主演マイケル・ファスベンダーが語る話題作『アサシン クリード』の魅力!
ミステリー・アクション大作『アサシン クリード』!
【映画、ときどき私】 vol. 79
記憶をなくした死刑囚のカラム・リンチは、ある財団のリハビリ棟に連れて来られていた。そこで、アニムスと呼ばれる遺伝子操作の装置に繋がれ、DNAに眠る記憶を呼び覚まされていたが、その目的は祖先の記憶を追体験させること。
なぜなら、カラムの祖先であるアギラールは、ルネサンス期のスペインでテンプル騎士団に立ち向かうアサシン教団に属していた伝説のアサシンだったのだ。この2つの勢力の間では、人間の自由意志を支配できる禁じられた秘宝 “エデンの果実” を巡る壮絶な戦いが繰り広げられていたが、現在と過去を行き来きするカラムに託された運命とは……?
本作は、全世界でシリーズ累計9600万本以上を売り上げたという有名なゲームをもとに実写化された作品ですが、あまりゲームに詳しくない人にとっては、まだまだ未知な部分も多いはず。
そこで、そんな “アサシンクリード初心者” の女子でも楽しめるように、この作品に隠された秘密を探っていきたいと思います。そこで今回は……。
主演&プロデューサーを務めたマイケル・ファスベンダーに直撃インタビュー!
『SHAME -シェイム-』や『スティーヴ・ジョブズ』などで、数々の映画賞にもノミネートされてきたハリウッドきっての実力派俳優マイケル・ファスベンダー。
映画のPRとして来日するのは今回が初めてですが、実は最近になって俳優業をしばらく休止すると宣言しており、「もしかして、これが俳優としては最初で最後の来日!?」とまで噂されているほど。そんな超貴重な時間のなかで、本作の見どころを直接お伺いしてきました!
まず、本作で引き込まれるのは、何といっても驚異のアクションシーンの数々。今回は、リアルを追求するため、CGには頼らずほとんどが実写で行われており、ファスベンダーも戦闘シーンの95%は自身で演じたそう。
撮影で一番大変だったことは?
ファスベンダー すべてのアクションを同時にやっていかなければならなかったから、撮影前の限られた期間で、何度も繰り返し練習して準備していったんだ。なかでも、2回目に追体験するところでは、ものすごく天候が暑いなかで火も使ったし、鎖に繋がれながら闘うといういろいろな要素があったから、あそこが一番きついシーンだったかな。
あとは、古い街を閉鎖して撮影していたんだけど、屋根の上を使ったり、許可を取ったりするのが難しかったりと、準備も大変だったよ。でも、監督はどうしてもロケでリアルに撮影するというのにこだわっていたので、僕もそれに同意したんだ。
今回のアクションのなかでも、大きな役割を果たしているのが、「アニムス」という巨大な装置。その迫力には思わず目を見張りますが、実はここがゲームとは大きな違いであり、映画版ならではのポイントでもあるとのこと。
アニムスのシーンでこだわったところは?
ファスベンダー 僕たちにとって一番大きなチャレンジだったのは、このアニムスなんだ。というのも、ゲームのなかではただイスに座るだけですぐに追体験できるようになっているんだけど、そうするとカラムがすごく受け身の存在に見えてしまうからね。
でも、映画では現代と過去という2つの時空を見せたかったし、できるだけ肉体を通してでもカラムにアギラールとの体験を体現できるようにしたかったんだ。だから、僕は最初に「水槽のような液体のなかに入って追体験する」という意見も出したんだけど、もっといいアイディアがあっていまの形になったんだよ。
DNAに祖先の体験や記憶が含まれているというストーリーにも惹かれたと話すファスベンダーですが、そういうことに興味を持つきっかけや経験などがあったのか聞いてみました。
ご自分も祖先の影響を感じることはありますか?
ファスベンダー 前から遺伝子に特別興味があったというわけではないけれど、自分の祖父や祖母からは実際にいろんな話を聞いていたから、影響を受けていると思うよ。いまだに仕事でもプライベートでも、何か自分が迷ったときには亡くなった人も含めて祖先に祈ることもあるし、やっぱり存在を感じているかな。
ただ、DNAや遺伝子のことを考えると、もしかしたら過去にはチンギス・ハンとかに繋がっているかもしれないしね(笑)。それに、「世の中の人たちの60%は繋がっている」なんて話もあるくらいなので、そこまで深くは考えてなかったよ。
では、今回のキャラクターを演じたいと思った理由は?
ファスベンダー この作品の場合は、まずゲームの持つ宇宙観や世界観に惹かれたんだ。最初に話を受けたときは、まだ脚本がなくて、ゲーム会社が説明してくれたんだけど、DNAの記憶というのに興味を持ったよ。それに、ファンタジーの世界観のなかでも、「もしかしたら可能かもしれない」と思わせる部分やテンプル騎士団とアサシン教団との対立というのがドラマを生むと感じたんだ。
あと、もとをたどれば最初のアサシンはアダムとイブであって、エデンの園からずっと続いているというのもおもしろいと思ったし、アニムスはタイムマシーンのようなものでもあるし、アクションにはパルクール(街中の柵・壁などの障害を走る・飛ぶ・登って超えるスポーツ)も含まれているし、とにかくいろんな映画的要素が楽しめるから参加したいと思ったんだよ。
1人2役を演じてみてどうでしたか?
ファスベンダー 役作りに関しては、監督との共同作業だったけど、脚本が最初はなかったから、ワークショップをしたりしながら脚本家と一緒に役を作り上げていったよ。現場でも常に監督と確認しあったり、アイディアを出しあったり、いろんなことを試したりして、肉付けしていったキャラクターなんだ。
ちなみに、初めてプロデューサーも務めましたが、今後やってみたいことは?
ファスベンダー 今回はこの世界観に圧倒されて、俳優だけではなく、自分の制作会社も共同制作することを条件として参加したけど、今後も映画を制作する予定だし、いつの日か必ず監督にも挑戦したいと思っているところだよ!
インタビューを終えてみて……。
さすが “世界で最も美しい顔 100 人” の 1 位に輝いたことがあるだけあって、優しい笑顔で見つめられただけで、体が溶けるかと思うほど、思わず胸が熱くなりました(笑)。
才能あふれる方なので、どんな作品で監督デビューを果たすのかはもちろん楽しみではありますが、ファンとしては、今後もぜひスクリーンでその “美しすぎる顔” をたくさん観たいなという思いでいっぱいです。
この作品に関しては「続編の可能性もあるかも」と教えてくれましたが、日本好きを公言してくれているファスベンダーだけに、そのときはまた来日してくれるのを心待ちにしたいと思います!
壮大な “迷宮” へと一緒に潜り込む!
俳優やスタントマンたちが体を張って作り上げたシーンは迫力の連続。なかでも高さ約37mからワイヤーなしでジャンプするシーンは鳥肌モノなので、ぜひスクリーンで体感してください! 興奮のあまり、あなたのなかに眠っていた祖先の遺伝子も騒ぎ出すかも!?
52秒で『アサシン クリード』が予習できる映像はこちら!
作品情報
『アサシン クリード』
3月3日(金)より3D/2D全国ロードショー!
配給:20世紀フォックス
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