雨宮 あゆみ

【人生一度。不倫をしましょう!?】世界が注目したサイト『アシュレイ・マディソン』の再出発とは。

2016.12.13
みなさん、不倫をするためのサイトがあったのをご存知ですか? トラブルが多く、一度はほとんど閉鎖状態だった不倫サイト、アシュレイマディソンがこの度、優秀な新CEOによって刷新されました。いったいどのように変わったのか?過去のサイトはどのようなものだったのか?新CEOにインタビューしてきたのでレポートします。

ハッカーによる情報流出、女性の偽装など過去の過ちとは

「人生一度。不倫をしましょう。」(Life is short. Have an affair.)をスローガンにかかげたアシュレイマディソン。かつては不倫限定の出会い系サイトでした。正直、不倫を専門とするサイトがあったことにも驚きです。しかしながら、意外にもニーズがあり、世界で不倫をしたい人をターゲットに多くの会員を集め、3800万人の会員を集めるサイトに成長しました。ただ、ハッカーによるハッキングで個人情報の流出やそれにより登録している女性の90%が偽物だった事実が発覚。そうです、ほとんどの男性はそこにはいない架空の女性とチャットをし、胸をときめかせていたのです。

もちろん、その事実に多くの人がショックを受けましたが、個人情報流出により不倫願望があったことが家族や世間にバレてしまったりと多くのトラブルにも発展し、このサイトによって被害に遭われた方や傷ついた人も多くいます。騒動によりサイトはクローズしてはいなかったものの、中身はぐちゃぐちゃ。事実上、アシュレイマディソンは機能をストップしていました。

優秀な新CEOにより再出発を開始

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今回そんな再起不能とも思われるサイトを、会社創設者でマーケティングイノベーター、戦略家のロブ・セガールさんが指揮し、新たなブランドとして再デビュー。新しいキャッチコピーに「今この瞬間を生きよう」を掲げ、以前の不倫限定のサイトという形式は廃止し、オープンマインド、そして時代にふさわしいアプローチ方法で出会いを提供するサイトを作り上げているそうです。

セガール氏はキャリアをスタートさせて間もなく、カナダで最大規模の最先端を行くクリエイティブなプロモーションを行う代理店を立ち上げ、世界の名だたるクライアントにマーケティング戦略を策定しました。

新CEOロブ・セガールさんインタビュー

ー今までのサイトについてどう思いますか?

セガールさん カスタマー、メディアに責任をとりたいですね。プロダクト自体を変えなければならないとも思っています。まずは、以前の問題点を改善するため、当社はセキュリティーとプライバシーの保護に多額の投資をしています。そして強化するために24時間体制でセキュリティーのモニタリングを行っています。そのように1つ1つプロダクトの改善を行い、信頼を取り戻していきたいと考えています。

トラブルを起こしたハリウッドスターを更生するように時間とお金をかけて行動で信頼を取り戻したい

ープロダクト自体を変えなければいけないとのことですが、どうしてアシュレイマディソンという名前は変えなかったのでしょうか?

セガールさん 『トラブルは多かったもののアシュレイマディソンは世界で認知されています。ハリウッドスター的なものがあります。トラブルメーカーだったけれど時間とエネルギー、お金をかけても立ち直らせたい女性のようなものですね。そのため、名前は変えずに過去のトラブルとも向き合い再出発をすることを決めました。もちろん信頼を取り戻すには時間がかかることはわかっています。このサイトで傷つけてしまった方には大変申し訳ない。そのためお客様のことを一番に考えて時間とエネルギーを通してサイトをよりよくしていくこと。そしてアクションという行動で見せていくことでうったえるしかないと思っています。

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ー優秀なマーケティングイノベーターとして多くの会社から引く手あまただと思います。どの時点でこのサイトに興味をもち、どのポイントで自分で再度運営しようと決断されたのですか?

セガールさん アシュレイマディソンは、オープンマインドな新たな出会いの提供の場として人々のためになると思いました。もちろんニーズも多く、出会いのプラットフォームのひとつになれると思ったんです。僕はマーケティングを専門としているためこの話がきた時は今までにない大きなチャレンジだと思い、4か月半という長い時間をかけてオファーを受けるか考えました。もちろん家族がどう思うかも心配に思い話し合いもしました。企業側とも「会社が変わりたいのか?」「全て本当なのか?」そのようなことを1つ1つクリアにしていって社長に就任したんです。受けるにあたってわくわくもしましたが、もちろん不安もありました。

ー着任後に行ったアクションは何ですか?

セガールさん アシュレイマディソンという名前は変えなかったものの、新しいオフィスに移動し、会社名も変えました。会社の透明性をはかり、企業のカルチャーの再構築を行いました。女性の意見も大切だと感じ、シニアマネージメント9名のうち5名が女性となっています。アシュレイマディソンが損ねたイメージの修復などに大規模な投資を継続的に行い、新しいブランディング活動で人々に再度受け入れてもらえるよう立て直しをしています。これからもそのようなアクションを続け、多くの人にオープンマインドな出会いを提供できるサイトにしていきたい思っています。

新しいアシュレイマディソンの動きに注目

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このように新CEOロブ・セガールさんによる新たなアプローチで会員数が順調に伸びているアシュレイマディソンですが、以前の不倫サイトとは異なり、現在日本会員の多数は男女共独身で新たな出会いを求めている人が多いことがわかっているそうです。

セガールさん アシュレイマディソンの魅力のひとつは、ほかの出会い系サイトと違い、ソーシャルネットワークを通じての登録は不要で、友人や家族に交流情報を知られることはありません。プライベートフォトルームや覆面、そのほかの特殊効果やオプションを含む目立たない方法で知り合うことができるような機能も提供しています。日本は世界で最も活気があり、オープンマインドな思考をもった国です。よって、時間をかけ、お客様の声を聴き、ユーザーの体験を改善できるような新しいテクノロジーに投資を行い、またプライバシー保護の設定オプションを更に追加することによって、優雅でこの時代に合ったアシュレイマディソンを促進します。

最後に、シガール氏に以前のサイトのキャッチフレーズでもあった「不倫についてどう思うか?」と尋ねると「人には選択の自由がある」との回答が返ってきました。オープンマインドと聞くと、凝り固まらずいろいろな形での出会いがあるかと思いますが、以前のサイトなどを含め、世の中を見渡してみると、現代社会の出会い方の多様性やリレーションシップの形が徐々に変わってきていることに改めて気づかされます。

シガール氏が言うように選択の自由のもと、人々もオープンマインドになってきて、出会い方や付き合い方を多様なチョイスの中から自分自身で選びはじめているのかもしれません。

新しいCEOのもとで大きく変化を遂げつつ成長段階にあるこのサイト。過去にトラブルをかかえたハリウッドスター的アシュレイマディソンは今後どう変化していくのか、お騒がせな彼女の動きが少し気になりますね。

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