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志村 昌美

“現代のおとぎ話” として話題!『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』監督にインタビュー!

2016.5.31
今年の4月に生誕90周年を迎え、大きな話題となったのは、誰もが知っているイギリスのエリザベス女王。現在、イギリス史上最高齢・最長在位を誇り、まさにイギリスのシンボル的存在ですが、王女時代の知られざる “ある出来事” がいま脚光を浴びているようです。名作『ローマの休日』はここから生まれたともいわれているエピソードを映画化したのは……。

今年の4月に生誕90周年を迎え、大きな話題となったのは、誰もが知っているイギリスのエリザベス女王。現在、イギリス史上最高齢・最長在位を誇り、まさにイギリスのシンボル的存在ですが、王女時代の知られざる “ある出来事” がいま脚光を浴びているようです。名作『ローマの休日』はここから生まれたともいわれているエピソードを映画化したのは……。

実話をもとにしたファンタジー『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』!

【映画、ときどき私】 vol. 37

1945年、5月8日。午前0時を過ぎれば、6年間続いた戦争もようやく終わりを迎える。国を挙げてのお祝いの夜、ロンドンも街中が活気にあふれていた。そのお祭り騒ぎに心躍らせていたのは、19歳のエリザベス王女と妹のマーガレット王女も同じだった。

そこで、父である国王の許しを得て、王女たちはお忍びで初めての外出を決行!

国民とともに外で歓喜の瞬間を迎えることになり、大喜びする2人。生まれて初めて、王女としてではなく “普通の女の子” として外の世界に繰り出すことに。しかし、付き添い役が目を離した隙にシャンパンで勢いづいたマーガレットが姿をくらましてしまう。妹の行方を追うため、ひとりで街に飛び出したエリザベス。それは、王女たちにとって忘れられない夜の始まりだった……。

なんと、今回はロンドンにいるジュリアン・ジャロルド監督にインタビュー!

本作の監督を務めたジュリアン・ジャロルド氏は、英国アカデミー賞やエミー賞など、数々の賞にノミネートされる経験を持つ、人間ドラマの名手として有名なイギリス人監督。そこで、本作が制作された経緯や日本でも人気のイギリスのロイヤルファミリーなどについてお伺いしました。

本作は、生誕90周年に合わせた企画ではなかったそうですが、偶然にもイギリスではエリザベス女王の誕生日の1週間前に封切られたという。

では、あえていまこの題材を選んだのはなぜですか?

監督 私は1945年という年にいつも興味がありました。というのも、この年は非常に大きな変化が起こった年だからです。そのなかでも特に、このヨーロッパ戦勝記念日の夜はユニークで、普段は慎み深いイギリス人も色んな感情を思いっきり外に出していたみたいなんですよ。いきなりプロポーズした人がいたり、全然知らない通りがかりの人にキスをしたり、いつもとは全然違う本当にクレイジーな夜だったそうです。

当時、王女だったエリザベス女王は、戦争の間はほとんど宮殿に閉じ込められていて、一般の人たちとのふれあいがなかったそうなので、そんな王女たちが変装して外に出たら面白いことになると思い、今回のテーマとして取り上げました。

このエピソードは、以前からイギリスでは有名だったのですか?

監督 実は誰も知らなかったんですよ! 私がこんな映画を作っていると言ったら、「まさか、そんなことがあったなんて……」というのが周りの人たちの反応でしたし、私自身もこの話を知ったときは「本当かな?」と思ったくらいでした。でも、この映画が封切られたことでイギリスではみなさんの知るところとなり、いまはすごく有名な事実となっています。ちょうど、女王さまが90歳になられたということもあって、みなさんの興味を引いたのかもしれませんね。

私も、以前ロンドンに1年半ほど住んでいたことがありますが、そのときに感じたのは、「日本と比べて、国民とロイヤルファミリーとの距離感が近い」ということでした。

エリザベス女王やロイヤルファミリーが愛されている理由は?

