日焼け止めなしで日光浴びる!? 骨を育てる方法が初耳すぎる…

2017.10.18
骨粗鬆症なんて遠い先の話、関係ない…なーんて思ってるあなたこそ、危険な骨の話! 今からできる「骨を育てる5つの要素」方法について伊奈病院整形外科部長石橋英明先生と管理栄養士の安中千絵さんに伺いました。

骨を育てる5つの要素

骨は絶えず代謝を続け、1年に全身の骨の約10%が生まれ変わります」と、石橋先生。それにあたり、健全な骨を育てるうえで後押しとなるポイントは、5つ。

「骨の代謝作業は、“破骨細胞”と“骨芽細胞”という2つの細胞請け負われます。破骨細胞が古い骨を溶かし、骨の溶け出した部分に骨芽細胞が集まって、新たな骨を作るという3~4か月のサイクルです。その代謝を助ける生活を、食事や運動、日光浴などで日頃から心がけましょう」

【1】運動:骨に負荷をかける運動を習慣に。

「骨は、運動によって強い衝撃が加わると、それに適応するべく強化されます。とくに縄跳びやバスケットボールなど、ジャンプを伴う運動は、体幹や下肢の骨量を上げるのに効果的です」(石橋先生)

運動の種類で骨量の上がる部位が変わるそうで、将来の圧迫骨折を防ぐには、その危険性が最も高い腰椎の骨密度をキープする運動が不可欠に。

「おすすめは背筋運動で、背筋を鍛えると腰椎が強くなります。背筋運動を2年間続けた結果、10年後の腰椎の骨密度低下や圧迫骨折が防げたという報告も。また、簡単な運動では速足のウォーキングもOK。1日30分で骨量アップ。無理なく続けられることが一番です」

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縄跳びなら1 日50 回を目安に行って。ジャンプと素早い動きを伴うことがポイント。

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息を吸いながらゆっくり上体を反らせ、吐きながら10 秒静止。これを1日10~20回。

【2】日光:紫外線からビタミンD生成。

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日光はシミの原因など、とかく悪者にされがちだけど、骨にとっては真逆。

「紫外線を浴びると、ビタミンDが皮膚で合成されますが、これは骨を作るうえでとても重要な栄養素。実は、カルシウムは体に吸収されにくく、ビタミンDによって吸収が促されるのです。春夏なら、顔や手に15分ほど日光を浴びれば完了。ただし、日焼け止めを塗った箇所では、効果が十分に得られません。一方、秋冬は紫外線の量が少なく、ビタミンDの合成が不足しがち。ビタミンDが豊富な食品や、場合によっては、ビタミンD単体のサプリも利用しましょう」(石橋先生)

【3】睡眠:寝る子は育つ、は大人も同じ。

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良質な睡眠をとることも、骨を育てるうえで役立つ生活習慣。

「大人になっても、寝ている間に成長ホルモンが分泌されます。このホルモンには、骨と筋肉を強くする役割が。そのために、最低限5時間は睡眠時間を確保しておきたいところです」(石橋先生)

また、気持ちよく眠りにつくには、メラトニンという睡眠ホルモンを分泌させることも大切に。寝る2時間ほど前から間接照明にするなど部屋の明かりを落とし、寝る直前のスマホは控えよう。

【4】女性ホルモン:エストロゲンのバランスを整える。

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骨の健康を守るうえで、女性ホルモンのエストロゲンは、とても重要な存在。

「骨には、破骨細胞によって古い骨が壊されるという働きがありますが、それを抑制するのがエストロゲンです。破骨細胞の働きは骨にとって必要ですが、抑えがきかないと骨が弱くなってしまいます。骨の健やかな代謝を保つためには、エストロゲンが十分に分泌されていることが大切です。無理なダイエットや過剰なストレスなど、生理周期を乱すような生活は避けましょう」(石橋先生)

【5】栄養:食べないと骨は減るばかり! 骨にいい食材を知ろう。

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5つの要素の中でも、最もポイントとなるのが、食事から摂取する栄養。

「骨の大部分はカルシウムとタンパク質でできています。日々、骨の代謝が行われているなかで、カルシウムとタンパク質がないと、新しい骨は作れません。そのため、この2つを摂ることは、とても重要です。また、ビタミンDはカルシウムの吸収を促し、ビタミンKはその沈着を助けます。骨を強くするには、この4つの栄養素を意識して摂取するようにしましょう」(石橋先生)

そして、いずれかに偏らず、それらを複合的に摂ることも大切に。

「カルシウムとビタミンDのように、栄養素は互いに作用し合います。骨の強度を高めるには、栄養バランスのとれた食事を心がけること。とはいえ、手の込んだものでなくてOK。簡単に作れて、品目が増えるのがベストです」(安中さん)

石橋英明先生 伊奈病院整形外科部長。人工関節手術、骨粗鬆症、関節リウマチなどを専門としている。また、医療系のテレビ番組にも多数出演。著書に『骨粗鬆症の最新治療』(主婦の友社)などあり。

安中千絵さん 管理栄養士、J.S.A.認定ソムリエ。“おいしく健康に”をテーマに、簡単に作れて栄養価が高く、素材の味を活かしたレシピを提案。著書は『太らないのは、どっち!?』(青春出版社)ほか。

※『anan』2017年10月25日号より。イラスト・徳丸ゆう 取材、文・保手濱奈美

(by anan編集部)


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