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彼と急接近した「運命の日」|12星座連載小説#142~魚座 10話~

文・脇田尚揮 — 2017.8.18
12人の女性たちの生き方を、12星座になぞらえて紹介していくショートクロスストーリー『12星座 女たちの人生』。 キャリア、恋愛、不倫、育児……。男性とはまた異なる、色とりどりの生活の中で彼女たちは自己実現を果たしていく。 この物語を読み進めていく中で、自身の星座に与えられた“宿命”のようなものを感じられるのではないでしょうか。

【12星座 女たちの人生】第142話 ~魚座-10話~


前回までのお話はコチラ

“フラワーエッセンスの資格を取ろう”

自分の中で、「これだ!」と思えるものが見つかった矢先……

すぐに、次の難関がやってきた。

資格認定してくれる団体、多すぎ! 一体どの団体が良いのか分からないわ……。

講座自体も様々。

びっくりするほど高いものから、拍子抜けするほど安いものまで色々ある。1回の講義で済むものもあれば、20回も受講しなくちゃいけないものも。

『う~~ん』

悩む。

あっ……と、いけない。占いの館に連絡しなくちゃだ!

電話機を取って、館に電話する―――

……相談したところ、今日から私は“電話占い師”になった。あっけないものだった。

待機の仕方や、電話鑑定での注意事項なんかを簡単に教えてもらい、WEBページの作成方法など基本的なことは、後ほどメールで連絡くれるとのことだった。

『もう少し引き止めてくれても良いのに……』

まぁ、私は中堅どころだし、他に凄い先生も一杯いるしね。ブースの数だって限られてる。

“替えはいくらでもいる”とは思わないけど……。実際、占い師の世界は“実力社会”だ。

本当は、主婦が片手間にできる仕事ではないだろう。プロとしてトップを走り続けたいのであれば尚更だ。

でも、良いんだ。私は私なりのやり方で、人の役に立ちたいんだもの!

『さてと。どの講座にするかな……』

それから1時間ほど様々な講座を見比べたけど、結局選ぶことはできなかった。

『う~ん、選べないなぁ……誰か教えてくれないかなぁ……』

―――と、そこで閃いた

夢叶と同じ幼稚園に子供を預けている“ママ友”の安岡さん、確かお花の講座をやっているって聞いたわ……。

善は急げ。すぐに電話で聞いてみよう!

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『やすおか………あった!』

スマホのコールボタンをプッシュした―――

私は思いつきで行動してしまうところがある。子供の頃からいつもこんな感じ。

夢ばかり見て、直感のままに動いちゃうのよね。

でも、それが正しい選択ということも少なくなくて……。

てっちゃん……今の旦那サマとの、恋のキッカケもそうだった。

当時、私は社会人吹奏楽団に入っていて、“和辻君”……てっちゃんもそこに所属していた。とは言っても顔見知り程度の関係で、異性として意識したことなんて全然なかった(これはてっちゃんには内緒だけどね)。

その時は、ちょうど合コンで知り合った“タケルさん”って人に、猛アタックされていたわ。あまりにも一生懸命押してくれるから、もうこの人と付き合っちゃおうかなって思ってたのよね……。

でも、その矢先のことだった。あの日はどしゃ降り雨だった。

演奏会前日、ホールの下見をした後“なんとなく”寄り道をしようと思って、普段は行かない花屋さんに向かっていた。

そしたら途中の公園で、雨の中、傘もささずに突っ立っている人が。

ジッと見てみると、知り合いの“和辻君”でビックリしちゃった。彼は、いつも冗談を言って周りを楽しませる“盛り上げ役“”で、ひょうきん者。友だちとしては良いけど、恋人としてはちょっと……という感じの人だったわ。飲み会なんかでは下ネタを連発してたしね。

そんな彼が、びしょ濡れで虚ろな目をして立っている……。私には衝撃だったわ。

心配になって声を掛けたら、彼、泣いていたの。

『あれっ、どうしたの和辻君?』

「彼女と別れて……」

いつもの彼からは絶対に想像もつかない、絶望に打ちひしがれた翳りのある表情。

胸がズキュンとしちゃった。

『風邪引くよ?』

「いいよ、放っておいて……」

『放っておけないから言ってるの!』

私は可哀想な人に弱いの。そして、こうと決めたら自分でも驚くくらい強引になる。

彼を自宅まで連れて行って、お風呂を沸かしてあげて……。

今まで家に男の人を入れたことなんてなかったのに、アッサリ陥落。

その時、ピンときたの。

この人は、きっと“未来の旦那サマ”だ……って。

結果、その通りになった。

―――コール音が鳴っている。

そして

「はい、もしもし」

安岡さんの声。

『あっ、どうも……和辻です』

「まぁ、和辻さん、どうなさったの?」

安岡さんはいつも上品で、とてもおっとりした人。

『突然すみません、確かフラワーエッセンスを学んでいらしたと思って……』

「ええ、だいぶ前ですけど、受講していましたよ」

『今回私も受けてみたいなと思いまして』

「まぁ! そうなの! お仲間ができて嬉しいわ!」

『でも、どの講座が良いかわからなくて……』

「和辻さん、それならオススメの講座があるわ! 知り合いが講師をされているの」

―――やった! ドンピシャ! やっぱり私、冴えてるぅ~!

『本当ですか!? ありがとうございます! ご紹介いただけませんか!?』

「ええ、もちろん! 良ければ今から私の自宅にいらっしゃいません? 主人もいないし、今ひとりなの」

『ご迷惑でなければ、是非!』

こうして、私の“第一歩”は始まった―――


【これまでのお話一覧はコチラ♡】

【今回の主役】
和辻花子(フレイア華) 魚座33歳 占い師
既婚者であり、夫に和辻哲夫、子供に和辻長輝(9歳)と和辻夢叶(5歳)がいる。家庭と仕事の兼ね合いで悩みつつも、占い師としてそこそこの人気を得ている。しかし、あるお客の鑑定をきっかけに、占いの限界を感じて心理カウンセラーの資格を取ろうと考える。


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