監督 まず、エリザベス女王の父親であるジョージ6世は、素晴らしい国王ではありましたが、非常に昔ながらのやり方でしたし、あまり人とは会いたがらなかったこともあり、国民からは離れた存在でした。

それもあって、エリザベスが女王になったときには、父親とは違うやり方で、もっと国民に近づいて愛情や絆を持とうとしたんです。なので、エリザベス女王というのはとても人気がありますし、90歳となったいまなお国民も大好きなんです。

ちなみに、エリザベス女王はこの作品をご覧になりましたか? 

監督 女王さまは秘密主義で、あまりコメントをおっしゃらないので、ご覧になったかどうかわからないですね。普段、政治やいろんなことから離れて、自分の意見は言わないというスタンスを貫いているんですが、それが彼女の人気の秘訣でもあると思います。

緊張はしますが、もしまだ観ていなければ、ぜひ観て頂きたいです! 願わくば、この映画を観ながら昔を思い出して楽しんで頂ければと思います。どういう反応をなさるか怖いですけど、映画の最後のシーンには笑顔を見せて頂けるといいですね。

今回、本作の制作にあたって、最大の難関といえば、「エリザベス女王を誰が演じるか」ということだったという。そして、難航したオーディションを経て、最終的に選ばれたのは、「世界で最も美しい顔ベスト100」に4年連続で選ばれたこともある若手女優のサラ・ガドン。しかし、イギリス国民にとって特別な存在であるエリザベス女王をカナダ人が演じるということに対して、当然周りからの反発などが気になるところ。

実際、イギリスでの反響はどうでしたか?

監督 まず、キャスティングは本当に大変で、ほとんどのイギリス人の女優に会ったと言ってもいいほどでした。ただ、「あんなに有名な女王さまの若い頃を演じるのに間違ってはいけない」とみんな怖がっていたのかもしれませんね。

そんなときにサラと出会い、イギリスの発音もしっかりしているし、エリザベス女王が若いときから持っている責任感や品の良さも持っていたので、パーフェクトだと思ったんです。ところが、オーディションが終わってからカナダ人だとわかって、「イギリス人の女王をカナダ人にやらせていいものか」と実は悩みました。

監督 ただ、彼女のおじいさんとおばあさんがあの日の夜にトラファルガー広場で一緒にお祝いしていたというのを聞いて、それならいいかなと思ったんです。確かに映画を観る前には、批評家の人たちのなかで心配していた人もいました。でも、映画を観たあとは、彼女の発音も素晴らしいし、1945年代の雰囲気もよくでているし、女の子が女性になって、女王になっていく様子がよくとらえられていると評価されたんですよ。

現代ではありえないハラハラドキドキでいっぱい!

70年前と現在で大きく違うことといえば、スマホやインターネットで事前にさまざまな情報や行ったことない場所でも知ることができたり、はぐれた人を簡単に見つけられたりすること。そのため、エリザベスやマーガレットに比べて、いまの若い人たちは新しい世界への好奇心や感動が薄れてしまう部分もあるかもしれません。

しかし、そんな現代では感じられない冒険や恋愛のドキドキ感を味わえるのが本作。女子なら一度は憧れたことのある王女さまたちと一緒に “秘密の夜遊び” に出かけてみませんか?

作品情報

『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』
6月4日(土)、シネスイッチ他全国順次公開
配給:ギャガ
©GNO Productions Limited

http://gaga.ne.jp/royalnight/

この記事を書いた人

志村 昌美
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映画宣伝マンを経てライターに転向し、海外ニュースや映画紹介、インタビューなどを中心に執筆。この連載では、新作映画を紹介しつつ、自身の体験談と主観満載でお届けします。 また、イタリアとイギリスへの留学経験から、現在は日・英・伊・仏のマルチリンガル目指して猛勉強中! 日々試写で観る新作の感想など、随時つぶやいてます♪ https://twitter.com/masamino_19