会社を辞めて、こうなった。【第49話】 エルメス、マノロからティンバーランドも♡ バークレーの穴場ヴィンテージ・ショップ!

写真/文・土居彩 — 2017.5.20
社会人から学生に戻り、“おしゃれしたい魂” を封印していた筆者・土居。しかしバークレーの街を歩けば、ショッキングピンクを颯爽と着こなすおばあちゃん、老眼メガネで新聞を読みながら、淡いグリーンの毛玉がついたニットがサマになっているおじさんが。そしてついに! 運命のヴィンテージショップ『CAVIER & CIGARETTE』に出合ってしまうのです。オーナーのブロンディさんに古着のおしゃれについてうかがいました。

【土居彩の会社を辞めて、サンフランシスコに住んだら、こうなった。】vol. 49

 

【第49話】エルメス、マノロからティンバーランドも♡ バークレーの穴場ヴィンテージ・ショップ!

IMG_2321

こちらに住んで驚いたのは、みんな新しいものをあまり買わず、古着、古本、古い家具などを上手に格安(or 無料)で再利用していること。ドネーションボックス(寄付箱)に着なくなった洋服を入れて互いに譲り合ったり、家の前に読み終えた本や使わなくなった家具を通りかかった必要な人へと差し出たり―—。スリフトストアやヴィンテージショップもコーヒーショップなみに至るところに立ち並んでいます。むしろ新品を着ていると、旅行者風で街から浮いてしまう?! というきらいも。そこで、家賃はビックリな高さのベイエリアではありますが(東京の倍以上)、オシャレにかける予算は低くても十分エンジョイできるんです。

まるで宝探し! マノロにdosa、ヴィンテージエルメスも…♡

さてバークレーには、私が心から愛するヴィンテージ ショップ『CAVIAR & CIGARETTES(キャビア&シガレッツ)』があります。豪快に買い物を楽しむことはできない現状ではありますが、私のポリシーとして「自分の住んでいる街に在り続けて欲しい」と思う店には微力ながら応援の意味を込めて、できる範囲で買い物をするように心がけています。なんていう信条を置いても、この店のアイテムはとびきり素敵でビックリ良心価格! シンプルなエルメスのヴィンテージリネンシャツが100ドルだったりするから、「あぁ、会社員時代に来たかった……」と思うこともしょっちゅう。でも見ているだけでもインスパイヤされますよ。ノース バークレー駅から歩いて20分ほどと少し駅から離れた場所にあるので、知る人ぞ知る穴場ショップです。航空チケットをはたいて来る価値、絶対アリ!! オーナーのブロンディさんにお店を始めるまでの流れ、そしてヴィンテージアイテムの魅力についてたずねてみました。

—−『CAVIAR & CIGARETTES』というお店の名前の由来は?

イギリスのロックバンド・クイーンの楽曲『キラー クイーン』の歌詞からとったのよ。本当キャビアと煙草って、断ることのできない魅惑的なお誘いだと思わない? メイン・ヴォーカルのフレディ・マーキュリーは、ある意味私の分身的存在。26年ほど前に亡くなってしまったけど、彼の想い出はいつまでも新鮮だわ。だって彼ほど他に追従しない個性的な人っていないもの。私の中でキャビアと煙草ってかつてとても人気があったもので、往年の想い出の残物というイメージ。だから、それを店で新しい出会いを待つドレスやシューズ、ジュエリーたちになぞらえてみたの。

IMG_3623

—−ずっとファッションの世界に?

いいえ、今までファッションに限らず、いろんなことをやってきたわ。死ぬほど愛した仕事もあったし、ただ生活のため、日銭を稼ぐためにやったこともあるわ。バーテンダーでしょ、ウェイトレス、バリスタ、あとは噴水を作ったり、メキシコからお面を輸入したり、セドナの見本市で手作りのカードを作って売ったこともあったわね。この店の前はサンフランシスコでヴィンテージ店を、LAではスタイリングの仕事もしていたわ。まぁ、やれるだけいろいろやってきたってことね。あとは想像におまかせするわ、笑。

IMG_2337

—−セレクトで強調している点は?

