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志村 昌美

いま観るべき理由がここに! 日米豪華キャストとスタッフによる渾身作『沈黙-サイレンス-』!

2017.1.22
いまや、多くの日本人俳優たちが世界を舞台に活躍しており、映画界でもボーダーレス化が進む今日この頃。そんななか、話題のハリウッド大作では、日米の豪華共演がついに実現! 世界でも20カ国以上で翻訳されている日本が誇る遠藤周作の名作を映画化した作品といえば……。

いまや、多くの日本人俳優たちが世界を舞台に活躍しており、映画界でもボーダーレス化が進む今日この頃。そんななか、話題のハリウッド大作では、日米の豪華共演がついに実現! 世界でも20カ国以上で翻訳されている日本が誇る遠藤周作の名作を映画化した作品といえば……。

巨匠マーティン・スコセッシがおくる待望の最新作『沈黙-サイレンス-』!

【映画、ときどき私】 vol. 69

17世紀の江戸初期。長崎では、幕府によって厳しいキリシタンの弾圧が行われていた。一方、日本で捕らえられた高名な宣教師フェレイラの行方を探るため、弟子のロドリゴとガルペは日本に向かうことを決意する。

そして、マカオで日本人のキチジローと出会い、ともに長崎へとたどり着く!

彼らは想像を絶するような現実を目の当たりにすることになるが、そこで弾圧を逃れた隠れキリシタンと呼ばれる日本人たちと出会い、交流を深めることに。しかし、取り締まりは彼らの身にも刻一刻と迫っていた。本当に守らなければいけないのは信念か、それとも目の前の命か……。

そこで、スコセッシ監督と本作に出演した窪塚洋介さんと浅野忠信さんによる記者会見を取材!

昨年来日した際にお話をお伺いしてきましたが、監督は原作を初めて読んで以来、28年間もこの作品の映画化を胸に秘めてきたとのこと。その情熱はスクリーンを通してでも伝わってくるほどですが、その気持ちを受け止めた俳優陣の熱演にも思わず圧倒。まもなく発表されるアカデミー賞にもノミネートされるのではないかとも言われており、期待が高まるところです。

日本文化からも影響を受けているという監督ですが、「私は元々カトリックの家庭で育ったので、遠藤周作さんの作品にも興味を持ち続けてきました。今回、なかでも意識しているテーマは、文化の違いや衝突、そして『信じることとは何か?』ということです。この映画については語りつくせないほど言いたいことがあるので、まずは作品をご覧頂きたいと思います」と作品への思いを伝えてくれました。

「夢のような時間と最高の経験をさせて頂いた作品です。監督はメラメラとした情熱を持って映画に向き合っている方なんだと初日から感じました。楽しんでくださいという類の映画ではありませんが、みなさんに何か心に残るものができたらいいなと思っています」と語るのは、オーディションで役を勝ち取り、ハリウッドデビューをはたした窪塚さん。

さらに、キチジロー役については、「みんなの代表のような人間くさい役でしたが、いろんな感情を表現することができ、楽しかったです。本作は答えを押しつけてくることのない懐の深い作品だと思うので、そのなかで作品を象徴するような人の弱さを表す役を演じられたことは光栄でした」とも振り返っていました。

また、通訳役の浅野さんは、「今回、この仕事を頂いたときには、『こういうチャンスが自分のところに来たんだ』とびっくりしましたが、大きなチャレンジだったので、とてもうれしかったです」とコメント。

さらに、「オーディションで初めて監督にお会いしましたが、その1日が本当におもしろかったですね。というのも、お互いに心で感じる瞬間があったからですが、それは撮影中も同じで、監督は僕たち役者の奥にある何かが出る瞬間を常に期待して待ってくれていたように思いました。そういう時間を共有できたことは僕にとって宝物です」と現場の様子などを話してくれました。

ポルトガル人宣教師役には豪華ハリウッド俳優も集結!

