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ムロツヨシが「ズルい男ですよね~」という相手とは…

2017.4.4
ドラマやコントでのゆるい笑い。人気俳優たちとのプライベート。幼少期に両親と離れ、祖父母の元で育った複雑な過去。オモシロとセツナサが同居するムロツヨシさん。その不思議な存在とは。
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撮影中、モニターを見ながら「横顔が素敵です!」という編集者のひと言に、すかさず「正面は素敵じゃないわけですか」とツッコミ。「見本誌です」と差し出した高橋一生さん表紙のアンアンに、女性スタッフが歓喜する様を見て「どうせ生身の俺よりもそっちのほうがいいんだろ」とボヤいてみせる。取材の間じゅう、終始そうして自虐ネタで笑わせてくれたムロツヨシさん。

僕は、複雑な家庭環境に生まれたことをプラスに考えているんです。

――初の書籍『ムロ本、』では、インタビューやエッセイ、私小説という形で、両親の離婚や祖父母の家で過ごした少年時代などのご自身の生い立ちについて、かなり赤裸々に書いていますよね。

ムロ:自分では赤裸々なのかよくわからないんです。雑誌の連載をまとめた本なんですが、当時は毎回締め切りに追われて、考える間もなく書いていたんです。ただ、後半に収録した私小説に関しては、そろそろ書いておかないと忘れてしまいそうだなと思っていた頃だったので、連載という形で書き留めておく場を与えていただいたことに感謝しています。毎回、ラストに「これは喜劇」と入れているんですが、それも全部が自分の話というよりは、どこかで自分の願望を書いているんですよね。最後のインタビューでは、僕がまだ出せずに隠している部分を、インタビュアーさんが汲み取ってくださったのかなと思っています。でもまだどっか演じているところはあると思うんですよね。

――では例えば、ご自身では理想のムロツヨシ像みたいなものを考えていたりするんですか。

ムロ:最大の理想は、食べていける役者だったんですよね。30代後半でようやくそれが形になり始めて、おかげさまで40歳になってようやく食えている。だから逆に、その理想が叶ってしまったことで、いま、次の理想がない恐怖感が大きいんです。連載で自分のことを書きたかったのも、その恐怖からな気がするんですよ。不幸自慢ではなくて、僕は自分がこういう家庭環境に生まれたことをプラスに考えているんです。もし生まれ変わっても、この人生を選ぶだろうなってくらい、他の誰にもない面白い人生だと思っているんで。でも、過去を全部語り尽くしてストックがなくなったら、その後の自分には何もないんです。それはこの本にある、日常を思いつくままに書いている章を読んでいただくとわかるんですが…過去の話や作り話に比べて薄っぺらいんですよね。それがいまの自分だってことを、悔しいかな僕は自覚しなくちゃいけないんです。

――ご自身のことをしゃべらなくてもお芝居でも十分に面白いですし、それを羨ましく見ている俳優さんは多いと思います。

ムロ:ありがたいことに、そう言ってくれる後輩は増えているんですけどね。神木隆之介とか(笑)。ただ、それは20代で思いついてやっていたことなんですよね。それを30代までやり続けたら、ちょうど福田雄一という人間が現れて、皆が見てくれるような場所でやらせてくれた。それが“勇者ヨシヒコ”で。だからいまこうして面白がってもらっているのも20代の時のストックで、そろそろ次のカードを切っていかなきゃいけないっていう危機感と焦りと、一方で楽しみな気持ちもあるんですけれど。

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――でも最近は、俳優として認知され、シリアスな芝居も求められるようになっています。

ムロ:そうですね。この間、李(相日)監督とお仕事をご一緒させていただいたんですが、監督に「次も呼んでください」と言ったら、「それはこれからのムロ次第だね」と言われたんです。本当にその通りだな、と。ただ、僕は喜劇役者でいたいという気持ちもあるんです。いまはいろんな気持ちを整理していて、この先の自分に期待するには何をしたらいいだろうってすごく考えているところです。

――逆にいま、福田雄一作品のなかのようなムロツヨシ像を求められることが多いと思うんですが。

ムロ:かっこつけた言い方をすれば、表現者としては、求められるようになってようやく一人前かなとも思うんです。欲しがっている人に対して、さらに何かプラスアルファをして返す。もしいまのスタイルが飽きられたら、その程度にしかやれていなかったんだということを僕は自覚しなきゃいけないし。じつは福田さんに「僕の作品に出続けることで、ムロ君が飽きられるんじゃないか」って言われたことがあったんです。でも僕は出続けて、それでもなお見たいと思われる役者になりたいし、そうじゃないと意味がないとも思うんです。僕は福田さんの武器になりたいと思っているし、武器だとずっと思い続けてもらいたい。きっと僕がつまらない役者になったら、僕を使わないだろうと思うんです。僕はそれを怖がっているし、福田さんも僕に「つまらないのでもう出ません」って言われるのを怖がっていると思います。

――いい関係なんですね。

ムロ:だけどあの男、ほとんど僕を主演では呼ばないんだよね。配信という、好き勝手やりたいメディアでは僕や佐藤二朗さんを呼ぶのに、ここぞという時の主演に呼ぶのは小栗(旬)や山田(孝之)。ズルい男ですよね~。でもいつか、お互いに代表作と言えるような大作で主演として一緒にコメディを作りたいという気持ちはあります。

ムロツヨシ 1976年1月23日生まれ、神奈川県出身。’99年より役者として活動を開始。’05年の映画『サマータイムマシン・ブルース』より映像の世界へ活動の幅を広げる。現在放送中の大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK)に出演するほか、今年公開予定の映画『銀魂』も待機中。

ムロさんの初の書籍『ムロ本、』は、ワニブックスより3月29日発売。1500円。雑誌『プラスアクト』で連載していた、自ら執筆した台本、私小説、エッセイなどのほか、俳優・新井浩文との本音対談や、ロングインタビューを収録。また、盟友である福田雄一監督や、俳優仲間たちが語るムロツヨシ像など、ムロさんを多角的に知れる一冊に。

usedのパジャマセットアップ¥7,400 usedのストライププルオーバーシャツ¥12,000(共にTHE LIGHT/THE LIGHT TEL:03・5432・7130) スニーカー¥16,000(ANACHRONORM/ANACHRONORM TEL:03・5784・2669)

※『anan』2017年4月5日号より。写真・内田紘倫 スタイリスト・森川雅代(FACTORY 1994) ヘア&メイク・佐々木麻里子 インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)


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