JAXA大西卓哉宇宙飛行士に聞く人生相談! #11 宇宙からのANSWER. 健康について その3

文:anan編集部 — 2016.12.20
聞いてびっくり、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と女性誌の異色コラボ連載。JAXAの全面協力の下、国際宇宙ステーションでミッション遂行中の大西卓哉宇宙飛行士にanan総研が人生相談をぶつけた、壮大な企画です。地球を見下ろし、無重力で生活するうちに、それこそ俯瞰的なものの見方や生命・宇宙の起源に思いをはせた時、どんな人生観をお持ちになるか。anan総研が人間関係の相談をもちかけます。乞うご期待!

【宇宙からのANSWER.】vol.11 健康について その3

作業中の大西宇宙飛行士
作業中の大西宇宙飛行士(C)JAXA/NASA

師走ももう下旬となりました。2016年の総決算が迫っています。
宇宙ステーションに滞在中の大西卓哉宇宙飛行士が、anan総研メンバーの疑問質問人生相談にお答えいただくこの連載も、もう11回を迎えました。
既に大西さんは地球に帰還し、リハビリ期間を経て復帰中。きっと宇宙でのことを懐かしく思い出していらっしゃるに違いありません。
「そういえば、なんとかっていう女性誌の人生相談に答えたなあ・・・」
それって『anan』ですけどね! 妄想の中の大西さんはなぜか疲れ気味。それもそのはず、ちょっと今回のお答え、見てみてくださいよ!

大西宇宙飛行士、今回も回答、よろしくお願いします!

Q.
宇宙空間での健康管理と、地球での健康管理で違う点はありますか?(28歳・事務)

A.
うーん、どうでしょう。
あまり変わったことはしていないように思います。
規則正しく3食摂って、休日はしっかりと寝る、私が気をつけているのはそれくらいです。
宇宙に来て最初の数日間は、宇宙特有の体の変化に悩まされました。無重力で体中の体液が下半身から上半身にシフトするので、顔がパンパンに膨らんだり、頭に血が上ったり、乗り物酔いしたみたいに気持ち悪くなります。
でも人間の体の適応能力というのはすごくて、少しずつそういった症状が楽になって、今ではその状態が普通になりました。今度は地上に帰ったときに、反対のシフトが起こるので、また数日間色々な症状に苦しめられると思います。帰還後に私が真っ青な顔色でインタビューを受けていたら、どうか察してください(´;ω;`)

きゃー。ぎょええええ。
体中の体液が、下半身、から、上半身、へと、シフト、ですってええ!
脚のむくみは解消されてハッピーだけど、顔むくんでさいあく。片頭痛の発作起こりそう。いや、想像の範囲を超えてる。

宇宙と地球の健康管理の違い、どころじゃない、カラダの状態にそもそもの違いがあるわけですね。おそロシア!(ソユーズにかけまして)

そんな状態だとしても、人間としてやはり
・規則正しい食生活
・休息をしっかりとる

ことが大切だということ、肝に銘じてございます。
デスクでお菓子を食べることをやめます。(減らします)
動画サイトやネット配信放送を朝方まで観るのをやめます。(減らします)

2017年から!

大西さんがカザフスタンに着陸した後のインタビューでは、明るく嬉しそうな顔をしてらっしゃいましたね。まだ重力の影響をあまり感じていなかったのかも。その後どうだったかな・・・。[壁]ω;)

anan総研の人生相談、宇宙からのAnswer、壮大な企画はまだまだ続きます。
次回をお楽しみに!

船外活動に向けて、船外活動ユニット(EMU)の着用を支援する大西卓哉宇宙飛行士
船外活動に向けて、船外活動ユニット(EMU)の着用を支援する大西卓哉宇宙飛行士。この時も体液が上半身に・・・?!(C)JAXA/NASA

※ 大西卓哉宇宙飛行士は無事地球に帰還なさいました。この人生相談は、大西宇宙飛行士が宇宙ステーションにいる期間にお答えいただいたものです。

ananのために撮り下ろしてくださった、宇宙ステーションでの動画はこちら!

大西卓哉(おおにし たくや)

JAXA 有人宇宙技術部門宇宙飛行士運用技術ユニット 宇宙飛行士。1975年東京都生まれ。全日本空輸株式会社のパイロットを経て2009年4月JAXAに入社。2016年7月から国際宇宙ステーション(ISS)第48次/第49次長期滞在クルーとしてISSに滞在中。


Information


JAXA:http://www.jaxa.jp/index_j.html