花田 浩菜

【はぴマネレッスン】vol.20「実は聞きたかった、外貨預金」

2016.1.12
年が明けて気持ちを一新したり、手帳も新しく買い替えたり。自分や生活、そして「お金」も見直す機会が一番多いのがこのシーズンです。 前回は「知って得する定期預金」についてお話しましたが、今回は「外貨預金」について。「日本円でなく、外貨がいいと聞いたんだけど、よくわからない!」という声も多いこの預金、基本の「き」からお話します!

外貨預金、基本の「き」。

外貨預金とは、その名の通り「米ドル」、「ユーロ」など日本円以外の様々な外国の通貨、つまり「外貨」でお金を預ける預金です。

一般的に外貨預金とは「外貨定期預金」のことを指しています。日本の定期預金のように「一定期間預けることで金利が高め」に設定されているんですね。外国為替の種類は「米ドル」、「ユーロ」、「オーストラリアドル」、「ニュージーランドドル」、「南アフリカアンド」など。ほとんどの金融機関が数多くの外国為替を扱っています。期間も定期預金タイプなら1か月、3か月、6か月、1年など、短いものから揃えてあります。

いま、外貨預金や株、投資信託など、さまざまな金融商品に注目が集まっています。理由は、何度もお伝えしているように「円預金の金利が低い」から。特に外貨預金は、日本円の金利よりも高く、毎日の変動による「為替の差益=預けた時よりも円安になると得をする」イメージが大きいのではないでしょうか。

しかし、高金利だからとむやみに手を出すのは危険です。確認しておきたい「円預金と異なる点」について説明していきます。

円預金と外貨預金の異なる点って?

大きく分けて5つです。それぞれ確認していきましょう♪

1.日本円に比べて金利が高い
日本の現在の定期預金は1年預けてつく金利が、大手メガバンクで0.025%(2016年1月現在)。それに比べて、三菱東京UFJ銀行の外貨定期預金の1年定期の金利(2016年1月現在)は次の通り。
・米ドル→0.310%
・オーストラリアドル→1.330%
・ニュージーランドドル→1.8%

軒並み高めですね。銀行により金利は変わるため、キャンペーン期間で「オーストラリアドル3ヶ月定期の金利2.5%!」なんてこともザラ。しかし、高金利以外にしっかり確認すべきポイントがたくさんあるので要注意。

2.為替手数料がかかる
外貨を出し入れする際のどちらにもかかる「為替手数料」という手数料が存在するのです。額は銀行により異なり、例えば、三菱東京UFJ銀行の場合、米ドルにかかる片道の為替手数料は25銭(2016年1月現在)。

簡単に「1ドル=100円」として計算してみましょう。100万円をドルに替えると10,000ドル。これを1ドルにつき25銭の為替手数料が掛かると計算すると、手数料は片道2,500円。通常預けて引き出すので、往復分の5,000円がかかります。そのため、預けた時と同額で引き出す場合は、手数料5000円でマイナスになるということ。「金利は高いけれど掛かる額も日本円より大きい」ということを理解しておきましょう。

3.為替リスクが伴う
為替のレートは常に変動しているため、預けた時のレートよりも円安であれば益が発生しますが、その反対に円高になれば損になります。1ドル=100円で預けて、円に戻す時に1ドル=90円となっていれば10円損となり、またその逆も然り。元本が戻らないリスクも伴うことを、しっかり頭に入れておきたいもの。

4.外貨預金は「預金保険」の対象外!
日本の金融機関での預金は、例えば預け先の金融機関が破綻しても、預けた額の「元本1000万円+その利息」以内であれば支払ってくれる「預金保険制度(ペイオフ)」の対象となります。しかし、外貨預金はこの「預金保険」の対象外。万が一預けていた銀行が破綻したら、預金額の戻る保障はなくなってしまいます。

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5.外貨定期預金では、中途解約ができない
期間の決まっている商品に対して、途中で「解約したい!」と思っても中途解約ができません!

それでも、外貨預金を始めたいならココをチェック!

外貨預金は「メリットとなれば大きいが、リスクも大きい」ことをおわかりになったでしょうか。しかし、上手く利用出来ればメリットは大きくなる可能性も秘めています。チェックすべきポイントをお伝えします。

1.手数料との差益を確認!
外貨預金のある様々な金融機関のなかでも、ネット銀行は手数料の低い場合が多い。あらかじめ「手数料」と「為替コスト」を考慮し、「差益がでるレート」、「起こり得るリスク」についてしっかりと頭に入れてから始めましょう!

2.「期間」は解約出来ないのでよく考えてから!
異なる点の項目でも説明した通り「中途解約」ができません。解約をせずに済む余裕のある資金の確保ができたら、自分にあった期間で始めることが大切です。

3.自分の許容範囲内の額で資産分散を!
何度も言いますが、外貨預金は「上手くいけばメリットも多い、けどリスクも大きい」。金融のプロでも、景気の先行き予測は100%不可能です。それを理解した上で、手持ちのお金を次のように分けてみましょう。「手元に残すもの、預けるもの、運用するもの」、外貨預金へは、このうちの「運用するお金」のさらに一部を預けるくらいのモチベーションで試したほうが賢明でしょう。

4.自分の信頼出来る金融機関へ!
外貨預金は、預金保険の対象外です。倒産しても預金が戻る保障はないため、信頼して預ける事ができる金融機関を選んで始めるのもポイントの一つです!

いかがでしたか? 今回は「知っておきたい外貨預金」について基本からお話しました。メリット、デメリットを理解して自分にあった預金ライフを送りたいもの。2016年の見直しにはぜひ参考にしてみてくださいね。

次回は、外貨預金に続き、良く耳にするようになった「投資信託」について。「投資信託って、何なの?」のテーマでお話します。

以上、【はぴマネレッスン】vol.20でした。