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西加奈子「その人のいちばん動物的なところ」 “夢中”の正体って?

2017.6.14
最近、どきどきしていますか? これは、なにも恋の話ではありません。時間を忘れて没頭できる、“好きなこと”の話。人はなぜ、“ハマる”という経験をするの? 夢中になっている人はどうして輝いて見えるの? 何かを愛し追い求めるという、恋愛にも似たその感情の正体を解き明かします。
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夢中になる時、そこに生まれるものすごいエネルギー。

何かにハマる、夢中で追いかける…そんな時、人はものすごいエネルギーを発揮する。不眠不休でコンテンツを見たり、全国を巡ったり、一体どこにそんなパワーが眠っていたのかと思うほど。「今は『これが好き!』となった時、どんなニッチなことでも深く調べることができる。また、今までは出会うことのできなかった“同志”と、国や地域を超えてつながることもできる。そういう意味では、SNSというツールは、熱くなれる対象を持った人がいちばん有効に使っているように思います」(博報堂ブランドデザイン若者研究所・原田曜平さん)

ハマるって? どうしてハマってしまうのか?

では“ハマる”ってどんなことなのか。プロレスに夢中だという作家の西加奈子さんによると、「好きなことに熱中している人を見ると、その人のいちばん動物的なところに触れているなと感じます。思考をシンプルにして動物的な感覚になることで、日々の複雑さから自分を少しだけ解放できる。そういう時間を持つことは、ある意味、毎日を生きのびるために必要な手段なのかもしれません」。自分の中の本能的な何か、それにぴったりフィットするものに出合ってしまった時、人は恋に落ちるように、何かにハマってしまうのだ。

夢中になっている人は輝いている。

作家の朝井リョウさんは、ラジオを偏愛してやまない。「毎週、10番組以上を聴いています。深夜帯の番組は録音しているのですが、朝起きたらあの番組の最新回を聴ける、と思うと寝る瞬間から翌日が楽しみで仕方ないんです」。何かに情熱を注いでいる人が魅力的に見えるのは、ひとえに彼らが自分の人生を能動的に楽しんでいるからこそ。「ハマっている趣味があること=魅力であり強みであるというのは、若い世代にとって当たり前の感覚。夢中になる何かがある人ほど、コミュニケーション能力も高いし、行動力もあります」(原田さん)

何かに深い愛を注ぐほど、人は満たされ、成長する。

そこから生まれる副産物もある。「一つのことに夢中になると、不思議なことに、他の感性も一緒に磨かれる感覚があるんです。そのジャンルのことだけじゃなく、日常が新しく見えるようになる」(西さん)。「好きなものの良さを人に説く時、自分でも驚くような語彙が飛び出たり、プレゼン力が高まったりします。好きなものがある人の言語って強いですよね」(朝井さん)。何かを突き詰めていくと、心が満たされるだけでなく、思わぬかたちでスキルを磨くことができたり、意外なメリットも。あなたもぜひ、夢中になれることを見つけてみて!

博報堂ブランドデザイン若者研究所・原田曜平さん マーケティングアナリスト。専門分野は若者研究。著書に『新・オタク経済 3兆円市場の地殻大変動』(朝日新書)、『力を引き出す「ゆとり」世代の伸ばし方』(講談社+α新書)が。

作家・西 加奈子さん 『あおい』でデビュー。翌年『さくら』がベストセラーに。その後、『きいろいゾウ』『炎上する君』などを刊行し、2015年に『サラバ!』で直木賞受賞。近著は『(i アイ)』(ポプラ社)。

作家・朝井リョウさん 2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。’13年『何者』で直木賞受賞。エッセイ集『風と共にゆとりぬ』(文藝春秋)が6/30に発売。

※『anan』2017年6月21日号より。イラスト・いいあい 文・瀬尾麻美

(by anan編集部)

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