『ヘンリー四世』の浦井健治「ときどきとっ散らかる自分を楽しんでいます」

2016.11.21
舞台「ヘンリー四世」に挑む俳優の浦井健治さん。その胸中をインタビューで聞きました。
うらい・けんじ 1981年、東京都生まれ。近作にミュージカル『王家の紋章』、舞台『アルカディア』など。来年2月にはミュージカル『ビッグ・フィッシュ』出演が決まっている。ジャケット¥48,000 カットソー¥13,000 パンツ¥19,000(以上DISTICTION MEN'S BIGI/メンズビギ リミテッド 有楽町マルイ店 TEL:03・6738・3801) その他はスタイリスト私物
うらい・けんじ 1981年、東京都生まれ。近作にミュージカル『王家の紋章』、舞台『アルカディア』など。来年2月にはミュージカル『ビッグ・フィッシュ』出演が決まっている。ジャケット¥48,000 カットソー¥13,000 パンツ¥19,000(以上DISTICTION MEN’S BIGI/メンズビギ リミテッド 有楽町マルイ店 TEL:03・6738・3801) その他はスタイリスト私物

シェイクスピアの歴史劇で第一部だけでも約3時間、二部を通しで観たら6時間超…。そう聞くと、何かの修行? と感じそうなものだけれど、’09年の『ヘンリー六世』からスタートした新国立劇場のこのシリーズは、長時間もまるで苦にならないほど、めっぽう面白い。

「最初に台本を読んだ時は、堅いし難しいし、まったくセリフが頭に入ってこなくて大変でした。でも、稽古場で人が口にした途端に、言葉がものすごくエネルギーを放ち始めたんです。セリフの裏にある役の背景が見えてきたり、口にしていることとは真逆の気持ちが生まれてきたり。シェイクスピアは400年経っても何も変わらない人間の根底を描いているんですよね。観れば、こういう人いるな~とか、うちの家族もこんな感じだな~とか、きっと、舞台を斜めに見ながら笑ったり共感したりしてもらえると思います。頭で難しく考えるより、むしろ感覚的に観ていただくほうが、わかりやすく楽しめるのかもしれません」

そう話すのは、いまやこのシリーズになくてはならない浦井健治さん。これまでにヘンリー六世、ヘンリー七世を演じてきたが、今回は『ヘンリー四世 第一部-混沌-・第二部-戴冠』で同じ血脈に繋がるヘンリー五世に扮する。

'09年に上演され、数々の演劇賞を受賞した『ヘンリー六世』。その続編『リチャード三世』が'12年に上演された際には、同じ役を同じキャストが演じ、歴史の流れが掴みやすいと評判に。今回の『ヘンリー四世』は『~六世』の前の時代の物語。浦井さんは今回、以前に自身が演じたヘンリー六世の父を演じることになる。写真は、'09年『ヘンリー六世』より。撮影:谷古宇正彦
’09年に上演され、数々の演劇賞を受賞した『ヘンリー六世』。その続編『リチャード三世』が’12年に上演された際には、同じ役を同じキャストが演じ、歴史の流れが掴みやすいと評判に。今回の『ヘンリー四世』は『~六世』の前の時代の物語。浦井さんは今回、以前に自身が演じたヘンリー六世の父を演じることになる。写真は、’09年『ヘンリー六世』より。撮影:谷古宇正彦

「イングランドの歴史のなかでも偉大といわれる王様ですから、高貴で気高い人物を思い描いていたんです。でも、王子時代のハル(後のヘンリー五世)にはそのイメージが全然なくて、それまで考えていた役作りは全部白紙に(笑)。先輩方からいろいろアドバイスをいただいて、もう一度台本と向き合ってみると、対峙している相手とは別の人に自分の考えを伝えようとして意図的にしゃべっていたり、言っていることと考えていることが真逆だったりすることがわかってきて、なんて複雑でひねくれた人物なんだろうって。でもいまは、ハルのそんなところに、興味を惹かれています」

浦井さんをはじめ、岡本健一さんや中嶋しゅうさんなど、共演者の多くはシリーズを通じて出演しているお馴染みの面々。

「心にゆとりがあって、お芝居が好きで、何より作品をいいものにすることを第一に考えているような先輩方ばかり。いまは、皆さんにぶつかるだけぶつかって、ときどきとっ散らかる自分を楽しんでいます」

11月26日(土)~12月22日(木) 初台・新国立劇場 中劇場 作/ウィリアム・シェイクスピア 演出/鵜山仁 出演/浦井健治、岡本健一、ラサール石井、中嶋しゅう、佐藤B作ほか 二部作通し券1万6000円(S席) S席8640円 A席6480円 B席(注釈付2階席)3240円*すべて税込み 新国立劇場ボックスオフィス TEL:03・5352・9999(10:00~18:00) http://www.nntt.jac.go.jp/play/ 写真は、'12年『リチャード三世』より。撮影:谷古宇正彦
11月26日(土)~12月22日(木) 初台・新国立劇場 中劇場 作/ウィリアム・シェイクスピア 演出/鵜山仁 出演/浦井健治、岡本健一、ラサール石井、中嶋しゅう、佐藤B作ほか 二部作通し券1万6000円(S席) S席8640円 A席6480円 B席(注釈付2階席)3240円*すべて税込み 新国立劇場ボックスオフィス TEL:03・5352・9999(10:00~18:00) http://www.nntt.jac.go.jp/play/ 写真は、’12年『リチャード三世』より。撮影:谷古宇正彦
うらい・けんじ 1981年、東京都生まれ。近作にミュージカル『王家の紋章』、舞台『アルカディア』など。来年2月にはミュージカル『ビッグ・フィッシュ』出演が決まっている。ジャケット¥48,000  カットソー¥13,000 パンツ¥19,000(以上DISTICTION MEN’S BIGI/メンズビギ リミテッド 有楽町マルイ店 TEL:03・6738・3801) その他はスタイリスト私物

’09年に上演され、数々の演劇賞を受賞した『ヘンリー六世』。その続編『リチャード三世』が’12年に上演された際には、同じ役を同じキャストが演じ、歴史の流れが掴みやすいと評判に。今回の『ヘンリー四世』は『~六世』の前の時代の物語。浦井さんは今回、以前に自身が演じたヘンリー六世の父を演じることになる。写真は、’09年『ヘンリー六世』より。撮影:谷古宇正彦

11月26日(土)~12月22日(木) 初台・新国立劇場 中劇場 作/ウィリアム・シェイクスピア 演出/鵜山仁 出演/浦井健治、岡本健一、ラサール石井、中嶋しゅう、佐藤B作ほか 二部作通し券1万6000円(S席) S席8640円 A席6480円 B席(注釈付2階席)3240円*すべて税込み 新国立劇場ボックスオフィス TEL:03・5352・9999(10:00~18:00) 
http://www.nntt.jac.go.jp/play/
 写真は、’12年『リチャード三世』より。撮影:谷古宇正彦

※『anan』2016年11月23日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・宮崎智子 ヘア&メイク・山下由花 インタビュー、文・望月リサ