【色気だだ漏れ♡】男をトリコにするエロ美しい絵は必見!『クラーナハ展』
日本初開催!『クラーナハ展―500年後の誘惑』
【女子的アートナビ】vol. 46
いま、上野の国立西洋美術館で『クラーナハ展―500年後の誘惑』が開かれています。
日本ではあまり有名ではありませんが、ルカス・クラーナハ(父、1472-1553)はドイツ・ルネサンスを代表する芸術家のひとり。宗教改革期に大活躍した人で、マルティン・ルターの肖像画を描いたことでも知られています。
実はクラーナハさん、タダものではありません。ドイツ北東部のヴィッテンベルクで宮廷画家として活動する一方、自身の大きな工房で絵画や版画を大量生産していきます。当時としては、かなり“やり手”の実業家です。さらに、政治の世界にも進出し、薬局や印刷所も経営。マルチな才能を発揮したアーティストです。
お客様のニーズにこたえ、人気の画題はどんどん制作していったというクラーナハ。特に、エロティックな雰囲気が漂う女性像や裸体画の需要は多かったとのこと。今回の展覧会でも、なまめかしい女性の絵がたくさん来日しています!
エロ美しい表情に注目!
女性像のなかでも、特に色気アップを目指す女子にオススメの作品は、《正義の寓意(ユスティティア)》。全裸に見えますが、実は薄いベールをまとっています。それがまた、妙にエロティック。
この女性、特に豊満ボディではないのに、色気が伝わるのはなぜでしょう? その秘密は、表情にあるようです。ちょっぴり挑発的で、どこか遠くを見つめる目。ちょっと怖いような気もしますが、男性から見たら誘惑されているようにも思えるそう。
本作品に描かれている女性は、古代神話の女神ユスティティア。剣と天秤を手にした正義の女神です。でも、こんな刺激的な絵、いったいどこに飾られていたのでしょう? 作品解説によると、「誰かの私室で個人の目を悦ばすための作品だったのではないか」とのこと。なるほど~!
もうひとつのオススメは、《泉のニンフ》。草むらに横たわる裸婦を描いた作品です。スケスケのベールを身にまとい、薄目を開いて気だるそうな表情をしている女性は、絵の鑑賞者を誘惑しているようにも見えます。ちなみに、ニンフとは、ギリシア神話に出てくる美しい乙女の姿をした精霊のこと。この画題は人気があり、クラーナハは同じような絵を何点も制作したようです。
ウィーンの美術館にも注目!
本展を監修し、クラーナハの重要作品を貸してくれたのは、オーストリアの首都にあるウィーン美術史美術館。ヨーロッパ随一の名門貴族ハプスブルク家が、600年かけて集めたというコレクション数十万点を所蔵しています。
この美術館には、学生のころ訪れたことがありますが、ラファエロやブリューゲル、ベラスケスなどの名画がずらりと並び、すごかったです。 展示作品だけでなく、その建物も壮麗で、内装も超ゴージャス。本当にうっとりするような空間でした。
『クラーナハ展』で感性を刺激!
クラーナハが描くエロティックな女性の絵は、当時の人だけでなく、近現代のアーティストたちもトリコにしています。本展では、クラーナハに影響を受けたピカソや森村泰昌など近現代アーティストたちの作品も展示。ユニークな作品もあり、会場にいるだけで感性をビリビリ刺激されます。
本展では、オーストリアをはじめ世界10か国以上から集められた絵画や素描、版画など約100点が展示されています。クリスマス前にこの展覧会を見れば、男をトリコにする魅惑的な女性になれるかも!
※作品写真の掲載は、展覧会期間中のみとなっています。
Information
会期:~ 2017年1月15日(日) ※休館日は月曜日(ただし2017年1月2日、1月9日は開館)、2016年12月28日~2017年1月1日、1月10日
時間:9:30 ~ 17:30(金曜のみ20:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで
会場:国立西洋美術館
料金:一般 1,600円/大学生 1,200円/高校生 800円/中学生以下は無料