会社を辞めて、こうなった。【第31話】 アンチエイジング効果、そして前向き脳にシフト! 私の人生を変えたマインドフルネス。

2016.4.19 — Page 1/3
出版社を辞め、サンフランシスコに単身乗り込んだ筆者・土居。彼女の人生を変えた、“マインドフルネス”について語ります。
 

【第31話】アンチエイジング効果、そして前向き脳にシフト! 私の人生を変えたマインドフルネス。

マインドフルネスとは?

マインドフルネスという言葉は、ご存知でしょうか。

私たちの心は過去に行ったことを後悔したり、実際に起こるかどうかもわからない未来を心配したりと常にさまよい、今ここに存在しません。私たちが対処出来るのは現在起こっている出来事だけなのに、です。

ただ座禅だけが瞑想ではなく、歩く時間も今ここに意識を向ければ、瞑想的に過ごすことが出来ます。
ただ座禅だけが瞑想ではなく、歩く時間も今ここに意識を向ければ、瞑想的に過ごすことが出来ます。

マインドフルネスとは漢字で表すと“念”、すなわち今の心です。それは、私たちが感じる一瞬一瞬の感情、思い、体感覚、そして周囲の状況に対して意識的になるための練習。目の前の出来事や抱いている感情を良い悪いと判断せず、ただ受け容れてそれに気づいていくトレーニングです。もともとは仏教の瞑想実践がルーツなのですが、アメリカ・マサチューセッツ大学名誉教授のジョン・カバット・ジンが1979年同大学メディカル・スクールにMBSRというマインドフルネスによるストレス軽減プログラムを開発。以来アメリカでは、学校教育、医療分野、ビジネス、そして刑務所の環境向上などさまざまな場でマインドフルネスによる肉体面、そして精神面への効果を実証し、広く普及しています。例えば、Googleで誕生したSIY(サーチ インサイト ユア セルフ)というマインドフルネスを取り入れた実践法なども。SIYでは、EQ(自分、そして他の人の感情を知覚し、自分の感情をコントロールしながら円滑な人間関係を築くための能力)、ストレスへの精神回復力やチームにおけるリーダーシップスキルの向上など特にビジネスシーンに活用できるマインドフルネスプログラムを提案しています。

どんな効果が?

オランダの雑誌『FLOW』ではジョン・カバット・ジン教授の特集記事が。ディープな真剣記事ながら、レイアウトも写真もポップで見せ方が上手い!
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ディープな真剣記事ながら、レイアウトも写真もポップで見せ方が上手い!
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では科学的にはマインドフルネスによるどんな効果が立証されているのでしょう。例えば、ダライ・ラマ14世とともに瞑想の効果を科学的に研究しているウィスコンシン大学マディソン校のリチャードデビッドソン博士(カリフォルニア大学バークレー校のケトナー博士とも研究を通じて親しい博士です)の研究によれば、8週間のMBSRマインドフルネス瞑想によりインフルエンザウィルスへの抗体反応が向上。さらに4か月間MBSRマインドフルネス瞑想を継続した結果、脳の機能までもが変化したと言います。具体的には、前向きな感情と関連する脳の前側左部分の活動が活性化されたと言うのです。その他研究者による論文でも、加齢とともに短くなるという染色体の末端にあるテロメアがマインドフルネス瞑想によって短くなりにくくなるという結果も。つまり、マインドフルネス実践によるアンチエイジング効果も期待されているのです。