好きなこと、話そ!

志村 昌美

映画、ときどき私 Vol.12『料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命』で料理が持つ“真のパワー”を学ぶ!

2015.11.11
前回の連載では“芸術の秋”にオススメの作品をご紹介しましたが、秋と言えばもうひとつありますよね? そうです、“食欲の秋”です! そこで、味覚を刺激するような“美味しいドキュメンタリー”をご紹介したいと思います。

前回の連載では“芸術の秋”にオススメの作品をご紹介しましたが、秋と言えばもうひとつありますよね? そうです、“食欲の秋”です! そこで、味覚を刺激するような“美味しいドキュメンタリー”をご紹介したいと思います。

その名も『料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命』!

ペルーを代表する料理人であり、国民的ヒーローともなったガストン・アクリオ。いまやペルーのみならず、世界中の有名シェフたちからも尊敬され、絶大な人気を誇っているひとりの料理人を2年間追い続けたドキュメンタリーがついに公開!

ガストンは1994年に25歳の若さで母国にレストランをオープンしたのち、類まれなる才能を発揮し、一躍人気シェフとなった。その後、ペルーだけにとどまらず、現在では12カ国50店舗を超えるレストランを持ち、数々のアワードを受賞するなど、活躍の場を世界に広げている。

いまでは、ペルーの人々はみんな「ガストンは国を変えた」と言うほど!

ペルーにとって重要な文化でもあるガストロノミー(食文化)に大きな革命を起こし、世界にペルーが料理大国であることを示したガストンは、ペルーの人々に大きな自信と希望を与えることに。

そんなガストンは、自身の持つ財産や名声を惜しげもなく自国のために提供し、貧しい子供たちでも通うことのできる料理学校を設立したり、歴史ある食材や生産者の救済に力を注いだりと、料理人としての枠を越えて、ペルーのために料理でさまざまな革命を起こしている。

ガストンが示すのは、「料理で世界は変えられる」!

食物や生産者へ対しての感謝の気持ちを改めて教えてくれるガストンの言葉の数々。そして、美味しい料理で一人でも多くの人を笑顔にし、国全体を変えていきたいというガストンの情熱には胸を熱くさせられます。人々の胃袋のみならず、心までがっちりと掴み、いまや多くの人の憧れの存在ともなったガストン。料理の持つ力と可能性は無限なのです。

「世界を変えられるのは、“できる”と信じて疑わない、情熱をもった人々だけだ」と語るガストンの精神は、自分の決めた道を信じて突き進んでいくことの大切さも教えてくれます。そんなガストンが作る“ペルービアン”と呼ばれる料理は必見です!

とはいえ、一体ペルー料理ってどんなもの?

「ペルー料理とは?」と聞かれて答えられる人は少ないと思いますし、実際私もこの作品を観るまで、ペルー料理のことを考えたこともなければ、想像したこともありませんでした。

しかし、初めて目にするペルー料理の色鮮やかな美しさと自国の素材を活かした幅広いメニューにはくぎ付けになり、思わず喉が鳴ってしまうほど。

日本のほぼ裏側に位置するペルーだけに、なかなか口にする機会がなかったかもしれませんが、この作品を観れば、ペルーがいかにレベルの高い料理大国かを目の当たりにするはずです。鑑賞後には、思わずペルー料理店を検索してしまうかも!?

私も子どもの頃に夢見ていた職業のひとつは料理研究家!

子どもの頃になりたかった職業は、バレリーナ、ファッションデザイナー、そして料理研究家の3つでした。

そもそも、私が料理に興味を持ち始めたのは、小学2年生のときにアジを三枚におろして、アジのたたきを作れるようになったのがきっかけでした。家族や学校の先生に褒められたことや自分の作ったものを「おいしい」と言ってもらえる喜びを知ったからです。

その後、包丁の練習中に指を落としかけて病院に駆け込んだりしたこともありましたが、それでも料理を嫌いになることはありませんでした。

そして、留学しているときに何よりも喜ばれたのは日本食を振舞うこと。

それまであまり日本料理を食べたことのなかった海外の友人たちが「おいしい」と喜んで食べてくれれば、それだけで幸せな気分と国や文化を越えて心が通じ合えたような気分を味わえたのです。

そのとき、ペルーの人々が自国の料理を愛するように、自分がいかに日本食に誇りを持ち、そこに日本人としてのアイデンティティーを感じているのかということも改めて実感しました。

とはいえ、私は自分のためにはあまり料理することはなく、一人のときはたいていインスタント食品か冷凍食品になりがち。なぜなら、私にとって「料理=誰かのために作るもの」であり、結局のところ「人の笑顔が見たい」というそれだけなのかもしれません。

たとえ、ガストンのように世界を変えることはできなくても、気持ちのこもった料理でまわりの人を幸せにすることは私たちにもできるはず。

キャッチコピーは、「料理は、星の数より笑顔の数だ。」

まさにその言葉どおり、“どんなときでも美味しい料理を食べれば元気になれる”。それこそが料理の持つ力であり、美味しい料理が生み出すもの、それは他でもなく笑顔なのです。そこに相手への愛情と料理への情熱があれば、それが美味しさの隠し味となり、極上のスパイスとなるはず。星の数より笑顔の数、そして料理の数だけ笑顔の数も増えていくのです。

食欲の秋に最高の一皿ならぬ最高の一本で、“心の味覚”を刺激されてみては?

作品情報

『料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命』
公開表記:11月14日(土)、シアター・イメージフォーラム(渋谷)ほか全国順次公開
配給:スタイルジャム 
(c)2014 Chiwake Films, All Rights Reserved 

http://gaston-movie.jp/

この記事を書いた人

志村 昌美
記事数:148 Posts

映画宣伝マンを経てライターに転向し、海外ニュースや映画紹介、インタビューなどを中心に執筆。この連載では、新作映画を紹介しつつ、自身の体験談と主観満載でお届けします。
また、イタリアとイギリスへの留学経験から、現在は日・英・伊・仏のマルチリンガル目指して猛勉強中!
日々試写で観る新作の感想など、随時つぶやいてます♪
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