田代 わこ

【あの“傑作”が来日中!】今しか見られない和モダン・アートが集結!『鈴木其一 江戸琳派の旗手』

2016.9.30
六本木の東京ミッドタウン内にあるサントリー美術館で、現在『鈴木其一 江戸琳派の旗手』展が開かれています。展示されているのは、江戸後期の作品ばかり。なのに、とってもおしゃれでクールなのです。しかも、今しか見られない傑作も、アメリカから来日中! 和モダン好きにオススメの展覧会をご紹介します。

『鈴木其一 江戸琳派の旗手』とは?

【女子的アートナビ】vol. 39

本展は、江戸時代後期に活躍した画家、鈴木其一(すずき きいつ)の大回顧展です。彼の初期から晩年までの作品が一堂に集まるのは、今回がはじめてとのこと。さらに、海外から里帰り出品された傑作や、初出品作品などすべてがそろうのは、今ココだけ。ファンならずとも見逃せない展覧会です。

ざっくり其一

鈴木其一(1796~1858)のお師匠さんは、酒井抱一(さかい ほういつ)。江戸時代初期に京都ではじまった芸術様式「琳派」を江戸で再興した抱一は、「京都琳派」よりも写実的でおしゃれな作品を描き、「江戸琳派」と呼ばれました。

そんな抱一の一番弟子が、鈴木其一。師匠よりもさらにダイナミックな作品は、デザイン的にも美しく、今の時代に見ても斬新。近年、国内外で再び注目を集めている画家のひとりです。

超オススメは朝顔!

この展覧会で必見中の必見は《朝顔図屏風》。「Oh! ワンダフル!」と外国人観光客がつぶやいていましたが、本当に実物を見てください。すばらしい作品です。

《朝顔図屏風》鈴木其一筆 六曲一双のうち左隻 江戸時代 19世紀 アメリカ・メトロポリタン美術館
©The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY
《朝顔図屏風》鈴木其一筆 六曲一双のうち左隻 江戸時代 19世紀 アメリカ・メトロポリタン美術館 ©The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY

金地に青緑の朝顔が咲き誇っているのですが、そのデザインが実にお見事! 朝顔といえばつる植物ですから、支柱に巻き付いている姿が一般的ですが、人工的な柱などはいっさい描かれていません。でも、朝顔の特徴をとらえた動きが表現されているので不自然さはなく、構図も抜群。ずーっと眺めていたくなる作品です。

《朝顔図屏風》鈴木其一筆 六曲一双のうち右隻 江戸時代 19世紀 アメリカ・メトロポリタン美術館
©The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY
《朝顔図屏風》鈴木其一筆 六曲一双のうち右隻 江戸時代 19世紀 アメリカ・メトロポリタン美術館 ©The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY

《朝顔図屏風》は、アメリカのメトロポリタン美術館が所蔵しています。なので、里帰り出品。本展覧会は、兵庫や京都にも巡回しますが、この作品はサントリー美術館でのみ出品されるので、今ココでしか見られない傑作です。今度いつ会えるかわからないので、私は何度でも通います!

サントリー美術館の入館フリーパスも持っています♪ これはとってもお得で、パスの所有者のほかに同伴者1名も無料で見られるのです。パスは、サントリー美術館メンバーズ・クラブに入会するともらえます。年会費は5,000円。メンバーズ内覧会があったり、美術館ニュースがもらえたりと、特典もいろいろあります。
サントリー美術館の入館フリーパスも持っています♪ これはとってもお得で、パスの所有者のほかに同伴者1名も無料で見られるのです。パスは、サントリー美術館メンバーズ・クラブに入会するともらえます。年会費は5,000円。メンバーズ内覧会があったり、美術館ニュースがもらえたりと、特典もいろいろあります。

鳥さんたちもモダン♪

其一が描くと、鳥さんたちもモダンです♪ 例えば《群鶴図屏風》では、鶴の首がそれぞれ別のほうを向き、細長い足も絶妙に重なり洗練された構図になっています。

《水辺家鴨図屏風》鈴木其一筆 六曲一隻 江戸時代 19世紀 細見美術館 【展示期間:9/10~10/3】
《水辺家鴨図屏風》鈴木其一筆 六曲一隻 江戸時代 19世紀 細見美術館 【展示期間:9/10~10/3】

一方、《水辺家鴨図屏風》はちょっとユニーク。すらりと美しい鶴と違い、あまりモチーフに使われないアヒルがモデルになり、表情豊かに、しかも結構リアルに描かれています。図版ではわかりづらいですが、水かきの部分などはかなり写実的でした。

実は、館内も和モダン♪

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サントリー美術館、実は館内のデザインもとってもおしゃれなんです! それもそのはず、設計したのは、かの有名な建築家、隈研吾さん。東京オリンピックで使われる新国立競技場をデザインしたことでも知られていますよね。この美術館は、「和のモダン」が基調になっているとのことで、木や和紙などの和素材が使われているそう。しかも、床材の一部はウイスキーの樽材が再生利用され、人にも自然にもやさしい空間になっています。

和モダンな雰囲気たっぷりの展覧会は、10月30日まで。

Information

会期:~10月30日(日)※休館日は火曜日 ※会期中、展示替を行います。
時間:10:00 ~ 18:00(金・土および10月9日(日)は20時まで、10月22日(土)は[六本木アートナイト]のため22時まで開館) ※入館は閉館の30分前まで
会場:サントリー美術館
料金:一般 1,300円/大学・高校生 1,000円/中学生以下無料

※画像無断転載禁止

http://www.suntory.co.jp/sma/index.html