神木隆之介、2歳から20年間も役者を続けられた理由とは…

2017.3.22
佐々木蔵之介さんをマスターに久々の復活を遂げた、神木隆之介の「Master’s Cafe」。お二人が役者を続けるモチベーションについて語ります。
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佐々木:いま神木君って、いくつ?

神木:23です。

佐々木:俺が大学で芝居を始めたのがその年齢くらいだよ。で、この仕事はいくつからやってるの?

神木:2歳です。初めてドラマをやらせていただいたのが5歳でした。

佐々木:歌舞伎役者と同じやな(笑)。芸歴20年って、キャリアで言ったら俺より長いんちゃう? 

神木:えっ!?

佐々木:だって俺、テレビとかに出始めたんは30歳になって、東京に出てきてからやから…19年? 20年経ってないもん。先輩やん。

神木:いやいや…。でも、舞台はその前からされていましたよね?

佐々木:やってたっていっても、大学のサークルの延長みたいなもんで、卒業してもまだ終わらせられなかったっていうだけだから。まあ、いまもそれが続いているようなもんなんだけど。神木君は、最初はもちろん親御さんの希望で始めたことだったと思うけれど、自分で芝居を続けていこうって思ったのは何でなん? 

神木:ただただ楽しいっていう思いだけでやってきたんです。

佐々木:楽しいって気持ちで続けてこられたんか!? それはすごいな。

神木:…はい。それこそ物心ついた時から現場にいたのですが、話すことが好きで、最初はたくさんの人と話せるのが楽しかったんです。そのうちに、違う人間になるのが楽しくなったんです。で、高校生の頃にハッカーの役をいただいて、そこから役作りがすごく楽しくなったんですよ。それまでは、どこかしら自分との共通項を見つけて演じていたのですが、ハッカーはどうしたって自分と共通点が見つからないんです。それで、初めてキャラクターを作るということを考え始めて。例えば、落ち着かない雰囲気を表現するにはどうしたらいいんだろうって思って、机をカチカチ指で叩いてみたり、途中から貧乏ゆすりしてみたり。セリフを言いながら、どういう動きをしたらどう見えるのか考え始めたら、それがすごく楽しくなったんです。でも一番は、やっぱり違う人間になれるのが面白いんですね。僕自身では味わえない状況や感情を味わって、一体どこまで自分が表現できて、どんな表情をすることができるんだろうって思うんです。もしかしたら、自分の予期せぬ表情とかに出合えるかもしれなくて、それが毎回楽しみで仕方ないんです。

佐々木:はぁ~、すごいなぁ!

神木:でもそれは、自分自身がつまらないからなのですが…。なので、役を与えてもらって、自分にもこんな表情やこんなことができるんだって発見できるのがうれしくて。

佐々木:若くして、そんな境地にまで達していらっしゃるんですか。

神木:何をおっしゃいますか!

佐々木:いまその年でそこまで考えていらして、一体この先、どこへ行かれようとしているんですか?

神木:やめてください(笑)。

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佐々木:俺なんか、全然楽しくないよ。ほんのたまに…奇跡みたいな瞬間はあるけれど、どんなに考えてやってもなかなか思い通りにいくものでもないし、思い通りにいけば楽しいかといったら、それも違うだろうし。ただ、自分でも予期せぬことが起こって、思わぬ発見があった時は楽しいかもしれないなぁ。

神木:では、蔵之介さんが芝居を辞めずに今まで続けてきた理由は何ですか?

佐々木:何だろうなぁ…。映画のなかで島田が、「(天才棋士の宗谷が自分の遥か上を行くからって)オレが努力しなくていいってことにはならない」っていうセリフを言うでしょ。僕自身は、誰かを目指しているわけじゃないけれど、そういう気持ちはなくもないかな。毎作品毎作品、自分の考える到達点に辿り着けずに足りない足りないと思いながらやってきて、振り返ってみると、それはサークル時代からずっと変わってない気がする。たぶん、どこかで到達できたって思えていたら、もう役者やってなかったかもしれへんな。

『3月のライオン』将棋を題材にした羽海野チカさんによる漫画。幼くして家族を失い、棋士の幸田に内弟子として引き取られ、中学生で史上5人目のプロ棋士となった桐山零が主人公。孤独を抱え、将棋だけを拠り所に生きてきた少年が、さまざまな人との出会いを通して成長していく。この春、大友啓史監督により映画化。主演の桐山零を神木さんが、先輩棋士の島田を佐々木さんが演じ、現在、前編が公開中。後編は4月22日ロードショー。

かみき・りゅうのすけ 1993年、埼玉県生まれ。今年1月にリリースした写真集『Sincérité』が好評発売中。8月には出演映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第
二章』の公開も控えている。

佐々木蔵之介さん 1968年、京都府生まれ。神戸大学在学中の’90年に劇団・惑星ピスタチオの旗揚げに参加。’98年に退団した後に上京し、NODA・MAPやT.P.Tなど舞台を中心に活躍するなか、’00年に出演したNHK連続テレビ小説『オードリー』で一躍注目を集める。主演を務めた『ハンチョウ』シリーズなどのドラマのほか、スーパー歌舞伎への出演や、自身が企画し、出演する演劇ユニット・Team申を主宰するなど多岐に活動。近作に主演映画『破門 ふたりのヤクビョーガミ』。

※『anan』2017年3月29日号より。写真・森滝 進(まきうらオフィス) スタイリスト・猪塚慶太(神木さん) 勝見宜人(Koa Hole/佐々木さん) ヘア&メイク・INOMATA(神木さん) 西岡達也(Leinwand/佐々木さん) インタビュー、文・望月リサ 

(by anan編集部)


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