【謎のヒット作】『時をかける少女』の著者・筒井康隆さんの『旅のラゴス』を、丸の内OLが読んでみた。
2015.10.29
丸の内に勤務する読書好きのOL・櫻井智絵が、自分が読んで「ああ、面白かった!」と思った本だけを紹介する連載【丸の内OLの給湯読書室】。第5回は、書店やネットで話題になっていた本が気になったので読んでみました。筒井康隆さんの『旅のラゴス』。
【丸の内OLの給湯読書室】vol.5 櫻井智絵
最近、書店やネットで話題になっている本を調べてみてビックリ。
発売されたのは、なななんと1994年、今から20年前!!
じわじわと注目されてきたロングセラー小説、ここ一年ほどで10万部以上増刷、異例の売り上げとなっているそうです。
その謎のヒットの秘密を探るべく、早速読んでみました♪
『旅のラゴス』とは?
あらすじは…
一人の男、主人公ラゴスが北から南へ、文明が失われた世界を生涯をかけて旅をする。途中、「集団転移」や「壁抜け」といった非現実的な「超能力」を体験し、奴隷商人につかまって働かされたり、図書館で本を読み耽っているうちに一国の国王になったり、はたまた一文無しで帰還した故郷で高名な学者として迎え入れられたり…。旅をするごとに年を重ねていき、旅の中で成長していくラゴス。彼が人生をかけて旅をする目的は何なのか。時折、思い出す少女の存在とは。
読み終えて…
長い長い旅から帰ってきたような不思議な感覚に襲われました。
たった251ページに一人の壮絶な人生があり、読み応えがありました。
注目したいのは、どんな酷い目にあっても、どれだけ良い地位を手に入れても、ラゴスが旅をやめないところです。
何故そこまでして“旅”を続けるのか。
“旅”の先にあるものは何か。
最後の最後まで読んだ人にだけ感じる不思議な長旅の余韻を、ぜひ味わってみて下さい。
最後に…
私にとって読書は、旅のようなもの。
一冊の本が世界中を飛び回って、知らない世界を教えてくれたり、時にはそっとココロを満たしてくれます。
流行りだけではなく、『旅のラゴス』のように20年の時を超えて出会う本がある。
読みたい物語が沢山ある。
だから私は本を読み続けるんだと思います。