1960年代と1970年代、テイストはボーホーシックなものを中心に選んでいるけど、すべてはインスピレーションでセレクト。だから、年代やジャンルをがっちりとは限定はしていないわ。ただ、手刺繍、手染め、ハンドメイド、素材はシルク、コットン、リネンやファーといった天然素材に惹かれるわね。例えば手作りのレザーブーツやベルトを始めとするヴィンテージのウェスタンウェアも大好き。エルメスやフェンディ、エスカーダにヴェルサーチなどハイエンドなアイテムからヴィンテージのリーヴァイスやティンバーランドまで、「いいな」と思ったものはブランドを特定せずに扱っているわ。

IMG_2354

—−古着やヴィンテージの魅力って? どうやって選んだら素敵になれる?

ファッションを買って、売って、捨てて……って多くの人はあまり深く考えずに行っている。買った時点で消費期限のストップウォッチが “カチッ、カチッ” と音を立てて開始するような、量産された安いトレンド服を手に入れてね。そういったアイテムで身を飾ることで、あなたの生活から遠くはなれた場所で暮らす製造労働者や小売業者から搾取しているかもしれないのよ。でも、ここにある古着やヴィンテージは違う。ヴィンテージを愛用するというのは、世界の貴重な資源を守るということ。トレンドの移り変わりを経ても、ファッションの流れは繰り返し、本物はいつまでも新鮮なの。そしてあなたの財布には限られたお金しかなくても、芸術品のようなラグジュアリー・ブランドのアートを楽しむことだってできる。だからといってブランドにこだわる必要は無いのよ。多くのハンドメイドのヴィンテージ製品は、高品質ながらラベルが縫いつけられていないもの。だからあなたがその商品を愛しているかどうか、その感覚で選んだらいい。そして身に着けたときに心から満足し、自信を持つことができたら、それが一番の「おしゃれ」のスパイスになるのよ。

IMG_3621

こちらもどうぞ

ギフトの世界と資本主義経済の心地よいバランスを探るサイトOur Giftismを始めました! よろしければ覗いていただけると嬉しいです。

See You!

IMG_0316

写真:ピンクのシャツ
コットン100%、70年代のインディアンガーゼヒッピーブラウス69ドル。ヴィクトリアン・クロシェットパース55ドル。パースの上には50年代のクリップイヤリング。

写真:ブロンディ
ブロンディのファッションアイコンは数多い。フレディ・マーキュリーを始め、オノ・ヨーコ、ジェーン・バーキン、デヴィッド・ボウィ、リサ・ボネットetc…! 着用ドレスは1960年代インディゴ染め手刺繍のグアテマラの民族衣装。

写真:バッグ
真ん中はアイヴォリーカラーのコーチポシェット45ドル。左はフェラガモのシルク製スカーフ54ドル。

写真:店内
お店にはヴィンテージアイテムがぎっしり! dosaのシルク製ショートボレロなども。「あぁ、買いしめてしまいたい…」。

写真:シルバーブレス
マイバースデープレゼントにと購入した、貝とヒトデのマリンブレスレット☆

SEE YOU:
帰国中で久々のお酒♡

Information

『CAVIER & CIGARETTE』

住所:1443 University Ave. Berkeley, CA 94702
電話:(510) 900-1636
営業:基本的に水〜日曜11時〜18時、月〜火曜休(確認はinstagram/ caviarandcigarettesvintageにて)



【これまでの「会社を辞めて、こうなった」】

【第1話】37歳で再スタートって、遅いですか?
【第2話】サンフランシスコ式クリスマスの過ごし方。
【第3話】まるでBar状態! サンフランシスコ図書館は、フレンドリーすぎ!!
【代謝コントロール】総研ダイエット部始動! PR