好きなこと、話そ!

志村 昌美

映画、ときどき私 Vol.1 『わたしに会うまでの1600キロ』に学ぶ人生のリセット方法。

2015.9.10
はじめまして、ライターの志村昌美です。今回より、【映画、ときどき私】という連載を始めさせてもらうことになりました! この連載では、新作映画を取りあげつつ、自分の体験談や主観をがっつり織り交ぜながらさまざまな視点でご紹介していきたいと思います。みなさんが映画を選ぶとき、頭の片隅に浮かんでもらえたらうれしいです。

はじめまして、ライターの志村昌美です。今回より、【映画、ときどき私】という連載を始めさせてもらうことになりました! この連載では、新作映画を取りあげつつ、自分の体験談や主観をがっつり織り交ぜながらさまざまな視点でご紹介していきたいと思います。みなさんが映画を選ぶとき、頭の片隅に浮かんでもらえたらうれしいです。

記念すべき第1回目に取り上げる作品は……

8月28日に公開したばかりの映画『わたしに会うまでの1600キロ』。

どん底から人生をリセットした女性の実話!

最愛の母の死という現実に耐えられないシェリルは、優しい夫を裏切っては薬と男に溺れるという荒んだ生活を送り続け、ついに離婚。落ちるところまで落ちたシェリルだったが、物書きを目指していたかつての自分を取り戻し、前を向いて残りの人生を生きるため、ある挑戦を思いつく。

それはなんと、アメリカ西海岸を南北に縦断する1600キロにもおよぶ自然歩道をたった一人で3ヶ月間歩き続けるというものだった。それまで山歩きさえ未経験だったシェリルが、命の危険も感じるほどの無謀な旅でたどり着いた答えとは……?

どん底から人生の再出発を決意したアメリカ人女性シェリル・ストレイドの体験談を映画化した本作。まったくの初心者である女性には過酷すぎる道のりの連続と厳しく立ちはだかる壮大な自然の景色には思わず息をのむほど。

旅のはじめには詰め込みすぎた巨大なバックパックを背負ってフラフラと歩いているものの、徐々に本当に必要なものを見極めながら一歩一歩自分の足でしっかりと地面を踏みしめるシェリル。その姿はまるで“人生の縮図”のようで、自分の人生は自分で切り開いていくものなのだと改めて考えさせられます。

今までに、人生の辛い時期を自分で乗り越えた経験のある人ならシェリルの気持ちに共感する人も多いはず。

実は、私もそんな一人。

今から1年半前、シェリルほどのどん底ではないものの、私も人生で3本指に入るほどの辛い経験にどっぷりはまっていました。何をしても心から楽しめなくて、うわの空だった私。もちろん、このままでいいわけないことは誰よりもわかっていました。

そこで思い立ったのは、気を紛らせることができて、自分に役立つもので、興味のあることに挑戦してみるというもの。考えた結果、その当時軽い気持ちで始めたばかりだったフランス語学習に狙いを定め、どんなに忙しくても、どんなに眠くても、必ず毎日フランス語の勉強をすると決意! そして、3か月後に行われるフランス語検定を受けることを目標とし、あえて自分より1つ上のレベルを受験することにしました。

その結果……

なんと、人生初の100点満点を獲得!!! さらに、成績優秀者表彰式なるものにまで招待されて、檀上で賞まで頂いてしまったのです!!!

とはいえ、「1600キロに比べたら、100点くらいで大騒ぎしすぎ!」という声が聞こえてきそうですし、実際そうだと思います。

でも、お世辞にも学生時代に成績優秀とは言えなかった私。いや、お世辞どころか、3教科合わせても100点いかず、中高一貫校なのに危うく高校にも進学できないくらいの成績で、先生がオマケしてくれてもまだ赤点で、中高ともにクラスメートには内緒で補習プリントや個別授業を受けさせられ、しまいには面談で先生に「お友達はあなたを成績で選んでないから大丈夫よ」慰められるほどのレベル。

これだけ恥ずべき過去を大公開したので、私にとっての100点満点がどれほどの“奇跡”だったかお分かりいただけましたよね?

人生の分岐点はどこにあるかわからない!

そして、その辛かった時期に自分がしたいことにも初めてちゃんと向き合い、そのとき心に残ったものが実は「ライターになりたい」という選択肢でした。もしあの時期がなければ、こうしてこの原稿を書いていることもなかったのかと思うとなんだかグッとくるものがあります。

歩いている道の途中では気がつかなくても、人生どこが自分の分岐点になるかわからないものなのです。

大人になって止まる成長は身長だけ!

自分への挑戦に成功した自信と新たな目標を見つけたことで、今までで一番自分の人生を自分の足で歩いているような実感さえしている今日この頃。大人になってもまだまだいくらでも成長できるのだとも感じていて、「大人になって止まる成長は身長だけ!」と自分に言い聞かせています。

私は毎日お風呂に入りたいし、あったかいごはんも食べたいし、暗い森の中で1人で寝るなんてできないし、そもそも1600キロも歩けないから、正直言ってシェリルの行動を理解することはできません。

でも、困難なときを乗り越える方法は、他人から見てどんなにバカげたことでも、別に理解される必要なんてないんです! それで自分がいいと思えば、それだけで十分!「人生には、バカなことをしないと乗り越えられない時がある」と語るシェリルのように、自分を信じて自分だけの方法で乗り越えればいいんです! 

楽な道は○○も少ない!

私は辛い道のりを歩いているとき、住職でもある私の伯父がくれたある言葉をいつも思い出します。それは、「楽な道は喜びも少ない」。

もちろん、誰もが苦しい思いをできればしたくないものですが、人生を振り返ったとき、ただまっすぐ平たんな道よりも、曲がりくねったり、山あり谷あり川あり森あり雪あり嵐ありの方が、モノクロの人生よりもきっと色鮮やかなはず。私はそんな“落ち着きのない人生”の方が愛おしくさえ感じます。

シェリルは『わたしに会うまでの1600キロ』、私は『わたしに会うまでのフランス語検定』。そして、あなたは『わたしに会うまでの◯◯◯』。どこで“本当の自分”と会いたいですか?

作品情報

『わたしに会うまでの1600キロ』 
公開表記:TOHOシネマズ シャンテほか全国公開中
配給:20世紀フォックス映画
© 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

http://www.foxmovies-jp.com/1600kilo/

この記事を書いた人

志村 昌美
記事数:153 Posts

映画宣伝マンを経てライターに転向し、海外ニュースや映画紹介、インタビューなどを中心に執筆。この連載では、新作映画を紹介しつつ、自身の体験談と主観満載でお届けします。
また、イタリアとイギリスへの留学経験から、現在は日・英・伊・仏のマルチリンガル目指して猛勉強中!
日々試写で観る新作の感想など、随時つぶやいてます♪
https://twitter.com/masamino_19