「僕自身、中身がまるで二枚目じゃないので、逆にストレートな二枚目を演じることのほうが難しいのかもしれません。癖のある役をいただくことが増えたのも、僕自身に周りの人たちが物足りなさを感じているからなのかも…なんて思ったり(笑)。ただ、それを面白がってくださる方がいるのは素直にありがたいなと思っています」
その藤木さんが、今度は“魔都”と称されたかつての上海に降り立つ。第二次世界大戦前夜を舞台にした音楽劇『魔都夜曲』で演じるのは、諸国遊学後、上海に赴任した御曹司。世情が大きく変わろうとする時代に、中国と日本、両方の血を受けた女性・紅花と知り合い、恋に落ちる。
「当時、実際にあった出来事がモチーフになっています。80年前というと、ついこの間というほどではないけれど、それほど昔でもない時代なわけですよね。そんな時代にギリギリのところで生き、上海の女性と激しい恋をした人がいたんだと思うだけで、とても興味深いですよね」
舞台出演はこれが4作目となるけれど、「いまだに、自分がそこに立っている想像がつかない」と苦笑い。
「テレビドラマを中心にやってきた僕からすると、撮り直しがきかない世界で、2時間…作品によっては4時間近くほぼノンストップで演じ続けるなんて…。何かで集中が途切れて我に返った瞬間、セリフが全部飛ぶんじゃないかと、想像しただけで緊張します。怖いですよね」
本人はそんなふうに言うけれど、出演2作目となった舞台『海辺のカフカ』では、蜷川幸雄さんの演出を受け、海外公演も経験している。次の『尺には尺を』は、公演直前に蜷川さんが亡くなり、直接の演出を受けることはなかったけれど、いわば“蜷川組”の一員でもあるわけだ。
「たしかにそう言われるとそうなんですが、当時、蜷川さんは僕にとても気を使ってくださって、厳しく稽古をされることもなかったんです。ただ、次々と繰り出されるアイデアを、その場ですぐ形にしていく蜷川組の方々と一緒にやらせていただいて身についたものはあると思います。その経験に恥じないよう頑張らなければとは思っています」
なんと『~カフカ』のNY公演では、一瞬セリフが出てこなくなるという冷や汗ものの経験もしたとか。
「僕は基本、ドラマの現場であっても、間違えたくないし、焦りたくないんで、セリフは事前に全部入れています。それは、もともと緊張しぃで、突発的なハプニングに弱いからなんですが(笑)。過去の作品で、ある俳優さんが2ページ以上もセリフを飛ばした日があったんです。でも、慌てずそれっぽいセリフで繋ぐリカバーが素晴らしかった。あの舞台度胸はぜひ見習いたいと思います」
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