本作に出演しているのは、『アメイジング・スパイダーマン』のアンドリュー・ガーフィールドと『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のアダム・ドライバー、『シンドラーのリスト』のリーアム・ニーソン。これまでのイメージを持っている人には、まるで別人のように映るかもしれませんが、彼らのこの作品にかける気迫も伝わってくるはずです。

そのほか、唯一無二の存在感を放つイッセー尾形さんや体当たりの演技に胸が締め付けられる塚本晋也さん、小松菜奈さん、加瀬亮さんなど、日本を代表する実力派俳優たちも揃って出演。さまざまな日本人俳優も随所に登場しているので、隅々までお見逃しなく。

知られざる歴史に触れることができる!

踏絵や隠れキリシタンなど、どれも社会科の授業で聞き覚えのあるものばかりですが、教科書に書かれた数行の裏で一体なにが起きていたのかという事実を知らない人は多いはず。そのなかでも、今回の大きなテーマのひとつは、普段あまり語られることのない信仰について。

私は留学していたときに、たびたびこの信仰の問題に直面し、日本では思いもしなかったことを考えさせられたこともありました。なぜなら、私の海外の友人にはイスラム教もユダヤ教もキリスト教もいますが、彼らがいかに信仰と真摯に向きあっているかを自分の肌で感じてきたからです。

なかでも、あるフランス人の友達が「もし私が何か事件を起こせば、フランス人女性としてではなく、イスラム教徒の女性が起こした事件と報道されてしまうのだと思う」と悲しそうに話していたことがいまでも忘れられないのですが、それだけ信仰が抱える光と闇の問題はいつの時代も変わることがないのだということでもあります。

違いを受け入れることから始める!

「信仰している宗教は特にない」と話したときに、「神さまはいないと思うの?」とか「死んだらどこに行ってしまうと思うの?」と彼らにとって純粋な疑問を投げかけられて、答えにつまったこともありました。

でも、国が変われば考え方が違うことは当たり前のこと。そんなときこそ相手を否定することなく、お互いの異文化を認め合えれば、いつの時代も世界が抱えている問題のひとつである宗教による偏見や衝突もなくなっていくはずなのです。

日本人として感じるべきことは?

結婚式を教会で挙げながらお葬式はお寺で行い、クリスマスを祝った1週間後には初詣に行くことが多い私たち日本人にとっては、この作品に描かれている信仰心に共感することは難しいかもしれないですが、「自分は何のために生きているのか?」、そして「自分が信じているものとは何か?」という問いは、誰の胸にも響くはずです。

湧き上がる思いを噛みしめる!

そして、私が海外で一番恥ずかしいと感じる瞬間は、日本人なのに日本の文化や歴史を知らないと気がついたとき。他国を知ることで自国が見えてくるように、他者を理解するには己を知ることから始めるべきなのです。

いよいよ、アメリカではトランプ新大統領も誕生し、私たち日本人もより世界に目を向けざるを得ない2017年において、まさにいま観るべき映画のひとつ。日本人以上にこの作品に思いを込めているスコセッシ監督の目を通して描かれた日本の姿を知ることで、こみ上げてくる思いを感じずにはいられないはずです。

思わず言葉を失う予告編はこちら!

作品情報

『沈黙-サイレンス-』
1月21日(土)より全国ロードショー
配給:KADOKAWA
©2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.

http://chinmoku.jp/

この記事を書いた人

志村 昌美
記事数:129 Posts

映画宣伝マンを経てライターに転向し、海外ニュースや映画紹介、インタビューなどを中心に執筆。この連載では、新作映画を紹介しつつ、自身の体験談と主観満載でお届けします。 また、イタリアとイギリスへの留学経験から、現在は日・英・伊・仏のマルチリンガル目指して猛勉強中! 日々試写で観る新作の感想など、随時つぶやいてます♪ https://twitter.com/masamino_19