野動物園にカンカンとランランがやってきて、日本中が熱狂しました。

パンダの存在が世界に知られたのは、1869年、フランス人宣教師が中国四川省の商人から白黒の珍しい毛皮を入手したのが最初といわれています。1936年にアメリカ人が初めて捕獲し本国に連れ帰り、シカゴ動物園で一般公開され、全米にパンダブームが巻き起こりました。パンダの価値に気づいた中国政府が、第二次世界大戦のさなか、日本に対抗するため、アメリカに応援を求めてパンダを贈ったのが、パンダ外交の始まりです。中国はその後、旧ソビエト連邦や北朝鮮などにもパンダを贈りました。最初は無償の贈与でしたが、1984年にワシントン条約が締結され、絶滅危惧種のパンダの譲渡は動物保護に違反すると禁じられ、貸し出すようになったんです(2016年、パンダは絶滅危惧種からランクが引き下げられた)。パンダのレンタル料はペアで年間1億600万円。子どもが誕生すると年間約6700万円、死んでしまったら5600万円を中国に支払います。命名権は日本にありますが、中国の同意が必要です。

パンダが癒しになればと、阪神淡路大震災の復興に取り組む神戸市に、レンタルされたこともありました。東日本大震災の年には、上野動物園にも3年ぶりに2頭が来園しました。

パンダ外交に似たものといえば、日本の桜。ワシントンDCのポトマック川の岸辺に咲く2000本のソメイヨシノは105年前に日米友好の証として、日本政府が贈ったものです。戦争中も春には咲き続けていたんですね。

外交に使われる贈り物にはセンスも問われます。イヌ好きのプーチン大統領に、日本政府はメスの秋田犬を1頭プレゼントし、プーチンは「ゆめ」と名付けました。昨年の首脳会談のときに、今度はオスの秋田犬を贈呈しようと打診したのですが断られてしまい、「ゆめの婿入り叶わず」が、ちょっとしたニュースになっていました。

社会のじかん
堀 潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN

※『anan』2017年11月22日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)


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