【裏切り親友が脅迫!】「あんた、これまでの時間をどうしてくれるわけ?」

文・小阪有花 — 2016.10.12
ダイエットと保育の仕事、この2つをこなすことで、心の安定を少しずつ取り戻し始めた筆者・小阪。だが、そんな充実とも言える日々に暗雲をもたらす女の影が……。

【グラドルから保育園へ】vol. 26

ある女性からの呼び出し

ダイエットを開始し、保育の仕事にもやりがいを感じ始めたころ、特に友達もいなかった私だったが、ひとり、私に連絡してくる女性がいた。

彼女から声がかかると、私は必ずその人の元にいかなくてはならない。それをしなきゃいけない理由はなかったが、呼びだされたらいかなくてはならない、という事が当たり前になりすぎてそこに疑問を感じることはなかった。私を呼び出す人間とは、私に、「太ればいいよ!」とアドバイスをした女性。精神は崩壊し、すっかり彼女のマインドコントロールにかかっていた私は、彼女の言うことを聞くことは日常に組み込まれてしまっていた。

彼女は、最初は優しかったものの、私への態度は日に日に厳しくなり、ダイエットをはじめて精神的に安定を取り戻した私に容赦なく罵声をあびせるようになっていた。あるとき、例のごとく彼女に呼びだされると、もう1人小柄な女が立っていた。私が仕事で忙しくしていた間、女性には新しい友達ができていた。女性にべったりくっつく女は、昔共演したことがある女だった。

芸歴でいうと先輩で、同じ職業だったので、お互いすぐに存在は認識できた。「久しぶりー!」と明るく声をかけられた。私もそれと同じように対応する。しかし、愛想を振りまきながらも、女は私の変わり果てた太った姿を見て、「変わらないねー!」と満面の笑み。どこをどう見たって現役のころと全く異なる私の姿を、女は嬉しそうにみていた。

私を呼び出した女性は、「最近この子とよく一緒にいるの」と私にいってきた。女はニコニコしながら横につく。あんたはもういらないんだよ。と心の声がきこえてきた。「ん?何が起こっているの?」と、状況を全く理解できない私に、女性はため息を漏らしながらいった。「あんた最近使えないんだよね。言われたとおり太らないし、やりきれないし。最近呼び出しても仕事だからって来られない日続きだし。あんたいったい何したいわけ?」

軌道に乗り始めた私を彼女が脅かす

突然の言葉に唖然とした。確かに最近呼び出されても行かれなかったけれど、それは仕事だから仕方ない。むしろ、ヘトヘトになりながら会いに行った日だって何度もあった。何よりも、言われたことは全部こなしてきた。その結果、得られたものは喪失感のみだった。絶望と悲しみの果てに死すら考えた。なのに、そんな時間をまるで全部なかったかのように話してきた。

精神も最近では安定したといっても、つい何か月か前には何もかもなくしている。そんな私が、未来のことなんて考えられるわけがない。「あんた何がしたいわけ?」。そんなことを聞かれても、答えられない。今はただ生きようとしているだけだった。絶望の果て、何も期待しないし望まないと誓った私には、その質問は重すぎた。「今は静かにしていたい」と答えると、横の女は突然激怒した。

「はぁ?! あんた今までどんだけこの人に世話になったの?! いろいろ助けてもらっておいて、静かにだ? なめてんの?」喧嘩越しで責められる。今の私なら、このまま、売られた喧嘩を返す元気もあったが、このころの私は、誰かに責められることに恐怖を感じていた。まるで生きることなんて許されないと言われているみたいに、どんなに理不尽な言葉でも、私を壊すのは容易かった。

「言われたこともやり通せないなんて、あんたこんなんで人生うまくいくとでも思っているの?」女の言葉に返す言葉もみつからない。「第一、あんたのために今まで考えてきてやったのに、これまでの時間をどうしてくれるわけ?」質問攻めに頭がついていかなかった。胸に空洞ができたみたいだ。スースー息が抜けていく感覚に寒気と蒸し暑さが同時にくる。変な汗が出てくる。吐きそうだ。動けない、口も開かない。目を合わせることも怖くてできない。なんでこの女性は、ここまで私を攻撃する?なぜ隣の関係ない女に私は敵意を向けられている? 思考が全くついてこないまま、その日から、この2人の手により、私の精神は再度崩れていった。


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こさか ゆか/保育園プロデューサー
ただいま長年の夢だった絵本作家になるため、クラウドファンディング(12月28日まで)に挑戦中です。テーマは「子どもの心に寄り添える絵本を作りたい」。ご支援よろしくお願いいたします。 https://faavo.jp/tokyo23/project/3316 リバイバルミーティング代表。チャイルドカウンセラー、家族療法カウンセラー、幼児食インストラクター、ベビーシッター資格習得。 2004年ミスマガジングランプリを獲得し芸能界デビュー。グラビアアイドルとして活躍後、2009年に引退。現在は子どもの心スペシャリストとして活動中。