会社を辞めて、こうなった。【第25話】 17才歳下の男子との淡い恋?

2015.9.29
念願のバークレーに入学し、学生生活を満喫する筆者・土居。忙しい勉学の間に、ふと訪れた淡い恋。どうなる?
 

【第25話】17才歳下の男子との淡い恋?

いつも勉強を教えてくれていたクラスメイト。学校帰りにラーメンを食べに行こうと誘われ、担々麺という名の謎のパスタを食べに行く。そこでお馴染みの「付き合ったことはある?」との質問に「あるよ!」と答えると「僕は無い」と言われて、思わずむせる。

アメリカの高校生、大学生といえば恋のエキスパート的なイメージがあったので驚いた。「え、なんで⁉︎」と尋ねると、「生活が苦しかった。自分の部屋もなかったし、毎日に精一杯でとても女の子をケアしてあげられる状態じゃなかったんだ」と。「えー、そこまで高校生で責任感を持つ必要なかったんじゃない?」と言うと「そうかもしれないけど、僕はそう思っていたんだ」。何その男気、かっこいい!

男女関係について考える。

これを食べてなきゃモグリ、と言われるバークレー「チーズボード」のピザ。
これを食べてなきゃモグリ、と言われるバークレー「チーズボード」のピザ。

イチゴ味のラムネを勧められ「大丈夫」と断ると「え、なんで⁉︎」と仰天される。「料理を美味しく味わいたいから」と答えると腑に落ちない顔をされ、「なんだかんだいっても味覚はまだ幼いのだなぁ」と安心する。

食事中、わたしの頭の中は翌週の中間試験のことでいっぱい。彼に質問できる貴重な時間だとプログラミングコードなどについて聞くも「男女関係についてどう考えている?」と会話の内容が切り替わる。これまた、わたしの不得意なトピックを!

「どういう意味?」。すると非常に真面目な面持ちで「日本の少子化問題についてどう思う?」と尋ねられる。え、今度は社会問題ですか⁉︎ 「子供1人育てるにもお金がかかるからかなぁ。私たちの学費を考えてもわかるじゃない? 共働きも増えているよ」と言うと、その答えには納得がいかない様子。すると「僕は日本人夫婦の性生活に問題があるのだと思うけど、そこのところどう思う?」と尋ねられ、思わず担々麺を吹き出してしまった。

日本人の性生活!?

心がモヤモヤしたら、家の近くの丘に上がります。美しい街並み、キラキラ輝く海を見下ろしているうちにスッキリ。
心がモヤモヤしたら、家の近くの丘に上がります。美しい街並み、キラキラ輝く海を見下ろしているうちにスッキリ。

「つまり、結婚後はどうなるんだろう? 結婚後の恋愛関係についてどう思う? つまり性生活ということだけれど」と鋭い質問を連打。そのジャブ、元アンアン編集者としては腕が鳴ります。座談会、インタビュー、アンケートなどで集計してきた数々のデータをもとに分析した仮説を披露出来るんだけど…。そんなもん、この状況でピュアな大学生相手に披露出来ないでしょう!!

「うーん、難しいねぇ。結婚にはいろんな形があると思うし」と答えると「あぁ結婚はまだイメージしにくかったかもしれないね。じゃあ恋人関係では? キミはそこのところ、どうなの?」と尋ねられ、(結婚したこともあるんだけどね、わたし)これ以上担々麺を食べられない状態にまで追い込まれる。

その後お会計争いに敗れ、再び奢ってもらってしまう。苦学生なのに本当に金払いがよくて男気あるなぁ。そう、付き合ったことが無いとはいっても、アメリカ男子のコミュニケーションベーススキルは高いんです。さりげなく車道側を歩いてくれるし、寒そうにしていたらジャケットをさっと貸してくれる。若いのに偉いなぁと思わず感心です。

横断歩道で・・♡

友人の家のブランチに招かれる。タルティーヌベーカリーなどに食材を卸す仕事をリタイアしたばかりとのことで、素晴らしい料理!
友人の家のブランチに招かれる。タルティーヌベーカリーなどに食材を卸す仕事をリタイアしたばかりとのことで、素晴らしい料理!

家まで送ってもらう帰り道、横断歩道を急いで渡ろうとした瞬間、手を繋がれる。び、びっくり! 何この韓国ドラマみたいな展開。空は満月、手を繋いだ後の君の笑顔も爽やかすぎるでしょう。でもねー、それは違うんだよ。わたしは君の倍ぐらいの年齢だし、結婚だってしたことがあるし。素敵な君にはもっともっと相応しい爽やかな同世代の女の子と良い恋をしてほしい!!

そこで微笑みながら「No, we are just friends, but good friends」と手を離しました。「なんじゃこの銀座のホステスさんみたいな対応は…」と我ながら苦笑しつつ。

関係をクリアにせねばとさらに毎日のお礼とともに、いつの日か君にガールフレンドが出来る日を良き友達としてお祝いしたいと伝えました。翌日挨拶をしたら少しギクシャク。しばらくは一緒に勉強出来なさそうだけど、いつかまた笑いながら謎の担々麺を彼のガールフレンドと彼と三人で食べに行けたらいいな!

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see you!

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PROFILE
土居彩
編集者、ライター。14年間勤務したマガジンハウスを退職し、’14年12月よりサンフランシスコに移住。趣味は、ヨガとジョギング。ラム酒をこよなく愛する。目標は幸福心理学を学んで、英語と日本語の両方で原稿が書けるようになること。