花田 浩菜

【私たちに影響は?】日銀が発表した『マイナス金利』って、何?

2016.4.8
日銀がマイナス金利導入を発表して以来、ニュースでは「マイナス金利が〜」という話題がグンと増えましたね。難しい事はよく分からないにしても「なんだか良くなさそう!」と、その名の通り、マイナスなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。果たして、私たちへの生活に影響はあるのかどうか。『マイナス金利』についてお話します。

そもそも、『マイナス金利』って?

【はぴマネレッスン】vol.25

何となく分かっているような、いないような……。『マイナス金利』について、まずはおさらいしてみましょう。1月29日に導入が発表され、今でも影響が広がっている『マイナス金利』とは、日本銀行、つまり「銀行がお金を預ける銀行」が、お金を預けておくことに対してマイナスの金利を導入することにした政策です。言い換えれば、お金を預けるとお金がかかるようになった、ということ。「預けるのにお金が掛かるなら、預ける事を止めてもっと市場にお金が出回るようになるのでは!」ということを狙ったもので、つまりは「景気が良くなれ!」という意味合い(かなりざっくりですが)で導入されました。

日本銀行は普段私たちが直接お金を預けたり、やり取りをする銀行ではないため、直接的な影響があるワケではありません。ですが、各銀行はお金を預けるとお金が減ってしまうので、今までとは違うアクションを起こさなければいけませんよね。これにより社会全体に様々な変化がでてきています。

では、具体的に家計には、どのように響いてくるのでしょうか?

私たちへの影響は?

「悪い影響が大きい?」と思いきや、銀行にとっては打撃が大きいものの、私たち個人への影響は限定的、と言われています。もともと、銀行預金への金利がほぼつかない=0に等しかっただけあり、下がっていても限定的なものです。

銀行が日本銀行にお金を預けてもお金が掛かるようになったことから、普段私たちが預けるような大手銀行、ネット銀行の金利も下がりました。普通預金金利を0.02%から0.001%に引き下げた銀行もあります。具体的には、100万円を1年間預けていて200円しかもらえなかったものが10円になった、ということ。確かに減ってはいますが、もともとATM引き出し手数料が掛かってしまうとマイナスに……という程度の金利だったため、大きく家計への影響はあるものではありません。

また、保険会社が販売していた長期型の貯蓄性のある保険商品も販売を停止したり、保険料が上がったりと影響は出てきていますが駆け込みだからといってあたふたと勧められるがままに加入はしない方がベターです。

金利が過去最低水準に低くなったため、むしろ「住宅ローンを借りる」、または「現在ローン返済中」の方にとってはメリットも。住宅ローンは大きい額なので、金利が下がることはけっこうな負担減になりますよね。かといって、一概に「借り換えがお得!」、「今住宅購入がお得!」というワケではありません。ローンの借り換えを検討されている方はしっかりと手数料や保証料等の借り換えに掛かる費用も理解した上で、検討してくださいね。

私たちがすべき事は?

今までの説明からいえるのは「お金を借りる人の方が、恩恵がある」ということ。これを機に、家計を見直してみたり、預ける額を投資に回してみたり、と改めて自分自身の資金計画を見つめ直す必要がありそうです。

預けておいてもお金は増えるどころか、ATM手数料で “実質マイナス金利” と揶揄されることもあった日本の金利。今後、さらに影響は広がっていくかもしれません。今まで以上に自分自身のライフスタイルを守る為に、お金の運用の仕方は、楽しみながらも、早めのうちから学ぶ事が重要となりそうですね!

次回は「一時払い終身保険は貯蓄代わりになるの?」という疑問にお答えします。以上、はぴマネレッスンvol.25でした。