志村 昌美

映画、ときどき私 Vol.14『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』で思い出すべき “大人が忘れがちな大切なこと” !

2015.12.4
12月に入って本格的にクリスマスシーズンに突入すると、大人もつい子供みたいにはしゃいでしまうもの。そんな誰もが童心に返ってしまう時期にぴったりな作品をご紹介します! それは……。

みんな大好き! 『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』

とにかく不器用な少年のチャーリー・ブラウンは、何をやっても上手くいかず、失敗ばかりの毎日。友達のルーシーや妹のサリーにはからかわれ、飼い犬で親友のスヌーピーにも呆れられてしまう始末。

それでも、何事にもあきらめることを知らないチャーリー・ブラウンは、一生懸命前向きに日々を過ごしていた。

そんなある日、チャーリー・ブラウンが転校生に一目惚れ!

クラスに転校してきた赤毛の女の子を一目見た瞬間に恋に落ちてしまったチャーリー・ブラウン。彼女に話しかけたいと花を片手にスヌーピーと一緒に家の玄関まで行くも、最後の勇気をふり絞れずにいた。

いっぽう、スヌーピーは空想の世界で大冒険中!

犬小屋の屋根からパイロットになりきったスヌーピーは、パリの空へと出撃し、宿敵を倒すべく、危険な飛行を行っていた。そんななか、スヌーピーもかわいいパリジェンヌのフィフィと出会って一目惚れ。

ロマンティックな空のデートとアクロバティックな戦いを繰り広げることに。

そんな大忙しのときでも、チャーリー・ブラウンに助けが必要なときはいつでも戻ってきて、そばで背中を押してくれるのがスヌーピー。

「自分を変えたい」と新たな決意をしたチャーリー・ブラウンは、ダメ少年から生まれ変わり、愛しの赤毛の女の子と話すことはできるのか……?

ブランド認知度は、日本で97%! 全世界では99%!

驚異的ともいえる数字を見てもわかるように、スヌーピーを知らない人はいないはず。実際、日本でのスヌーピー人気は本国のアメリカを凌ぐほどと言われているようです。

でも、勘違いしがちなのは、“ピーナッツ” の主人公はスヌーピーではなく、チャーリー・ブラウンであるということ。かくいう私も、ずっとスヌーピーが主人公だと思い込んでいました。

小学校時代、一番好きだったキャラクターはスヌーピー!

子供のころに、友達とスヌーピーにハマってしまった私は、そのかわいらしさに夢中になり、とにかくグッズ集めに没頭していました。今回の映画も、子供に戻ったような気持ちでワクワクしながら観ていたところ、あることに気がついてしまったのです……。

それは、スヌーピー好きを自負していたのに、キャラクターたちの性格や “ピーナッツ” のストーリーについて、思っていた以上に知らなかったということ!

よく考えてみれば、グッズなどは気軽に手に入るものの、コミックを読んだり、TVのアニメシリーズに触れたりする機会があまりなかったような気がしています。「子供のときに映画が公開されていれば、絶対観に行ったはずなのにおかしいな」と思ったのですが……。

なんと、“ピーナッツ” の劇場版は35年ぶり!

今までに何度も映画化の企画はあったものの、失敗するリスクを冒したくなかったそうで、なかなか実現しなかったとのことですが、“ピーナッツ” 誕生から65周年の今年、満を持して本作が完成。

原作の世界観や独特のタッチを失わないように、最大限の努力がされたこともあり、違和感もなく、まるでコミックからキャラクターたちがそのまま飛び出してきたかのようです。

チャーリーは少しおっちょこちょいと思っていたのに、あそこまで不器用だとは知らなかったし、大人しいと思っていたスヌーピーもあんなにやんちゃだとは思っておらず、とにかく新発見が満載。

なかでも、個人的にはスヌーピーがビーグル犬だと知って一番びっくり! あまりに有名な話だったら知らなすぎて恐縮ですが、もはや私のなかではスヌーピーはスヌーピーであって、犬であることさえ忘れかけていたのです。

そんなキャラクターたちが教えてくれることとは?

ここまではキャラクターたちのかわいさだけに気を取られてしまいがちですが、“ピーナッツ” のすごいところは大人でも楽しめるストーリー。

今回はチャーリー・ブラウンとスヌーピーがみせる友情の温かさと絆の大切さ、そしてありのままの自分でいることの素晴らしさを教えてくれます。

完璧な人間なんて、この世には存在しないはず。誰にでも、良いところ、悪いところがあり、それが1人1人の個性。自分にとっては短所だと思っていたことも、実は誰かにとっては魅力的と感じることもあります。

チャーリー・ブラウンの初恋の甘酸っぱさとともに思わずキュンとすること間違いなしです。

そのままの自分を大切にすれば、きっとだれかはわかってくれる!

私たちは大人になるにつれて、気がつかないうちに自分をよく見せようとしがち。でも、ほかの誰でもないオンリーワンでいることが、なによりもワンダフル!

大人たちが忘れてしまいがちな “シンプルなこと” をスヌーピーと子どもたちから学べるはず。ぜひ、“大事なだれか” と一緒に観に行ってみては?

作品情報

『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』
公開表記:12月4日(金)TOHOシネマズ スカラ座他全国ロードショー
配給:20世紀フォックス映画
© 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved. PEANUTS © Peanuts Worldwide LLC

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