田代 わこ

女子的アートナビvol.1『ボッティチェリ展』で美人力アップ!

2016.1.13
はじめまして。アート好きのライター、田代わこです。美術館って、なんだか高尚なイメージがして行きにくいかも……。そんな女子でも大丈夫! このコーナーでは、デートでもおひとりさまでも楽しめる、オススメ美術展をご紹介します。

初回のオススメ美術展は、上野で見られる『ボッティチェリ展』

イタリア・ルネサンスを代表する画家のひとり、ボッティチェリ。名前は聞いたことがあるけれど、どんな絵を描くのか、パッと思い浮かばない人も多いかも……。

でも、大きな貝殻の上に裸の女性が立っている有名な絵《ヴィーナスの誕生》なら、きっとどこかで見たことがあるはず。あの絵を描いた人がボッティチェリです。ちなみに下のイラストは私が描きました。

ヴィーナスの絵は、ロゴに使われることもしばしば。

2016年は、日本とイタリアが国交を結んでから150周年を迎える記念の年。その記念ロゴにも、ボッティチェリのヴィーナスは使われています。

ボッティチェリって、どんな人?

illustration: Hattaro Shinano
illustration: Hattaro Shinano

サンドロ・ボッティチェリ(1444/45~1510)はフィレンツェ生まれ。早くから絵に関心をもち、人気画家の工房で修行。25歳頃には自分の工房を構えます。幸運だったのは、フィレンツェの支配者メディチ家がパトロンについたこと。ボッティチェリの優美な絵は評判となり、第一線で活躍する画家になります。しかし、メディチ家がフィレンツェから追放されると、環境が一変。晩年は神秘的な画風に向かい、65歳頃に亡くなりました。

ボッティチェリの描く女性は、世界中で「美」の象徴として使われているのをご存じですか? 多くの宣伝や広告に使われ、今でもエステ会社の広告塔になっています。

では、本展で見られるボッティチェリの美人画をご紹介!

こちらは、その名も《美しきシモネッタの肖像》。モデルの女性シモネッタは、フィレンツェ一番の美女といわれ、当時の芸術家や文学者たちから「美の化身」と崇められていたとか。

すっとした鼻にちょっとクールな目元、愛らしい唇、そして完璧なブロンド。う~ん、うらやましい! 美人の条件が揃っています。

美しすぎるマリア様も見逃せません。

ボッティサシカエ

ボッティチェリが描くと、マリア様もとってもキレイ! 見てください、この美しい表情を。わが子イエスに待ち受ける運命を予知しての、憂いを帯びたまなざし。その美しさや神々しさに圧倒されます。伏し目がちの表情やうつむく角度などに、美人力のヒントが隠されているのかも。

この作品、《聖母子(書物の聖母)》は、代表作《ヴィーナスの誕生》と同じ時期に描かれたボッティチェリ円熟期の傑作。待望の初来日作品です。

まさか、日本で見られるなんて……!

ポルディ・ペッツォーリ美術館の外観。もとは貴族の邸宅で、室内の装飾もかなりステキ☆
ポルディ・ペッツォーリ美術館の外観。もとは貴族の邸宅で、室内の装飾もかなりステキ☆

《聖母子(書物の聖母)》は、ミラノのポルディ・ペッツォーリ美術館にあります。実は昨夏、この絵をイタリアで見てきたのです!

本作品は、「聖母子像の最高傑作」ともいわれる本当に貴重なもの。しかも、板に描かれているため、保護するのが難しく、運ぶのも大変なんだとか。たぶん、こんな名画は日本では見られないぞ~と思っていたのですが、まさかの来日。再会できるなんて、感激です☆

ボッティチェリ展のオススメ作品2点を紹介しましたが、文字と画像だけではその魅力を伝えきれません。やはり美術館に行って、ホンモノから伝わる美のパワーを体感するのが一番! ボッティチェリ展では、世界各地から集まったボッティチェリ作品約20点のほか、師のフィリッポ・リッピや弟子の作品などもあわせ、約80点が展示されます。

この全作品をしっかり見て理解しようと思ったら大変だけど、見たい作品だけ見るのも全然OK! まずはぶらりと美術館に足を運んでみては?

Information

会期:2016年1月16日(土)~4月3日(日) ※休室日は月曜日、3月22日(火)※ただし、3月21日(月・祝)、3月28日(月)は開室
時間:9:30 ~ 17:30 (金曜日は9:30~20:00)※入室は閉室の30分前まで
会場:東京都美術館
料金:一般 1,600円/65歳以上 1,000円/学生 1,300円/高校生 800円/中学生以下無料

http://botticelli.jp/