好きなこと、話そ!

志村 昌美

自分らしく生きる大切さを教えてくれる! 最新作『幸せをつかむ歌』!

2016.3.5
つい先日、授賞式が行われ、世界中の注目を集めたアカデミー賞。今年もさまざまなドラマが起きましたが、俳優でノミネート回数の最多記録を持っているのは誰だか知っていますか? 正解は、なんと19回を誇る御年66歳の大女優メリル・ストリープ! そんな彼女が、またもや新たな一面を見せていることでも話題の主演最新作が、こちら……。

つい先日、授賞式が行われ、世界中の注目を集めたアカデミー賞。今年もさまざまなドラマが起きましたが、俳優でノミネート回数の最多記録を持っているのは誰だか知っていますか? 正解は、なんと19回を誇る御年66歳の大女優メリル・ストリープ! そんな彼女が、またもや新たな一面を見せていることでも話題の主演最新作が、こちら……。

売れないロックミュージシャンを演じた『幸せをつかむ歌』!

【映画、ときどき私】 vol.25

ミュージシャンになる夢をあきらめきれず、家族を捨ててインディアナポリスを離れたリンダは、ロサンゼルスの小さなライブハウスで、売れないバンドとともに音楽活動をしていた。貧乏でギリギリの生活ではあったが、大切な仲間や常連客に囲まれ、リンダなりに楽しい毎日を過ごしていたのだった。

ところがある日、別れた夫から突然の連絡!

なんと、娘のジュリーが夫に捨てられ、自殺しかけるほどに落ち込んでいるという。娘や息子のことを片時も忘れたことはないリンダだったが、いまさらどんな顔をして会いに行けばいいのかわからなかった。しかし、傷ついた娘の力になるため、リンダはインディアナポリスに降り立つことを決意する。

ついに、20年ぶりの再会となる母娘だったが……。

ジュリーにとってリンダは、“夢のために家族を捨てたひどい母親” として、憎しみの対象となってしまっていた。最初は久しぶりの再会にとまどい、反発していたものの、徐々に距離を縮めていく2人。

信じていた愛を失い、心を病んでしまったジュリーを救ったのは、他でもなくリンダの母としての愛情と心からの歌声だった。バラバラになった家族とボロボロになったジュリー、そして葛藤しつづけるリンダ、それぞれが幸せをつかむことができるのか……?

メリル・ストリープが聴かせる圧巻の歌声に鳥肌!

映画を観る前は、「メリル・ストリープにロックミュージシャンはさすがに無理では?」と思っていたものの、始まった瞬間から、メリル・ストリープのソロコンサートにでも来たような気分。まるで、ミュージシャンが本業でもあるかのような貫禄と、魂のこもった迫力ある歌声には、圧倒されっぱなしになるはずです。

通常、映画ではバンドが演奏したフリをして、事前に録音したサウンドをかぶせるそうですが、なんと今回は吹き替えなし! しかも、メリル本人も撮影前からエレキギターを特訓し、実際に演奏しているというから驚き。さすが、何でもこなしてしまう天才女優に不可能はないようです。

音楽って生きていくために必要?

人が生きていくのに必要なものといえば、三大欲求でもある “食欲、睡眠欲、性欲” 。なので、究極をいえば、音楽がなくても生きていくことはできます。ただし、それはあくまでも物質的においてのみ。本質的な意味での “人として生きる” というのには、音楽は必要不可欠だと思うのです。

たとえば、失恋したら失恋ソングで思いっきり泣いたり、幸せなときはハッピーソングでさらにノリノリになってみたり、落ち込んでいるときに気持ちがなぐさめられたり。音楽が私たち心に与える影響を感じることって誰にでもあると思います。

やっぱり人は音楽とともに生きているのであって、4つ目の欲求として “音楽欲” というのを入れてもいいのではないかとさえ思うほど。音楽の持つ “魔力” は、リンダのように、ときに人生を狂わせることもあるけれど、同時に人生を再生させる力もあり、生きていくためには大事な要素のひとつ。

そして、人生においてもう一つ大切なものといえば、家族!

どれだけ離れていたとしても、切っても切れないもの、それが家族の絆。「どんな理由があったとしても、理屈なしでお互いを求めてしまうのは、やっぱり家族だから」と感じさせられる、母リンダと娘ジュリーの微妙な心の変化はお見逃しなく。

今回はさらなるリアルを追求すべく、メリルと実の娘が母娘役で共演!

本作では、女優として活動しているメリルの娘であるメイミー・ガマーが、母親にも夫にも裏切られ、愛を失って自暴自棄になるジュリーを熱演。とにかくメリルにそっくりで、当然ながらこれ以上にハマる母娘役はありません。実生活ではとても仲がいい母娘のようですが、映画のなかで2人の間に不協和音を起こすため、監督からは「シーンを演じているとき以外は、絶対に言葉を交わさないように」と指示されたという。

役とは真逆ですが、“偉大すぎる母” を持つゆえの心の葛藤も、いままであったのではないかと想像すると、メイミーが母親に悪態をつく姿もどこかリアルに感じてしまうほど。ぜひ、奇跡の母娘共演にも注目してみてください。

自分らしく生きることの大切さを歌い上げる姿に感動!

リンダのように、自分らしさを追求するあまり、何かを犠牲にしたり、誰かを傷つけてしまったりする選択を迫られることも、ときにはあるかもしれません。それでも、自分なりにその道を貫くことができれば、いつかきっと想いは伝わるはず。

誰にでも “自分にしか歌えない歌” があり、それを見つけることこそ、自分らしく生きるということなのかもしれません。あなたの幸せをつかむ歌は見つかりましたか?

作品情報

『幸せをつかむ歌』
公開表記:3月5日(土)、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

http://www.shiawase-uta.jp/

この記事を書いた人

志村 昌美
記事数:81 Posts

映画宣伝マンを経てライターに転向し、海外ニュースや映画紹介、インタビューなどを中心に執筆。この連載では、新作映画を紹介しつつ、自身の体験談と主観満載でお届けします。 また、イタリアとイギリスへの留学経験から、現在は日・英・伊・仏のマルチリンガル目指して猛勉強中! 日々試写で観る新作の感想など、随時つぶやいてます♪ https://twitter.com/masamino_19