【松岡茉優さんに直撃!】大切な人に想いを伝えたくなる感動作!映画『聲の形(こえのかたち)』!
「このマンガがすごい!2015」で第1位に輝いた話題作『聲の形』!
【映画、ときどき私】 vol. 52
ガキ大将として、クラスでも一目置かれていた小学6年生の将也。そんなヤンチャな将也の前に現れたのは、転校してきたばかりの硝子だった。無邪気な好奇心から、硝子に興味を持つようになった将也だったが、ある出来事をきっかけに2人はわかりあえないまま、離れ離れになってしまう。
5年の月日が流れ、高校生となった将也は硝子と再会!
バラバラになっていた同級生たちも徐々に集まり、止まっていた時間も少しずつ動き始めていた。そんな2人の関係や世界は、昔とは変わったように思われていたが……。
と、続きが気になる人も多いかと思いますが、本作をより楽しんでもらうために、今回は重要な役どころを演じたある方にお話を伺ってきました。なんと……。
少年時代の将也の声を担当した若手実力派女優の松岡茉優さんにインタビュー!
現在、映画だけでなく、テレビやCMなどでも大活躍中の松岡さん。忙しい合間を縫ってでも欠かせないのが、「マンガを読むこと」というくらい大のマンガファンで、男性コミックから女性コミックまで幅広いジャンルを手に取るそう。『聲の形』の原作も今回声優に挑戦する前からチェックしていたとのこと。
完成した作品を初めて観たときの感想は?
松岡さん すごく期待値が高かったんですけど、それをはるかに超えるような映像でしたね。もともと原作が好きだった人も、知らなかった人も、新しい作品として楽しんでもらえるようになっているなと思いました。
この作品に出演が決まったときの気持ちはどうでしたか?
松岡さん 事前に山田監督とお話する機会を頂いたのですが、監督が私のことを前から好きでいてくださったみたいで、「将也の少年時代はこの人で!」とおっしゃってくれたそうなんです。それだけで涙が出るくらいうれしくて……。
声優と俳優は別だと思っていたので、アニメーションの監督さんが俳優の私に声をかけてくれたというのを聞いて、「今までやってきて本当によかったな」って思いました。
本作では、松岡さん以外は声優の方々しかキャスティングされていないということもあり、喜びとともにプレッシャーも大きかったはず。しかも、現在21歳の松岡さんが演じた役は、なんと小学6年生の男の子。
性別も年齢もまったく違う役の声を演じることへのとまどいは?
松岡さん 今回は「小学6年生の男の子の役が自分に来たんだ」という気持ちに切り替えて、映像でも演じられるくらい将也と向き合おうと思ってやったので、新しい体験ですごく楽しかったですね。
普段の俳優業のときと変わらない役作りをしたことで、将也をすごく理解できた気がしているし、何よりもこの役を愛せていると思います。
この作品では、「声優と俳優という仕事に繋がる架け橋の兆しが見えた」という松岡さん。声だけで芝居をすることが、俳優業にも確実に活きてくると感じたそう。
役作りをする上で、意識したところはありましたか?
松岡さん みんな小学生時代にガキ大将みたいな子っていたと思うんですけど、私もクラスにいたガキ大将たちの喋り方とかを、「こんな言い方してたな」とか思い出しながらやりました。
私も小学校時代は、そういう男の子たちに負けないくらい外で走り回って遊んでいたので、将也のグループにいそうな女の子という感じでしたね。
本作には個性豊かなキャラクターたちが次々と登場しますが、なかなか一歩を踏み出せない彼らと同じような思いを経験したり、身に覚えがあると感じたりする人も多いと思います。
ご自分と似ていると感じた部分はありましたか?
松岡さん 私は逆に即行動するタイプですね。なので、もしこのキャラクターたちの中に私が入っていたら、まったく別の物語になったんじゃないかと思うくらいです。
違うと思ったらすぐに伝えるので、それでよくケンカしたりもするんですけど。(笑) でも、そう言ったからこそ、相手からも「いや、そうじゃない」と言い返してもらえたりするので、やめようとは思わないですね。
そんな風に相手ときちんと向き合って行動する松岡さんの姿勢は見習いたいところですが、一方でこの作品から学ぶことができるのは、一瞬で立場が変わってしまったり、ひとつの出来事で絆が深まったりする人間関係の怖さと面白さ。
特に、若いときからお仕事をされている松岡さんは幅広い年代の方やいろんな人とのお付き合いがあり、感じることも多いはず。
人間関係で大事にしていることは?
松岡さん 「苦手」はあっても、「嫌い」というのはやめようと思うようにはしています。どうしても生理的に合わない人とかもいるかもしれませんが、それだけで嫌いになるのってすごくもったいないし、覚悟のいることだなと思って。
自分もそう思われたらイヤなので、「言い方がちょっと苦手だな」と思っても、すぐに「あの人は嫌い!」ってならないようにしようと心がけています。
あとは、やっぱり見た目なども気にしたりすると思うんですけど、外見だけを見てこの人は怖い人かな、とかそういうことは考えないようにしていますね。
メジャーな作品ではありますが、普段あまりマンガやアニメを観ないタイプの女子もananweb読者にはいるので、改めてお伺いしたいと思います。
本作のオススメポイントを教えてください!
松岡さん いままで生きていて、「私は後悔することがありません!」って人は多分いないと思うんです。みなさん、「あれをこうしておけばよかった」とか「あの人にちゃんと伝えればよかった」とかいろいろありますよね。この作品は、そんな誰にでもある苦い思い出のようなものと向き合えて、清算してもらえる作品だと思います。
観たあとは、人を許すことができて、自分も許すことができるので、周りにいる人が知らない人でも、その人のことまで愛せてしまうような感覚になるとても愛に溢れた映画です。
松岡さん ちょっと疲れたなという人は、優しい気持ちで帰ってもらえたらいいなと思いますし、ちょうど暑い夏を乗り越えた時期だと思うので、素敵な秋冬を迎えられるように、気分転換やリフレッシュをかねて、京都アニメーションさんが作り出す光と音と風の素晴らしさをぜひ劇場で感じてください。
いろんな思いを抱えているのは、自分ひとりじゃない!
アニメという垣根を越えて、誰もが魅了されてしまうのは、不器用ながらもまっすぐなキャラクターたちだからこそ。そんな彼らと一緒に泣いたり、笑ったりしながら、自分のなかに閉じ込めてきた思いに耳を傾けてみては? 観終わったあと、あなたの心の中にも聞こえる “聲” がきっとあるはずです。
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作品情報
映画『聲の形』
9月17日(土)、新宿ピカデリー他全国ロードショー
配給:松竹
©大今良時・講談社/映画聲の形製作 委員会
http://koenokatachi-movie.com/
写真:加藤 淳
ヘアメイク:服部さおり
スタイリスト:大内悠子
ブランド名:ふりふ
問合せ先:03-3464-5159 (ふりふ渋谷店)
http://furifu.com/