志村 昌美

“人はひとりでは生きられない” を話題の映画『オデッセイ』で実感する!

2016.2.4
映画に詳しい人はもちろん、そうでない人も行方が気になるのが “アカデミー賞”。先日、各部門のノミネートが発表され、まもなく開催される授賞式を前に、さまざまな作品に注目が集まっている今日この頃。そんな賞レースを賑わせている作品のひとつと言えば……。

アカデミー賞7部門にノミネートされた話題作『オデッセイ』!

【映画、ときどき私 vol.20】

人類による3度目の有人火星探査ミッションである『アレス3』。全6名のクルーによって、順調に行われていたが、18日目に強烈な嵐が火星に上陸し、任務中止に追い込まれる事態に直面していた。

船長の命令により、火星から全員で撤収しようとしていたとき、突風で吹き飛ばされた通信アンテナがクルーのひとりであるワトニーに激突し、そのまま行方不明となってしまう。

必死の捜索もむなしく、発見できなかったワトニーは死亡したと判断され、NASAの長官も記者会見でワトニーの死を発表することに。

しかし、なんと奇跡的にワトニーは生存していた!

かろうじて一命を取り止めたワトニーだったが、2億2530万キロ離れた地球に生還するには、あまりにも多くの問題が目の前に立ちはだかっていた。

それは、酸素も水も通信手段もない状況で、食料は残りたった31日分のみ。しかも、次の有人探索ミッションが来るのは、4年も先のことだった。

この絶望的とも思える状況のなか、ワトニーは生き延びるために、“ある驚くべき行動” を開始する。はたして、全世界の人々が待ち受ける地球にワトニーは無事戻ることができるのか……?

主演男優賞にノミネートのマット・デイモンがとにかくすごい!

と、こんなことをいまさら、改めて言うことでもないのかもしれません。とはいえ、 “正統派イケメン俳優” に弱い私としては、正直言って、いままで彼のよさがあまりわかっていませんでした(ハリウッドスターにむかって、なんとも失礼な話ですが……)。

しかし、この作品では、マット・デイモンに俳優としての実力をこれでもかと見せつけられ、ワトニーとしても見せるさまざまな表情やユーモアに、とにかく最初から最後まで釘付け! そんなマット・デイモンを観るだけでも、劇場に行く価値は十分にあると思います。

そして、「全世界が命懸けでも彼を助けたい!」と思わせるだけの魅力がマット・デイモンにあるからこそ、この型破りなストーリーが成り立っているのだと感じさせられるほどなのです。

そこで、「もし、火星にひとり取り残されたらどうする?」と考えてみた

妄想癖のある私としては、ある程度はそれを糧にひとりで生きていけるかもしれないけれど、おしゃべり好きな私としては、誰とも話せない寂しさで、食料が尽きる前に自分の気持ちが尽きる可能性は大。

だから、私にとって、「地球に戻りたい」と命懸けでがんばるためのモチベーションがあるとすれば、それは「大切な人たちにもう一度会いたい!」というその気持ちだけ。そして、その想いは ”奇跡” を生む力を持っていると思うのです。

本作からは、「人はみな誰かのために、そして人はみな誰かに支えられて生きているのだ」と感じずにはいられません。それはまさに、“ONE FOR ALL, ALL FOR ONE” のラグビー精神のよう。そんなワトニーと仲間たち、彼らを見守る人々の絆には、思わず胸が熱くなるはずです。

はるばる宇宙から届いたメッセージとは?

火星や宇宙を舞台にした壮大なストーリーではあるけれど、感じることは「人は誰もが見えない絆で結ばれている」というシンプルなこと。そして、「人間の持つ力は、宇宙のように計り知れない可能性に満ち溢れている」ということなのです。

邦題の『オデッセイ』が意味する “長い冒険の旅” に、マット・デイモンと一緒に行ってみませんか? あなたにとって、これから先の “長い人生の旅” を大きく左右する始まりになるかもしれません。

作品情報

『オデッセイ』
公開表記:2月5日(金) TOHOシネマズ スカラ座他全国ロードショー
配給:20世紀フォックス映画
(c) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved

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