志村 昌美

映画、ときどき私 Vol.9『カミーユ、恋はふたたび』が教えてくれる“幸せへのヒント”!

2015.10.30
「もう一度、あのときから人生をやり直せたら」と誰もが一度は考えたこと、ありますよね? そんな夢のようなシチュエーションを体験する主人公が教えてくれる“未来の幸せのヒント”をご紹介します! 

今回は、フランスからやってきた注目作『カミーユ、恋はふたたび』!

パリに住む40歳のカミーユは、人生の分岐点に立たされていた。かろうじて続けている女優の仕事でもたいした役はもらえず、そのうえ25年間連れ添った旦那にも離婚を言い渡されてしまったのだ。

失意のカミーユは、気分転換に友達のパーティで大はしゃぎするも、飲みすぎて意識を失ってしまう。

ところが、目が覚めたらなんと16歳の頃にタイムスリップ!

病院で意識を取り戻すも、看護婦が「お嬢ちゃん」と自分のことを呼び、死んだはずの両親まで現れるという“夢のような”状況が飲み込めないカミーユ。さらに信じられないことは、自分では40歳のままの容姿に見えているのに、まわりにはカミーユが16歳に見えているということだった。

とまどいながらも友人たちと2度目の青春を味わい、いまは亡き大好きな両親との幸せな時間を噛みしめていた。

しかし、恐れていた旦那との出会いがふたたび訪れる!

未来を知っているだけに、二度と悲しい思いをしたくないカミーユは、熱烈なアプローチをしてくる旦那に引き寄せられながらも、避け続けていた。はたして、過去に戻ったカミーユは運命を変えることができるのか……。

人生をふたたび見つめ直したカミーユが見つけた”未来の幸せ”とは?

過去を変えることが幸せ? それとも過去を受け入れることが幸せ?

不満や辛いことがあったとき、人は「あのとき、あの選択をしなければよかった」とカミーユのように過去を後悔しがち。でも、変えられないものをいつまでも嘆き続けるより、変えられないものを受け入れる勇気を持ったとき、いまの一瞬一瞬を大事に生きようと思えるようになるのです。

青春時代をふたたび経験し、人生において大切なものを改めて知ることができたカミーユ。そのすべてを物語るようなカミーユの笑顔は、あなたの心もスッと晴れやかにしてくれるはずです。

そこで、「もし、昔に戻ることができたら?」と考えてみた!

これまでの自分の人生に後悔がまったくないと言えば、もちろん嘘になります。だからきっと、私もカミーユのように、運命を変えようと多少はジタバタするはず。

でも、いままで知り合った友達みんなと同じ時間をまた一緒に過ごしたいし、おもしろい経験や楽しい思い出ももう一度味わいたいし、たとえ結末がわかっていたとしてもまた同じ人を好きになる、そこだけは変わらないかもしれません。

だから、もし過去に戻って運命を変えられるとしても、きっと同じことを繰り返してしまう気がしているところです。

とはいえ、やっぱり変えられるものなら変えたい出来事もあります!

昔から国内外を問わず何かと“トラブル巻き込まれ体質”の私。なかには、もう二度と経験したくないというものもたくさんあります。そこで、できれば回避したいトラブルを挙げてみました。

・車にひかれる
・スリ被害3回(未遂を含む)
・ひったくりに遭う2回
・ATMで襲われる
・カツアゲされる
・飛行機に置いて行かれる
・お風呂場で転んであごを縫う
・トンビにアイスを奪われる 

と、これはあくまでもほんの一部ですが、人生の嫌な部分について改めて考えてみると、いま無事に生きていることがありがたく、なんだか奇跡にすら感じてくるほど。起きたことは変えられないけれど、過去の出来事を受け入れることでより前向きになれ、いまでは笑って話せるそんな人生を愛おしくさえ感じられるものです。

過去を受け入れること、それが幸せな未来への出発点!

いまのあなたを作りあげたもの、それは他でもなくあなたの過去なのです。どんな過去でも、それこそが自分自身なのであると理解した瞬間、同じ現在地にいても、そこは幸せな未来への出発点に変わるはず。

うれしいことも辛いことも全部含めて、いまの自分があるのだということを教えてくれるカミーユのタイムトラベル。過去を変えることがトラブル回避の近道ではなく、過去を受け入れることが新たな人生の旅路への近道なのです。

カミーユと一緒に”幸せを掴むヒント”を見つけてみませんか?

作品情報

『カミーユ、恋はふたたび』
公開表記:10月31日(土)、新宿シネマカリテほか全国順次公開
配給:ノーム
© 2012 F comme Film, Ciné@, Gaumont, France 2 Cinéma

http://camille-futatabi.com/