会社を辞めて、こうなった。【第12話】 英語がわかり始めた意外なきっかけ。

2015.4.5 — Page 2/3

「全部わからなくったっていいや」

元気が欲しいときは、OCEAN BEACHへ行きます。
元気が欲しいときは、OCEAN BEACHへ行きます。

もうひとつは単語に執着しないということ。TOEFL対策ではとにかく語彙を増やすことが大切だと思っていたのですが、意外とそれは私にとっては有効ではなかったんですね。やっぱり覚えられる英単語の数には限界があるし、覚えたところで正確にその概念を理解出来ているとは限らないもの。文脈によって意味も変わりますし、それを短期間で全部暗記するのはやっぱり無理ですよね。実際、TOEFLでは心理学やら天文学やら日本語で訳したところでもよくわからないような英単語が出てきて、いつもそこで硬直してしまっていたんです。
でも絵本を読み始めてから、わからない単語があってもとりあえずそれを流して、全体の文脈からその単語の意味をguess(推測)することのほうが重要なんだと感じました。さらにサンフランシスコという街は移民の街なので、中国人は中国人の、フランス人はフランス人の、メキシコ人はメキシコ人の、ベトナム人はベトナム人の英語を話します。みんなそれぞれの訛りやクセのある英語を堂々と使っているんですね。「全部わからなくったっていいや」。そう開き直るとTOEFLだけではなく、日常会話の聞き取りもラクになってきました。

「とりあえず話の流れから要点だけつかもう」という感じで。とはいっても会話の中で動詞の時制(現在形、過去形、未来形)だけは最低限正確に使い分ける必要はあります。これを間違えると、全然話が通じなくなってしまいます。

あとはリラックスすることです。例えば今日のリスニングテストでの出来事。CDの中で「ではまた来週」と教授が授業を締めくくるという箇所があったのですが、テストを一緒に受けていたメキシコ人のクラスメイトが「See you!(またね!)」とCD内の教授に返事したんですね。クラス中がシーンとして、必死に内容を聞き取ろうとしているテストの最中にですよ。これには思わず爆笑してしまいました。そして彼を激しくリスペクトしました。「なんだ、この余裕は! なんなんだ、このテストというプレッシャーに飲み込まれず、それを楽しめる強さは!」と。高い点数を取ることはもちろん大事なんですが、それに固執するあまりちっぽけな人間にならないように気をつけようと思いました。TOEFLでハイスコアを取る嫌なヤツより、低い点数でも一緒に居たいなと思われる人でいるほうがよっぽどいいですから。もちろんハイスコアを取りながら、面白い人間でいられることを目指したいですけどね! 

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