「英国男子」「男女逆転」に胸キュン?“偏愛”女子の官能…

2017.3.3
こんな男性の姿や感情にキュンキュンするのは私だけ? なかなか共感されないフェチをお持ちの3人にその魅力を思う存分語っていただきました。「わかる!」と納得のアナタは、偏愛主義者かも!?

今回は朝日新聞記者の松尾慈子さん、(株)リブレ編集者の鍋島由紀さん、ライターでエディターの石井理恵子さんに、それぞれの“フェチ”について語り合ってもらいました。

英国男子

鍋島:英国男子の制服にハマるきっかけは何だったんですか?

石井:10年以上前に『ジーン・シモンズのロックスクール』というテレビ番組を見たのが始まりでした。KISSのジーン・シモンズがパブリック・スクールを訪れ、生徒にロックを教えるというものだったんですが、内容はともかく、何よりも目を引きつけられたのが、その学校の制服だったんです。まるで修道士が着るような美しい制服で、それに身を包む10代の男子学生にグッときたんです。

松尾:英国の制服って日本では見られない独特なデザインのものが多いんですよね。

石井:そうなんです。そこから多方面の伝統的な制服へと、どんどん興味が広がっていき、英国を取材するようになったんです。そうしているうちに、甲冑にも魅力を感じるようになって(笑)。

鍋島:甲冑ですか!

石井:一般的には、男性の鍛え上げられた肉体に男らしさを感じる女性が多いかもしれませんが、私は“チラリズム”好きなんです。制服や甲冑といった伝統的な衣装に身を包みながらも、瞳やうなじなど、チラッと見える生身の部分から人間らしさを感じられるんです。あと、制服のブレザーやネクタイの違いによって生徒のランクがわかったり、甲冑も位が上がるほどに凝った装備だったり。知っている人にしかわからない、ちょっとした見た目の違いで男たちの微妙な力関係がわかるのもおもしろくて!

鍋島:たしかにそういった隠された部分に萌えますよね。私の場合は、それが涙でした。普段なかなか弱さを見せない男性が、ふと涙を見せた時にキュンとするんです。

松尾:同感です。多くの男性は、子どもの時から「男なら泣くな!」と言われて育てられますからね。

イケメソ

鍋島:そうなんです。織田信成さんが号泣している場面とか、たまらないですよね。最近はりゅうちぇるさんなどのタレントさんがテレビで泣く場面を目にする機会が増えてきたから、世の女性たちも男性が泣くことに対して寛容になってきているし、感情を表に出す男性に好感を持てるようになっている気がするんです。

石井:それはやっぱり女の子が強くなってきているからでしょうか。

鍋島:そうだと思います。社会進出する女性が増え、今まで以上に頑張りすぎて、疲れている人が多いと思うんです。だから彼氏じゃなくてもいいから柔らかな雰囲気に包まれたい、癒されたいという気持ちになるんです。

石井:たしかに。女性同士だと、無意識に自分と他人を比べてしまいますからね。

鍋島:そうなんですよ、最近は女子会疲れしている人も多いみたいで。でも相手が男性なら劣等感や優越感を抱かずに済むので、楽なんです。芝生かやさんの『オネエさんと女子高生』に登場する織部くんもそうで、実はオネエなんですが、その柔らかい雰囲気に、一匹狼タイプの主人公も思わず面倒をみてしまう。そんなそっとそばに寄り添ってくれるような線の細い男性に魅力を感じるんです。

松尾:それは私の偏愛にも繋がってきますね。『オネエさんと女子高生』もそうですが、最近男女逆転マンガが多いじゃないですか。その設定自体に萌える人もいるようですが、私の場合は、その屈折した世界で、男の素の部分に迫る描き方にときめきを感じるんです。たとえば四姉妹のさまざまな恋模様を描いた御徒町鳩さんの『堀居姉妹の五月』では、三女の菜実子の彼氏がお姫様になりたい願望の持ち主で、菜実子に王子様になってほしいとお願いするんです。自分の想いを隠さずに表に出すことで、彼はストレートに愛情を表現しているんです。

鍋島:私も読みました。変わった愛の形だけど、いいですよね。

松尾:そうなんです。もっと男性の本質に迫るような掘り下げ方をしているのが、よしながふみさんの『大奥』ですね。これは将軍が女、そして仕えるのは3000人の色男と、まさしく男女逆転マンガの代表作ですが、だからこそ生きる苦しさが伝わってくるんです。それが怒りといった突発的で理不尽なものではなく、苦しさや悲しさといった、深い苦悩として表現されているところにグッとくるんですよ。悲しい、悔しいといった感情をちゃんと表に出せる男性に、魂の健全さを感じて、心が揺さぶられるんです。

石井理恵子さん ライター、エディター。英国サブカルチャーを中心に執筆。著書に『美しき英国パブリック・スクール』(太田出版)、共著『英国男子 制服コレクション』(新紀元社)等。

鍋島由紀さん (株)リブレ編集者。癒し系男子による『書店男子』を企画し、『イケメソ男子』を涙活プロデューサーの寺井広樹氏と共に企画。次々にヒット作を世に送り出している

松尾慈子さん 朝日新聞大阪本社編集局記者。朝日新聞デジタルでコラム「漫画偏愛主義」を執筆中。年間100万円を費やすほどのオタクで、一風変わった恋愛漫画を愛する

協力・シルクラボ 撮影・安藤青太

※『anan』2017年3月8日号より。写真提供・石井理恵子 横山明美 取材、文・鈴木恵美

(by anan編集部)

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