女子を襲うていねいな暮らしマジック。

2015.8.22 — Page 1/5
朝から晩まで仕事にかかりっきりでいると、肌はパサパサ、心はカサッカサ。うるおい不足とともに妙齢女子が次々とハマるウワサの「マジック」とは?

anan_bana 仕事に美容に恋愛に、女の人生ってけっこー大変! 私はこのままでいいのかな? 幸せになれるかな? そんなモヤっとした悩みを浄化し、毎日がもっと楽しくなる痛快エッセイを、毎週土曜日お届けします。

朝から晩まで仕事にかかりっきりでいると、肌はパサパサ、心はカサッカサ。うるおい不足とともに妙齢女子が次々とハマるウワサの「マジック」とは?


【恋愛はしたいけれど1mmも傷つかずに生きたい】vol.5

 ある日突然ものすごい渇望感とともに“ていねいな暮らし願望”が女を襲う。それは「ヤタロウマジック」と私の中では呼んでおり、名前の由来はもちろん、「暮しの手帖」元編集長で憧れる人物の一人、松浦弥太郎さんから勝手に名付けたもの。仕事でくたくたなのに、無性にお菓子が作りたくなったり、そして深夜2時なのにマフィンを焼いてみたり、さらりマフィンに合うジャムを、三温糖でこっくり煮込みたくなったり、片付けていたら、洗剤ではなく重層で掃除がしたくなったりと、どこまでもていねいさと質の高い生き方を求め始めたら重症だ。

 ちなみに私の毎日は、例に漏れず乾いている。部屋こそ綺麗にしているけれど、台所のキレイさは久しく料理をしていない証しであり、近所のガストの店員さんとは、もはや「お疲れさまです」と声を掛け合う仲だ。便利で効率的で快適な生活だけど、女として生きる日々がこれではと、疑問を感じて弱気になるときもある。

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