テレビに映らないものこそが、一番怖いんです…。
2016年、神谷町から六本木一丁目の新社屋に引っ越した、テレビ東京。その“引っ越し”をきっかけに、旧社屋のビデオ倉庫から、おびただしい量の廃棄テープが発見された。そのテープに写っていたのは、なんと怪奇現象! 新人ADの常田大陸(村上虹郎)と駆け出しディレクターの二階堂早織(早見あかり)は、引き込まれるままに取材にのめり込んでいき…。どこまでが虚構で、どこまでが現実!? 虚実ないまぜの世界に恐怖がひそむ、オリジナルホラードラマだ。
「もともとは今回の脚本と監督も務めている三宅隆太さんと、“オリジナルホラー、やりたいね”って言ってたところに、社屋の引っ越しニュースが飛び込んできて。うちの局は、魚の骨まで出汁として使う性質なので(笑)、その設定を組み込むのがうちらしいし、美味しいだろうと。一方で、社屋移転と、神谷町の地下に必要ないビデオがたくさん捨てられていたのは本当。本当の設定の上に、フィクションのドラマが乗る。それがおもしろいと思うんです」
と語るのは、この番組のプロデューサーである、テレビ東京の五箇公貴さん。ドラマの中には、過去に撮影された未確認映像が登場するのだが、そのザラついた昭和な質感が、尋常じゃないくらいリアルで怖い。
「最近のテレビは“映っているものが全て”というのが主流で、グレーな部分のない番組が多いですが、僕としては、“映っていないけれど、そこにあるかもしれないもの”こそ、テレビのおもしろさだと思う。ホラー的な“よく見えない映像”も同じ。この番組を通じて、そういった“不確定要素”を楽しんでほしいです」
実はテレ東、ホラードラマはほぼ初。ホラーのおもしろさとは?
「怖い、痛いなど、人の生理に訴えかけるものって、言葉の説明がなくても伝わるんです。また、見えないところから何かが飛び出すっていうことも、国や時代を超えて怖いことだと思う。そのボーダーレスな感じがまずおもしろい。一時期に比べてホラーが下火なのって、テレビ業界のコンプライアンスの問題だと思うんですが、今誰もやっていないなら、そろそろ掘り起こしの時期な気がするし、だからこそ逆にやりたいと思うのも、作り手の性でもあって(笑)。世界的に人気を得たJホラーに、今っぽさをミックスしたドラマになれば、誰も見たことがないホラーが作れるのではないかと思う。夢は、アメリカのテレビ局などでのリメイクです。どこの国の局にも絶対、死蔵テープはありますからね」
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