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緊張高まる「二つの中国」 日本はどう向き合うべき?

2017.4.4
意外と知らない社会の問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「二つの中国」です。
社会のじかん

両者の緊張関係は日本にも影響。選択のときなのかも。

「二つの中国」とは、台湾海峡両岸で向かい合う、中華人民共和国(以下、中国)と台湾(中華民国)の政治的対立関係を表す言葉です。中国政府は台湾はあくまで領土の一部で、「一つの中国」と認識していますが、台湾は民主主義政治。中国共産党とは一線を画す、主権国家であると主張しています。

日本は1972年に中国と国交を回復させたので、台湾とは国交は結んでいません。ところがご存じのように、大変友好的な関係を結んでいます。東日本大震災が起きたときには、台湾から日本に200億円以上の義援金が送られ、台湾で大地震が起きたときには、日本がすぐさま支援に駆けつけました。外務省の調査によると、台湾の主要貿易相手国は、中国、香港、アメリカに次いで日本が4位。台湾から日本へ来る観光客は年間約417万人。日本から台湾を訪問する人は約190万人。経済的・文化的結びつきは深いのです。

中国と台湾は、近年、絶妙なバランスをとってきましたが、昨年、緊張関係が強まりました。トランプが当選後に台湾の蔡英文総統と電話会談し、「一つの中国」である必要はない、と中国にプレッシャーをかけたからです。

でも実は、中国と台湾も政治思想は異なりますが、経済的な結びつきは強く、台湾を訪れる観光客の1位は中国です。蔡総統の前の馬英九総統は、中国と貿易協定を進めようとして、国民の反発を受けました。貿易協定を結べば中国から安い労働力が流れ込み、仕事が奪われると、台湾の学生たちが反対運動を起こし、国会を占拠しました。2014年の「ひまわり学生運動」です。昨年5月、馬政権は退き、中国とは距離を置こうとする蔡英文という女性の総統に決まりました。

仮に中国と台湾の関係悪化が進むと、周辺海域の緊張関係は高まります。台湾のそばには日本の与那国島、沖縄、尖閣諸島があります。日本は、二つの中国に対して今後どういうスタンスをとるのか、明快な答えを持っておく必要があります。経済的な結びつきを強くすることが最大の安全保障。中国と台湾の直接対決にならないよう、アジアの貿易圏で持ちつ持たれつの関係を作ることが近道なのかもしれません。

ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN

※『anan』2017年4月5日号より。写真・中島慶子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)


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