ブスとののしられて思い出す最高値「美人風」な女の生き方|おおしまりえのキレイな悪口

文・おおしまりえ — 2017.2.14
「こんなブス顔じゃ愛されない!幸せになれない!」なんて、オンナと人生を格闘している女子に送る、キレイと幸せが手に入る(?)痛快エッセイを毎週お届け。オンナの旬を過ぎつつある三十路の恋愛ジャーナリストおおしまりえが、向き合いたくないけど向き合わなくてはいけないオンナの性と美、そして恋愛に対して、毎週真っ向勝負を挑みます!

【おおしまりえのキレイな悪口】vol.5

ブス!

それは、どんな造形の女に対しても、指摘厳禁な殺傷能力の高い言葉である。
ブスとはすなわち、造形が醜い女の総称であるが、醜さを「ブス」と命名した語彙センスの良さは、世界一嫌われている害虫に「ゴキブリ」と名付けたのに匹敵する素晴らしさだと思う。
濁点の持つ、にごりの破壊力ってハンパない!

自分が言われると凹むブス発言であるが、最近私はちょっと炎上する記事を書きすぎたせいか、知らない人からネット上で、ブス!ブス!ブス!と罵られる日々が続いている。

罵詈雑言には、比較的耐性のある私ではあるが、そのバリエーションはすさまじく、ブスから始まる連想ゲームは連日「おばさんブス!」「上から目線ブス!」「絵が下手なブス!」「才能のないブス!」と、容姿+性格+技術+潜在的能力と、完全なる人格否定に向かっているから、匿名ってホント怖い。

さすがにブス!ブス!言われすぎてちょっと凹んだら、体重が1キロ増えたから言霊のパワーって恐ろしいなあと思うものの、冷静に立ちかえると、私の人生の大半は、“周り”の影響もあり、相対的なブスとしてくやし涙で枕を濡らして過ごした時間が長かったように思う。

“周り”とは誰のことかというと、私の家族のことである。

■美人の中に放り込まれた凡庸な私

私の家族は三姉妹。5人家族中4人が女という、超女系家族なのだが、これが身内褒めになって恐縮であるが、私を除きみんな“まあまあ”な美人なのである。

まず、母は、ザックリいうと萬田久子の顔をベースに、八千草薫の日本らしさをプラスした感じの美人である。おまけに健康食品とアンチエイジングの鬼なので、白髪がいい年齢なのにほとんどない。
長女は杉本彩にフィリピン人の血を混ぜた感じの、ややオリエンタル風美人。
三女は先日、川島海荷に似ていると言われていた。

萬田久子と杉本彩と川島海荷に囲まれる次女の私であるが、よく言われる似ている芸能人はズバリ北斗晶である。トホホ。
いや、まぁ北斗晶さんがブ……とは言わないけれど、萬田久子と杉本彩と川島海荷に挟まれる北斗晶歴が30年。

どうだろう皆さん、私がいつもなんかあるとオッパイ!いっぱい!みたいな奇妙なことを口走り、笑いに走る気持ちが、お分かりいただけただろうか?
笑いをとって、心で泣いているんだぜ!

って泣くなら勝手に泣けばって感じの顔面トークであるが、平凡な顔と厳しい環境下で過ごさなくてはいけない私は、大学生くらいからずっと1つのことを考えながら生きていた。

■美人風を手に入れて、人生明るく!

それは「美人にはならなくていいから、5人に1人が美人と勘違いするくらいの、美人“風”にはなれないものか?」と。

意外と冷静に考えて、「私が美人枠に入るには、造形の手直しが必要なレベルである」という判断を下し、だったら美人なんてハナから目指さないが、人生において容姿で損をすることがないレベルまでは自分をもっていこうではないか。そんな結論にいたり、作戦は決行された。

当時はまだSNSのない時代。1番参考にしたのは、『2ちゃんねる』である。

って美人になるために2ちゃんねるを使うあたりがもうブスっぽいのだが、当時2ちゃんねるでは“手っ取り早く美人にみせる方法”というノウハウが、色々議論されていた。

今も検索すれば出てくるので、興味ある方はぜひという感じであるが、簡単にいうと無駄な荒れ(肌荒れ、髪の傷み、歯の黄ばみとか)をなくし、毛先や爪の先、まつげなどの細部にまで手入れをし、姿勢よく所作を綺麗にする。それだけでなんと5割増し美人に見えるというミラクルノウハウだ。

そんな知恵をいただいた純粋無垢な私は、ちまちまと人生で始めての自分磨きを行った。
そしてすっかりその技を体得した頃、不思議なことが起き始めた。

なんと、モテ期がきたのである。

■人生初のモテ期。でも相手が…

しかし、モテるといってもおじさんとデブ系オラオラ男子と、外国人全般のみからモテるのである。私のストライクゾーンである綾野剛や椎名桔平や佐藤浩市のような男性は一人も寄り付かず、なぜか全く好みでは無い男性ばかりがフラ~と寄ってくるようになった。

ただおっさんでもデブオラ男子でも貰える好意はありがたいもので、あるとき調子に乗った私は、男性に聞いてみた。

面倒くさい女定番フレーズ第1位「ねえ、なんで私のこと好きになったの?」と。

そしたらあろうことか、一人のおっさんは「若い子にない安定感がある(特にお尻の大きさに)」といい、オラオラ系は「(俺でも)落とせそうだから」的な暴言をはき、外国人は「黒髪だから」というではないか。

泣いたね。私は美人ではなく、どこまで高めても美人風が限界。そんな私のどこが好きとか聞いて、あわよくば「かわいい」とか「美人」とか「君じゃなきゃダメ」という言葉を引き出そうとしていた自分の図々しい自意識に気づき、恥じ、泣いた。

それからというもの、私はもう自分の顔面については“損をしない程度に整える”という基準で生きているので、いろんな人からブスブスと言われても、「はいはい、ブスが偉そうなブスい文章書いて通ります」と流せるようになった。

これが私の顔面ストーリー。

女はみんな自分の顔面造形にあらがうか、諦めるか、恥をかくか、何かしらのストーリーをもっている。私はぼーっと生きていたら大切にされない顔面だからこそ、いろんな人を観察して分析する癖が生まれ、仕事に生かしているから結果オーライなのだが、もし次に生まれることがあれば絶対天然美人にしてくれ!と神様には定期的にお願いするようにしている。

そういえば最近ネットでは「ブスすぎてつらい!死にたい」と書いたりするのは、「そんなことないよ、可愛いよ!」と言ってもらいたいだけのフリであるというネタが流行っているらしい。

自撮りこそ晒しませんが、長々書いたこのブスエピソードを綴った私に、次にかける言葉が何か、みなさんおわかりだろうか?


【おおしまりえのキレイな悪口 ぜんぶ読む!】
vol.1 美人眉と女の友情に共通する“なんとなく”精神


おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト
10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」「ananWEB」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。
ブログ:http://oshimarie.com Twitter:https://twitter.com/@utena0518